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2008年08月 アーカイブ

2008年08月16日

2日間 1,000kmの旅

20080816_myGTR.JPG今年のお盆休みは、車で走り回った1週間だった。

前半は、長野県の安曇野に行き、安曇野を拠点に松本から上高地とHONDA ステップワゴンで、まったりと、しかしせわしなく走り回った家族旅行だった。

帰るやいなや、1日の休養をはさんで、山形県鶴岡市へ。こっちは、後輩に会いに行く旅だ。GT-R の慣らし運転と見せびらかしを兼ねているのだが。。。。


ところで、2日間で1,000kmを走ると、車と体が一気に馴染んでくるのがわかる。

プロのレーサーのニュアンスとは別だと思うけど、新しい車に乗り始める時には、いつも感じることだ。シートのポジションひとつとっても、最初の 200km 位では、どうもしっくりこない。ステアリングのギアレシオやアクセラレーターの踏み具合と速度の乗り具合など、どれをとってもそれまで乗っていた車と違うのだから、当然といえば当然なのだが・・・。


で、GT-R。いやー、速い。


ほんとに速い。今までに乗った車の中で一番はやい。慣らし運転プログラムの範囲内でもすごく速い。

日産が購入者に課している慣らし運転プログラムでは、500km まではエンジン回転を 3,500rpm までとしている。500km を超えたら、低ギアでのフルスロットル禁止以外は解禁となるのだが、急の付く動作は制限される。

納車以来、時間がとれなくて、200km しか乗ってなかった GT-R だったので、往路の東北自動車道で 500km を迎えることになるのだが、それまで、慎重にアクセラレーターを踏み込むも、それでも流れは完全にリード出来る。

500km を超えてからは発進加速以外はエンジン回転は上げても良いとの事なので、試してみたのだが、、、、、1200km を走り終えた後でも、まで、フルスロットルは怖くて出来なかった。どこかに飛んでいってしまいそうな加速なのだ。

結局、運転姿勢、その他は2日間1,000km でほぼ、慣れたのだが、加速 G だけはまだ手に負えそうにない。まぁ、麻薬と同じで、その内に慣れるんだろうけど。

そして、2日間1,000km でますます GT-R が好きになってしまった。ブラックエデションの内装色である"赤"が一番のお気に入りだったけど、車を操る感覚自体がそれに勝るようになったのだ。

20080816_arabiaGTR.jpgまぁ、それは良いのだが、、、、この写真を見てほしい。

シートに赤い帯状の化粧を施してあるのがブラックエデションの特徴なのだが、この車はなんと"ゴールド"だ!!

なんだこれは??って微妙な心理に陥っていたのは事実だが、その正体は、VVIP専用の特別仕様車というものらしい。VVIPとはVery Very Important Personの略。

日本で買えるのかというと、そうではなく、アラブのセレブ達に正規輸出に先駆けてお届けするものとのこと。この車に添えられる書面の要旨は以下の通り。

『時代を先行し称賛を浴びているスーパーカー"日産GT-R"をドライビングするスリルをこの地域の他のお客さまにさきがけて楽しんでいただきたくNISSAN GT-R VVIPプログラムを行うことにしました。
ごく限られた方だけがこのプログラムの対象で、専用のゴールドトリムなどの仕様の限定車を用意しました。
あなたは今日から日産GT-Rの伝説的なパフォーマンス、革新的な技術とクラフトマンシップを体験できる数少ないお客様の一人です。

GT-Rレジェンドへようこそ。』


ふ~~~ん、アラブの金持ちってのは、やっぱスゴイのねっ。

って、それはいいとして、この書面の注目すべきは『ドライビングするスリル』なんじゃないかな?

日産は、GT-R に関してはグローバルパフォーマンスで行くと言っているので、ローカル・チューナップは存在しない。ゴールドトリムのこの車も走りに関しては日本で買えるものと同じだ。

日本じゃ、大きな声では言えない(国土交通省が五月蝿い)が、この走りはやっぱり"スリル"と表現するのが正しいんだよね。


本当に『スリル』だと思うよ。

来週の日曜日は、またまた、やんごとなき理由(ゴルフとも言う)で、中央高速に乗り入れる予定だが、本来の目的よりも、行き帰りの時間の方が気になっている今日この頃です。

2008年08月20日

エロスとプシュケ

ギリシャ神話の創世記では、カオス(混沌)とタルタロス(地獄)が生まれた時を同じくしてエロスが生まれている。現代風に言えば"チョーイケメン"な男神なのだが、神々の、そして人々の繁栄の為に"愛(性欲)"を生じさせる事は絶対必要なので、こんな生まれ方をしている。

