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ワルファリンに代わる新規経口抗凝固薬dabigatranが登場

  • Posted by: Mitsuyuki Ohno
  • 2009年9月 1日 11:01
  • News

さてさて、だいぶメジャーになってきました。この系統の薬。ワルファリンの管理で飯を食ってる人達は、歓迎するんだろうか?それとも・・・・・・?

トロンビンは血小板と凝固の両者を活性化する血栓形成のキーメディエーターである。

ワルファリンはビタミンK依存性の凝固因子の合成を阻害・・・→トロンビンの生成を抑制・・・・・。と、間接的トロンビン阻害剤だ。周知の事だが、その代謝が遺伝子の制御下にあり、食事や薬剤の影響を受けやすく、治療域が狭いため時間と経費を要する血液凝固モニターが必要になる。

新規凝固薬が"新規"といわれる所以は、血液凝固カスケード発生の阻害、凝固進展阻止によるトロンビン生成の抑制、トロンビン阻害によるフィブリン形成の抑制といった、血液凝固の特異的な段階を標的としているので、用量反応性に優れ、抗凝固活性の個人差が少なく、薬物相互作用がなく、血液凝固モニターを必要としないからである。


臨床的には、この『血液凝固モニターを必要としない』が非常に大きい。


凝固カスケード発生は、組織因子(TF)・活性化凝固第Ⅶ因子(FⅦa)複合体を標的とする薬剤により抑制され、トロンビン生成は活性化凝固第Ⅸ因子(FⅨa)や活性化凝固第Ⅹ因子(FⅩa)を標的とする薬剤、活性化凝固第Ⅴ因子(FⅤa)や活性化凝固第Ⅷ因子(FⅧa)の不活性化により阻害される。

トロンビン阻害薬は、フィブリン形成を抑制するのみならず、トロンビンを介するFⅤ、FⅧ、FXIのアップレギュレーションを阻害し、トロンビン誘導血小板凝集をも抑制する。

これらの新規抗凝固薬の中で心房細動患者における臨床開発がもっとも進んでいた経口薬がキシメラガトラン(ximelagatran)であったが、FDA は肝機能障害を理由に承認しなかった。

現在、キシメラガトラン(ximelagatran)に代わり最も開発が進んでいるのがダビガトラン(dabigatran)とⅩa阻害薬のリバロキサバン(ribaroxaban)である。また、Du-176b は第一三共が開発した純国産の選択的FⅩa阻害薬である。

以上、こんな所を踏まえて、、、、

第31回欧州心臓病学会でRE-LY試験の結果発表

 心房細動患者の脳卒中予防に、ワルファリンと新規経口抗凝固薬dabigatranを比較した大規模臨床試験(第III相試験)RE-LY※では、dabigatran150mgの効果がワルファリンより優れていることが示された。スペイン・バルセロナで開かれている第31回欧州心臓病学会(ESC Congress 2009)のHot Lineセッションで8月30日、マクマスター大学(カナダ・ハミルトン)教授のStuart J. Connolly氏が報告した。


大出血は110mg群で有意に少ない

 非弁膜症性心房細動(NVAF)患者では脳塞栓症リスクが高いため、その予防としてワルファリンによる抗凝固療法が必要だが、ワルファリンは頻回の血液凝固モニタリングで投与量を調節しなければならず、また患者もビタミンK含有食品(例えば日本人なら納豆)の摂取制限を課せられるなど、医師・患者双方にとって負担が大きい。さらに、ワルファリンには他剤との相互作用があるが、心房細動患者に多い高齢者は複数の薬剤を服用していることが多く、この点も問題となる。これらがネックとなって、ワルファリン適応のある患者の半数が現実には投与を受けていないとされる。

 このワルファリンに代わる新たな薬剤が待ち望まれていたなかで、トロンビンを直接阻害する経口抗凝固薬dabigatranが開発された。

 RE-LYはdabigatranとワルファリンの脳卒中予防効果を比較したもので、心房細動の臨床試験としては史上最大規模の1万8,000例余りを登録。対象は(1)dabigatran 110mg×2/日群、(2)同150mg×2/日群(3)ワルファリン(目標とする国際標準比:INR 2.0~3.0)群―にランダムに割り付けられ、最低1年追跡された(中央値で2年)。

 1次評価項目である「脳卒中(脳出血を含む)または全身性塞栓症」の発症率は、dabigatran 110mg群1.5%/年、同150mg群1.1%/年、ワルファリン群1.7%/年で、dabigatran 150mg群はワルファリン群と比較して発症率が有意(P<0.001)に低く、優位性が証明され、同110mg群もワルファリン群に対する非劣性が確認された。

 安全性評価項目である大出血はdabigatran 150mg群ではワルファリン群と同程度だったが、同110mg群ではワルファリン群より有意に少なかった。肝機能に関しては、ALTやASTが正常上限の3倍超に上昇した割合に3群間で差は認められなかった。


心房細動患者の脳卒中予防にパラダイム・チェンジ

 Connolly氏は「dabigatranはいずれの用量でもワルファリンと比べて有益である。150mgのほうが脳卒中予防効果は高く、より安全なのは110mgのほうだ」と結論した。 Dabigatranはワルファリンのような血液凝固モニタリングおよび用量調節は不要であり、この点で臨床的有用性が高い。作用機序が異なるため、ビタミンK摂取制限も必要ない。他の薬剤との相互作用も少ないとされる。

 Discussantとして登壇した聖ジョージ大学(ロンドン)教授のA. J. Camm氏は「dabigatranは心房細動の抗凝固管理に"パラダイム・チェンジ"をもたらすものだ」と強調した。

 RE-LYの原著論文は同学会での発表と同時にN Eng J Med オンライン版にされた。

 なお、dabigatranは人工関節置換術後の患者における静脈血栓塞栓症予防を適応として既に40か国以上で承認済みで、広く使用されているという(わが国では未承認)。

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