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2008年10月 アーカイブ

2008年10月14日

ブルートゥスかアントニウスか

20081014_ROME.jpgローマの時代から変わりないのが、大衆の存在。


カエサルが暗殺された後※1、ブルートゥスとアントニウスは追悼の言葉を述べる。シェイクスピアの戯曲“ジュリアス・シーザー”では一番の見せ場だ。

WOWOW 海外ドラマ『ROME[ローマ]』ではその場面が、“ジュリアス・シーザー”でのシーザー(カエサル)とアントニー(アントニウス)のやり取り※2のように、第三者に語らせるっていう、パスティーシュのような心憎い演出がなされている。

※1:ドラマ『ROME[ローマ]』では、カエサルを暴君としたならば、その暴君が推挙した執政官、法務官など、すべて無効と化す。従って、選挙のやり直しは避けられない。当時でも選挙には莫大な費用が係る。やりたくない。
アントニウスはブルートゥスに持ちかける。『選挙を避けるには、カエサルを暴君とせず国葬に付す。その上で、大衆に対しては対立する双方の代表者が追悼の言葉を述べ、社会の不安を払拭すべきだ』と。

※2:凱旋式にてアントニーがシーザーへ王冠を送る。これをシーザーは三度断る。シェイクスピアはこの場面を役者に演じさせず、物陰から見ているキャシアス(カッシウス)らが、『断っているフリしているが、喉から手が出かかっている』などと、揶揄する場面をもって、シーザーとアントニーのやり取りを示している。
後世の評論家がこの戯曲を評価する理由に、本人(シーザー)の意思(王位に付きたいかどうか)を明確に示さなかった事を挙げる。(ここからは、私の評)実際、シーザーの本意はわからない。。。が真意はどうであれ、どう思われるかが大事で、歴史は暗殺を選ぶ。おしくらまんじゅうのように、進んでしまう事を見事に示している。

補足:ローマの大衆は、王様を嫌悪している。この大衆心理は塩野七生の『ローマ人の物語』をお読みくだされ。


西欧の文化圏では誰もが、カエサルの国葬に際しブルートゥスとアントニウスが何を喋ったのか十分に知っている。そして、二人の政治家としてのスタイルの違いは強烈だ。。(ほんとは、これらも結果から推測する一番合理的なシナリオにすぎず、事実かどうかはわからない。ドラマでは第三者に語らせる理由なのかもしれない・・・・が)

ブルートゥスは清く正しく美しく正論を貫く。
アントニウスは大衆にわかりやすく大衆の感情に訴えかける。

そして、大衆はアントニウスを選ぶ。

やがて単なる大衆迎合は大衆に見放され、大衆の気持ちをクレバーに利用する事ができるオクタヴィアヌス(アウグストゥス)が登場する。
 
 
 
突然、話はがらりと変わる。。。

まず、主成分分析(PCA)の定義から。ウィキペディアによると、、、、

主成分分析(しゅせいぶんぶんせき、principal component analysis)は、経済学の分野などが発祥の統計手法。複数の変数間の共分散(相関)を少数の合成変数で説明する手法。共分散行列の固有値問題の解として得ることができる。

例:
市町村の人口・学校数・商業施設数・進学率・第一次産業の就業率・水道の普及率などには通常高い相関がある。この相関を1つの変数が作った偽相関と仮定し、数学的に算出する。それを第一主成分と呼ぶ。第一主成分は数学的な計算結果に過ぎない。これの意味を分析者が解釈し、たとえば「都市化指数」などと想定し、都市化の指標とする。その残差に対して同じ計算を適用して、主成分は第二、第三、と作れるがその変数間の関係を説明する主成分負荷量が小さくなっていくので、解釈困難になっていく場合が多い。

心理学やマーケティングで使われる因子分析が主成分分析と同一の手法であるとの誤解が生じるのは統計ソフトにおいて類似のルーチンを用いるためである。詳しくは因子分析の項目を参照のこと。


漢方処方の性格付けにメタボローム解析を用いた研究が、千葉大学大学院薬学研究科の山崎真巳・准教授らのグループによって第5回植物メタボロミクス会議で発表された。

一つの細胞に含まれるメタボローム(代謝物総体)は微生物で数百種類、哺乳類で数千種類、植物で数万種類と言われているそうだ。哺乳類より植物の方がたくさん物質を作り出し“生きている”事に、少々、驚いている。まぁ、それはいいとして・・・

漢方薬を飲むと、どのような遺伝子の転写が促進され、その産物が二次代謝され・・・って最終的(ある時点で)にどんなものが出来てるのかを、主成分分析(PCA)で調べて発表している。

面白いのは、処方によりある程度グループ分けが出来きて、これが“証”に依存しないって事だ。微妙な差はあるにせよ小柴胡湯と大柴胡湯が同じクラスタにまとまっているのだ。ちなみに、葛根湯や加味しょうよう散とはかけ離れている。

ということは、、、、“中国4000年の経験”はこの“微妙な差”を臨床に応用している・・・のか???メタボローム解析は非常に科学的だけど、現時点では“中国4000年の経験”にてんでかなわないって事なのか??

