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経皮的冠動脈インターベンションを受ける患者に対するカングレロール投与による血小板阻害

  • Posted by: Mitsuyuki Ohno
  • 2009年12月11日 13:32
  • News

作用機序が明快に解明されていると、なにやら、未来が予測可能のように思えるが、、、、、

チクロピジン(Ticlopidine)などのチエノピリジン系は、肝臓でSH基を獲得して、それが血小板ADP受容体(P2Y1)にSS結合して、これを不可逆的にブロックすることにより、ADPによるアデニル酸シクラーゼ活性の抑制を阻害し、cAMP濃度を高め、血小板内のCa2+濃度を減少させ、血小板の二次凝集を抑制する。

カングレロール(cangrelor)は、非チエノピリジン系アデノシン三リン酸類似体であり、直接、アデノシン二リン酸受容体 P2Y12 にADPが結合するのを競合的に可逆的に阻害する。

、、、、、わかっていても、実際は、、、、臨床的な効果の差はなかったというお話。

Platelet Inhibition with Cangrelor in Patients Undergoing PCI

R.A. Harrington and others


背 景

 非チエノピリジン系アデノシン三リン酸類似体であるカングレロール(cangrelor)は、静脈内投与されるアデノシン二リン酸受容体 P2Y12 拮抗薬である。カングレロールは、迅速・予測可能・強力かつ可逆的な血小板阻害を要する患者の治療に有用である可能性がある。


方 法

 大規模多国試験において、急性冠症候群の患者を対象に、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)前に行うカングレロール静脈内投与とクロピドグレル 600 mg 経口投与の比較を行った。主要有効性エンドポイントは、48 時間の時点におけるあらゆる原因による死亡・心筋梗塞・虚血を原因とする血行再建の複合とした。


結 果

 対象とした 8,877 例のうち、8,716 例が PCI を受けた。48 時間の時点における主要複合エンドポイントは、カングレロール群 7.5%、クロピドグレル群 7.1%に発生し(オッズ比 1.05、95%信頼区間 [CI] 0.88~1.24、P=0.59)、カングレロールにクロピドグレルに対する優越性は認められなかった。同様に、30 日の時点においてもカングレロールの優越性は認められなかった。緊急カテーテル・緊急インターベンショントリアージ戦略(ACUITY)基準による重大な出血の発生率はカングレロール群のほうが高く、統計学的有意に近い差が認められたが(3.6% 対 2.9%、オッズ比 1.26、95% CI 0.99~1.60、P=0.06)、心筋梗塞における血栓溶解(TIMI)基準による重大な出血や、閉塞冠動脈に対するストレプトキナーゼおよび組織プラスミノーゲン活性化因子の世界的使用(GUSTO)基準による重度または致死的な出血には、そのような差は認められなかった。副次的探索的エンドポイントとしたあらゆる原因による死亡・Q 波心筋梗塞・虚血を原因とする血行再建の複合について、カングレロール群で少ない傾向がみられたが、有意ではなかった(0.6% 対 0.9%、オッズ比 0.67、95% CI 0.39~1.14、P=0.14)。


結 論

 PCI の 30 分前から施行後 2 時間までカングレロールの静脈内投与を続けた場合、PCI の 30 分前に初回用量 600 mg のクロピドグレルの経口投与を行った場合と比較して、48 時間の時点におけるあらゆる原因による死亡・心筋梗塞・虚血を原因とする血行再建の複合エンドポイントの減少に関して、カングレロールの優越性は認められなかった。(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00305162)


N Engl J Med 2009; 361 : 2318 - 29.
(C)2009 Massachusetts Medical Society.

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