- 2009年6月 5日 11:08
- News
たて続けに新規機序の抗結核薬が紹介する事になって、全世界ではいまだ結核は脅威であるということを実感する。
微生物だって、生き残る為に抵抗するわけだから、これで終わりにはならないだろうが、"微生物を殺す"事にこだわっていると、いつまでも終わらないと言い換えることも出来そうだ。
微生物を殺す事に終始せず、共存だったり、細胞に接着しないようにしたり、感染を限定的にしたり、、、、と、がんも"共存"の時代に入っているのだから、治療ストラテジー自体に目を向ける時期に来ているのかも。
奇しくも、前回の「新しい腸管感染治療薬!?」も細胞への接着を阻害する機序のエントリーだったし・・・・。
The Diarylquinoline TMC207 for Multidrug-Resistant Tuberculosis
A.H. Diacon and others
背 景
ジアリルキノリン(diarylquinoline)TMC207 は、結核菌の ATP 合成酵素を阻害するという新たな抗結核作用機序を有することが示されている。TMC207 は in vitro で薬剤感受性・薬剤耐性の結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を強力に阻害し、薬剤感受性の肺結核患者において殺菌作用を示す。
方 法
2 段階の無作為化比較第 2 相試験の第 1 段階として、新たに多剤耐性肺結核と診断された患者 47 例を、TMC207 群(400 mg/日を 2 週間投与した後、200 mg/日を週に 3 回、6 週間投与)(23 例)と、プラセボ群(24 例)のいずれかに無作為に割り付けた。いずれも第 2 選択薬 5 剤から成る標準的な多剤耐性結核治療レジメンを併用した。主要有効性エンドポイントは、液体培地において喀痰培養が陽性から陰性へ転換することとした。
結 果
TMC207 群では、プラセボ群に比べ、喀痰培養陰転までの期間が短く(ハザード比 11.8、95%信頼区間 2.3~61.3、Cox 回帰分析による P=0.003)、培養陰転のみられた患者の割合が高かった(48% 対 9%)。喀痰中コロニー形成単位の常用対数の平均値は、TMC207 群のほうがプラセボ群に比べ速やかに低下した。培養陰転のみられた患者とみられなかった患者とで、TMC207 の平均血漿中濃度に有意差は認められなかった。有害事象の多くは軽度~中等度であり、悪心のみがTMC207 群でプラセボ群よりも有意に高頻度にみられた(26% 対 4%、P=0.04)。
結 論
TMC207 の臨床活性から、ATP 合成酵素は結核治療の標的となりうることが確認された。(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00449644)
(N Engl J Med 2009; 360 : 2397 - 405 : Original Article)
(C)2009 Massachusetts Medical Society.
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