現代科学の最先端の分解能は、まだまだ、人間の“かん”に遠く及ばない・・・・。その他の生命科学分野の研究結果が、臨床に直結しない・・・・のも、こんな理由なのかもね。見えてる(解っている)ようで、まだまだ、巨視的にしか見えてなかったってこと。

あっ!もしかして、クラスタの違いは“証”ではなくって、この小さな差が“証”なのかも!!

とすれば、この小さな差は“解像度”を上げれば大きく出来る。とすれば、“証”を科学のスケールで語れる・・・・。


厳密な意味で、因子分析と主成分分析が違うというのは、ウィキペディアの説明でわかったのだが、漢方薬の作用が、大衆の意思に重なってしまって、頭から離れない。メタボローム解析が漢方薬の分解能に及ばないの同様に、現代政治学が未来を予測できない事が興味深い。

漢方薬の構成生薬は複数だ。多いものでは10程もある。その一つ一つの生薬には、それこそ大量の成分が含まれる。それらが渾然一体となって、まるで大衆が一体となって政治家を動かすように人間に効く。

漢方薬の構成成分を一つ二つ取り出して効果をみようとしても、それはナンセンスだ。

大衆の中の人を、一人二人取り出して意見を聞いてみても、それは大衆を代表しない。そればかりか、政治(歴史)は大衆と政治家が渾然一体となって動かしているんだって解釈した方が理にかなっている。


漢方薬に入っている成分を一つ一つ取り上げれば、特に大きな作用を表しそうなのが、カエサルで、それ以下、アントニウス、ブルートゥス、カッシウス、キケロ、、、、それに男だけじゃなく、女達の影響も構成成分としては、ある程度大きな作用を持っている。
カエサルの愛人でブルートゥスの母親セルウィリア、カエサルの姪でオクタビウス(後のオクタビアヌス)の母であるアティア、スッラの孫であり正妻であるポンペイア、当然、エジプトの女王クレオパトラも。
浸剤として抽出している間に蒸発したり失活したり・・・・カトーやスキピオ、そしてポンペイウスもいる。だが、蒸発・失活したからといって、カエサルという有効成分に影響を与えなかったわけじゃない。漢方薬として出来上がった中のカエサルには、ちゃんと影響を与えたわけで、、、、ポンペイウスを追わなかったらエジプトには行かなかったわけで・・・・。

そして、その他の多数の成分は、一つ一つは大きな影響を与えないが、しかし、カエサルやアントニウスをも突き動かす、大衆がいる。
 
 
 
実は『ROME[ローマ]』は、エピソードによって性的表現の大胆なものがあり R-15 指定されている。娘と一緒に見ていると『アーアー声出してるけど何やってるのぉ?』と聞かれて、答えに窮していた。そんな事で妻から『娘がいない時に見るように』とお達しが出た。見始めて1月にもなろうかというのに、まだね全部見終わっていないのは、こういう理由からだ。

この連休(10月12~13日)、私の母親(娘の祖母)が娘を連れ出し遊びに行ってくれたので、チャンスとばかり、6話を2日にかけて観たのだった。ちょうど、カエサルが暗殺され、遺言によりオクタビウスが全ての遺産を相続し、アントニウスと決裂してアグリッパの元へ身を隠すところで、前半が終わった。

このドラマでは、ヴォレヌスとプッロという二人の兵士が登場する。この魅力的なキャラクターが私は大好きだ。実際に存在した兵士じゃないけど、歴史に与えた二人の影響は計り知れない。もしも、あの時、、、だったら、、、だけど。

で、ルキウス・ヴォレヌス役はケヴィン・マクキッドという俳優さんで、日本語吹き替えが、あのプリズン・ブレイクのマイケル・スコフィールド役、東地宏樹氏だ。これがドハマリでカッコイイ!プッロの声優さんはだれかわからなかったけど、ガイウス・ユリウス・カエサル役のキアラン・ハインズの吹き替えは、スパイダーマン2のマッド・サイエンティスト、Dr.オットー・オクタヴィウス役のアルフレッド・モリナをやっている土師孝也氏だ。これもカエサル役にドンピシャ・はまり役で感じが出てて、、、

(・∀・)イイ


今回のエントリーは、日頃、漠然と感じていた漢方薬への“思い”と WOWOW 海外ドラマ『ROME[ローマ]』を観たことにより惹起された“思い”とが一緒になって、吹き出してしまった・・・・・って感じです。

お粗末でした。

2008年10月24日

It's the Sequence, Stupid!

20081024_the_Sequence.jpgIt's the Sequence, Stupid!

やっぱり、基本はコレなんだぁ!影響を与える因子が多すぎるから“遺伝子制御機構”ってのは“混沌”のように見えるんだけど、、、、

まぁ、そんなことより、シャレているのは、Science 誌のライターだよね。
この研究の紹介しがてら、遺伝子分野の展望に『It's the Sequence, Stupid!』だもんね。

ビル・クリントンが1992年、大統領選で発した名言をもじるなんてね!

