- 2009年11月27日 10:07
- News
ナイアシンはニコチン酸とニコチンアミド等の総称で、生体中に最も多く存在するビタミンである。生体内ではNADやNADPに変換され、酸化還元反応(電子が供与体分子から受容体分子に転移する反応)に関与する酵素の補酵素として機能している。。。。。
なんて、ネットで調べれば、ワラワラ出てくる健康情報だけど、疾病の治療効果には言及できない事になっている。これはこれでOK。ただ、マスコミやネットでの"井戸端会議"の影響力は無視できない。。。
間違った健康概念、治療薬の効果は、この手のメディアを使って誤解を払拭するのも悪くないかも!!
私は"コレステロール"のことはケチョンケチョンにしている。
---そんなもの、指標にならねぇよ!---
心筋梗塞の発症予測の為なら、ひどい言い方だけと『白髪の数と毛染め』くらい頓珍漢かもしれない。心筋梗塞の予測に、白髪の数なんて、ナンセンスだと思うでしょ!
白髪の数は細胞での生化学反応の結果だから、、、、遺伝子の多型に還元できる。
皮膚の表皮最下層の基底層や毛髪の毛母などにあるメラノサイト(色素細胞)で生成されるメラニンは、アミノ酸の一つであるチロシンにチロシナーゼという酸化酵素が働き、ドーパという化合物に変わる。更にチロシナーゼはドーパにも働きかけ、ドーパキノンという化合物に変化させる。ドーパキノンは化学的反応性が高いので、酵素の力を借りる事なく次々と反応していく。ドーパクロム、インドールキノンへと変化し、最終的には酸化、重合し、黒褐色のメラニンとなる、、、、、
なんて書くと、白髪と心筋梗塞の関係も、信じちゃう?
さて、NEJM に『LDL コレステロールを下げても、全然効果が無い。。。っていうか、下げると頸動脈内膜中膜厚を増加させちゃう』という論文が掲載された。このような論文は、単純明快、非常にわかりやすい。
Extended-Release Niacin or Ezetimibe and Carotid Intima-Media Thickness
A.J. Taylor and others
背 景
スタチン単剤療法中に脂質プロファイルをさらに改善するためには、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値を上昇させる治療か、低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値をさらに低下させる治療を併用するという選択肢がある。
方 法
冠動脈心疾患または同等の冠動脈心疾患リスクを有する患者で、長期のスタチン療法を受け、LDL コレステロール値が 100 mg/dL(2.6 mmol/L)未満で、HDL コレステロール値が男性 50 mg/dL(1.3 mmol/L)未満、女性 55 mg/dL(1.4 mmol/L)未満を達成している患者を試験に組み入れ、徐放性ナイアシン(niacin)投与群(目標用量 2,000 mg/日)と、エゼチミブ投与群(10 mg/日)に無作為に割り付けた。主要エンドポイントは、14 ヵ月後の総頸動脈内膜中膜厚の平均値の、ベースラインからの変化の群間差とした。208 例が試験を完了後、事前に規定した解析によって有効性が認められたため試験は早期に打ち切られた。
結 果
14 ヵ月の試験期間中に、ナイアシン群の平均 HDL コレステロール値は 18.4%上昇して 50 mg/dL となり(P<0.001)、エゼチミブ群の平均 LDL コレステロール値は 19.2%低下して 66 mg/dL(1.7 mmol/L)となった(P<0.001)。ナイアシン投与により、LDL コレステロール値とトリグリセリド値は有意に低下した。エゼチミブ投与により、HDL コレステロール値とトリグリセリド値は低下した。エゼチミブと比べて、ナイアシンは 14 ヵ月間の頸動脈内膜中膜厚の平均値の変化において有効であったことを示し(P=0.003)、頸動脈内膜中膜厚の平均値(P=0.001)、最大値とも有意に減少した(すべての比較においてP≦0.001)。逆説的に、エゼチミブに関連した LDL コレステロール値のより大きな低下は、頸動脈内膜中膜厚の増加と有意に関係していた(R=-0.31、P<0.001)。主要心血管イベントの発生率は、ナイアシン群のほうがエゼチミブ群より低かった(1% 対 5%、χ2 検定による P=0.04)。
結 論
この有効性比較試験により、スタチン療法に徐放性ナイアシンを併用することで頸動脈内膜中膜厚が有意に減少すること、また、ナイアシンがエゼチミブより優れていることが示された。(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00397657)
(N Engl J Med 2009; 361 : 2113 - 22.)
(C)2009 Massachusetts Medical Society.
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