しかし、洋の東西南北を問わず"神話"にありがちな話で、出自は時とともに変化しアフロディーテの子供と言う事でコンセンサスが得られているようだ。

エロスは神々の中の王であるゼウスですら女がらみでは恐れおののき、アポロンでさえ痛い目にあわせられる(オリンピックの時期だから思い出すけど、ダフネとのエピソードはエロスをからかった報いだもんね)ほど、その力は絶大なのだがアフロディーテだけには頭が上がらないらしい。どんな事でも頼まれたら嫌とは言えないのだ。


20080820_Psyche.jpgエロスの妻になる前のプシュケは、人間だったのだが神々を超えると言われるほどの美しさを有していた。人々はその姿に神々しいものを感じ、自然とひれ伏すほどだった。

そんな事を見せ付けられてアフロディーテが面白いわけがない。愛と美の女神の面目躍如。やがて意地の悪い仕打ちを考えつくのだが、それは、この世で一番醜い男に一生恋焦がれさせるというものだった。(ちなみにギリシャの神様たちには善悪の判断はない)

その仕事はエロスにまかされた。エロスの持つ銀の矢にいられた者は、恋の狂気に捉えられるのだが、エロス自身がついプシュケの美しさにみとれ、自分の矢で自身を傷つけたからさぁ大変・・・・と、それからのエピソードはネットに詳しいのでそちらで探していただくとして、このエロス、英語名"キューピッド"にしてしまうと、どうもイメージに合わない。ギリシャ名とローマ名でこれほどギャップのある神様も珍しい。


さて、ご存知の方もいらっしゃるだろうが、出雲大社。平成の大遷宮ということで60年に一度のチャンスに際し、私が向かったのが8月2日土曜日の夜。午前中の仕事を終わらせて、午後5時過ぎの羽田発-出雲空港行きの JAL に乗り込んだのだった。

下調べもそこそこだった事が禍して、結局、本殿には入れずじまいの大失態を演じてしまったわけだが(妻はかなり消沈していた)、私は、なにやら神様の雰囲気に触れられて、意外に嬉しかったりしていた。

そして、神様と人間の関係(葬式仏教の仏様との関係じゃない)って、何だろう?って考えていたんだけど、そんなタイミングで吉田敦彦氏の『ギリシャ・ローマの神話』を再読していたら、前回は記憶に残らなかった所が、今回は、非常に気になって、それがエロスとプシュケのエピソードだったのだ。

プシュケは『ψυχη(Psyche)』と書き、古代ギリシャ語で『魂』を表し、英語のサイコ psycho- , psychology の語源だ。

吉田氏によると『・・・オルペウス教や、その影響を受けたプラトンなどの教えによれば、人間の魂は、もとは神様たちといっしょに、天上で暮らしていたものなのです。しかし自分のした失敗のために、魂は神々の世界から地上に落ち、肉体の牢獄に閉じ込められることになったのです。だから、地上にいるあいだも、むかし神様といっしょに天上にいて味わった幸福を決して忘れずに、失敗を償う努力を怠らず続ければ、魂は、死後には牢獄から開放されて、また、神々のもとへ帰ることが出来るのです・・・』

プシュケはエロスの言い付けを守らなかったばっかりに、(アフロディーテに)酷い目にあわされるのだが、健気にも(エロスの力を恐れた他の神々が影に力になりながら)努力し、また、失敗し、努力し、好奇心に負けてまた失敗し、、と(かなり父性本能をくすぐられ、しかも絶世の美女ときているから、チョー気になる存在なのだけど)、最後にはエロスの正妻に迎えられ、、、と、非常にわかりやすい。

神話の世界の神様と人間の関係ってのは、小難しい"宗教"などの概念を持ち出さなくても解るものだし、これが、基本的な神様と人間の関係なんじゃないのかなぁ!?って思った次第だ。

比較的現代に近い時点でギリシャ神話に加えられた、いわゆる"ギリシャ悲劇"では、かなり人間の精神構造の理解がすすんだと見られ、単純な"神様と人間の関係"というよりは、かなり高度な心理的作用をも期待するようなものになってきている。

ギリシャ神話がより高度な精神面へのアプローチである"ギリシャ悲劇"を飲み込もうとしているすぐお隣では一神教が目覚めようとしているのだが、人間、考えすぎると"一神教"になるのかもしれない。


私は、生まれて初めて島根県を訪れたのだが、自分の中で宗教という言葉の持つイメージと神様が分離し始めたのに気づいた。

そして、日本人には多神教が似合っていて、苦しい時に神頼みし、困った時にすがりつき、病気になって求める救いは、エロスとプシュケのような簡単なものがいいんじゃないのかなぁと・・・・。

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