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N-アセチルシステイン~統合失調症治療に便益

20071126_investigation.jpgN-アセチルシステインと聞けば、職業柄、アセトアミノフェン中毒を思い浮かべる。安全と言われている薬でも肝障害を起し死に至る副作用として、記憶にすり込まれているからだ。

一般の方の記憶に新しいところでは、埼玉県の某スナックが舞台になった“風邪薬殺人事件”が挙げられるだろう。アセトアミノフェンの有害作用をお酒と併用することで“倍増”させた素人らしからぬ殺人事件だ。

というわけで今回の知見からは、統合失調症治療にN-アセチルシステイン治療が普及したら、統合失調症の人を風邪薬(アセトアミノフェン)で殺せないジャン!!とまことに不謹慎な妄想を抱いてしまったので、エントリーしてみました。


N-アセチルシステイン~統合失調症治療に便益

〔ウィーン〕メルボルン大学(オーストラリア・メルボルン)精神医学のMichael Berk教授らは、一部の肺疾患に対して粘液溶解薬として投与されるOTC薬のN-アセチルシステイン(NAC)は統合失調症治療に便益があると第20回欧州神経精神薬理学会で報告した。


病因に関与の可能性も

 Berk教授は「グルタチオン前駆体であるNACに便益が見込めるという事実は、グルタチオン不足が統合失調症の病因に関与していることを意味しているのではないか」と述べた。

 同教授らは、統合失調症患者140例を対象に、現在使用している向精神薬療法に対するNACの上乗せ効果を検討した。治療効果は臨床全般印象(CGI)重症度と陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)により評価した。

 対象者のうち、69例を実薬群、71例をプラセボ群に割り付けた。111例が24週の試験を完了し、61例が中断後に診療を受けた。このような自然減は統合失調症試験では典型的であるという。

 24週までに、実薬群ではCGI重症度が平均0.4ポイント減少したのに対し、プラセボ群では平均0.2ポイント減少した。PANSS陰性症状サブ尺度は実薬群のほうが平均1.8ポイント低かった(P=0.018)。しかし、治療終了後にこれらの差異は消滅した。

 興味深いことに、実薬群はSimpson AngusスコアとBarnes-Akathisia総合スコアなどで錐体外路系症状を検討したところ、改善が見られた。 3 例の重度有害イベントは入院で、治療不履行と関連しており、いずれもプラセボ群で生じた。

 同教授は「この結果、NACは統合失調症の症状を一部改善したことから、病因にグルタチオン不足が関与していることが示された」と述べ、「今後、被験者の数を増やしてさらなる研究を行う必要がある」と付け加えた。


昨夜、北野たけしの『点と線』はみそこなってしまったのだが、HDD レコーダに録画してあるので暇になったら見ようと思っている。で、私は推理小説やミステリーは結構好きな方なのだが、トリックというかポイントとなっている所に、専門家じゃないと知らないようなマニアックな“事情”があると、釈然とはしないものの、なにかそういうのを知っていると『カッコイイ』って子供の頃から感じていた。そういうのが、よく言えば知的好奇心旺盛、悪くいえば“知らないと癪に障る”っていう今現在の性格に至ったのかもしれない。

で、そのマニアックな“事情”っていうのが、サイエンスに関するものだったりすると、時間の経過と共に“陳腐”になっちゃうのは、よく聞くところだ。

先の松本清張の『砂の器』、青年の暗い過去が動機となったわけだが、今ではそれが“癩(らい)”では『???』となってしまうのだろう、スマップの仲居君が主役を演じた時には、病気そのものが変更になっていた。

今回、思いついた“風邪薬殺人”と“統合失調症”と“N-アセチルシステイン”の組み合わせは、旬なうちに小説のネタに使いたいところだが、いかんせん、私には小説を書く能力の欠片も無いので、勿体無いが、しまっておくしかない。(統合失調症治療にN-アセチルシステイン治療が普及しても、そんな事は専門家しか知る由も無いから、ネタになるのだ!それが証拠に、一般の方では、今現在の統合失調症の治療薬ですら知っている人は居ないはずだからね)


ところで、医師で小説を書く方は多いが、薬剤師のモノ書きってのは、とんとお目にかからない。化学をやってもネタにならないからなのか?それとも文学的センスの全く無い人間が薬剤師になるからなのか、その辺はよくわからないが、私の知る唯一の薬剤師作家の高田崇史氏の小説に、乳棒と乳鉢ネタが登場する。(タイトルは忘れた・・・が百人一首とか六歌仙とか七福神とか、そんなのばっかりの作家だ)

大学薬学部の実験室で起きた殺人事件で、乳棒が床に落ちていたのを発見した主人公が『薬剤師だったらこんな事にはならないはず・・・・』みたいな推理をするシーンである。

・・・・でも、そんな事がわかっても、ちぃっとも嬉しくないのは何故だろう?

やっぱり、知的な面を垣間見せるには薬理学や毒物学を駆使しなくっちゃね。アメリカのドラマ“CSI”でも『こういう事が出来るのは、化学を学んだものか薬剤師だ!』みたいに科学捜査官に叫ばせるくらいの内容が欲しいぞ!!


というわけで、“N-アセチルシステイン”ネタ、どうでしょ?(しつこい?)

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2007年11月26日 15:50に投稿されたエントリーのページです。

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