遺伝子制御を調節する(Regulating Gene Regulation)
Science October 17 2008, Vol.322

組織特異的な遺伝子発現は、ほ乳類全体に共通な高度に保存された一連の転写制御因子によって確立されている。

しかしながら、転写制御因子の結合部位自体は進化の過程で劇的に変化した。

このような変化は、エピジェネティクス、クロマチン、基本的な配列変化、環境および食事を含めた多様な因子の結果であろう。

遺伝子発現を制御している環境因子と遺伝因子を分けるために、Wilsonたち(p.434,9月11日のオンライン出版;Coller and Kruglyakによる展望記事参照)は、ヒト(の)21番染色体のコピーを保有するマウスの肝臓における発現を研究した。

これにより、同一の核内で同時にヒトとマウス配列の完全な相同染色体に関する転写制御の研究が可能となった。

in vivoでのタンパク質-DNA結合、ヒストンのメチル化および転写に関して、DNA配列が環境よりもより重要な決定因子であった。

Species-Specific Transcription in Mice Carrying Human Chromosome 21
p. 434-438.
GENETICS: It's the Sequence, Stupid!
p. 380-381.


だけど、言葉って難しい。

同じ事を言い方を変えると、印象が違ってしまう。私は、会話や文章で敢えて相手の記憶に残るような言葉を選択する事があるけれど、上のような“小粋な”言葉は、なかなか考えつかない。

例えば、下のような論文を紹介しようとすれば、、、、


『デブは脳の反応が鈍い』


とか、やっちゃう。

遺伝子と太り過ぎ(Genes and Weight Gain)

Science October 17 2008, Vol.322

将来の個人の体重増加のリスクを増大させる因子には何があるのか?肥満体の人はドパミン報酬系が緩慢である場合、これを促進させる努力の中で、過食に陥るような低活性報酬回路を持っているのではないかという仮説がある。

脳イメージング法を利用して、Stice たち(p. 449; および、表紙を参照)は、中性の液体飲料に対して美味なカロリーの多い飲料を摂取した場合、肥満体の人とそうでない人を区別する線条体活性化の関連を見つけた。

この活性化の相違が、各個人のドパミンD2受容体遺伝子のA1対立遺伝子を保持しているかどうかで強調され、これに付随して線条体中のドパミンの伝達が減少する。

この関連が、個人の1年後の体重増加を予測している。

Relation Between Obesity and Blunted Striatal Response to Food Is Moderated by TaqIA A1 Allele
p. 449-452.


強く記憶に残せれば、(・∀・)イイ ジャン・・・って思ってるし、“小粋な人”と思われたい欲望はほとんど無いので、シャレた言葉が浮かんでこないのだろう。(単に文学といわれる書物を読んでいないだけ・・という理由もあるが・・・)


血液型ゲノムって占いサイトがある。

『血液型ゲノム』。。。。。チョー胡散臭い、イイカゲンで非科学的な名称だ。

言葉の意味からいって、血液型の後に“ゲノム”という言葉は付かない。ゲノムという意味を解っていない証拠だ。こういうサイトや言葉遣いをする人の事って、私は、カラバカにしていて、普段なら目もくれないんだけど、ヒマだったから、覗いてみたら、、、、

真面目なA型

真面目で責任感があり誠実、良い人です。

真面目度: ★★★☆☆
マイペース度: ★★★☆☆
お調子者度: ★★☆☆☆
不思議度: ★★☆☆☆

◆性 格
現実的であり利己的であります。好き嫌いがはっきりとわかれるでしょう。他人を自分にとっての損得だけでしか考えていません。無駄使いをせずに必要な物だけを手に入れます。淡白ですね。自分のことは自分でやるという信念を持ちます。抜群の集中力をもち、積極的にチャンスに挑みます。悩み多き人であり、ちょっと遠回りに物事に向かう時があります。なかなか他人に理解され難い人で、あなたのことを好意的に理解してくれる相手は貴重な存在でしょう。他人に何か頼まれるとイヤとはいえない性分です。向上心をもって常に伸びようとします。また自分の考えや行動に自信を持っており、自己中心的なところがあります。

◆仕 事
時期によってやる気の上下があるでしょう。手抜きもします。とにかく利益や結果を優先していきます。相手の気持ちをまるで心を読むかのように察することができ、積極的にチャンスに挑みます。仕事をしていても頭の中は別の世界なので、やるべきことに集中できないときがあります。他者とは一線をおいて付き合い、プライベートを大事にします。尊敬できる上司や社長を求めます。プラスのあるほうに行動します。責任感が強く自分の信念があり、また論理的な結論を常に求めます。

◆恋 愛
たまーにテンションあがってイケイケになります。またしっかりとした経済力を重視します。また、温和で無難な付き合いを望んでいます。頭の回転が非常に早く、相手の女性はそこに惹かれるでしょう。寂しいときは相手のことが気になり、そればかり考えてしまうときがあります。毎日一緒にい過ぎるとマンネリ化します。相手の女性を尊重します。お互い成長し合える関係を望みます。相手の女性に誠意をもって接しますが、空気の読み合いのようになることがあります。


コレ、、、、

(・∀・)イイ

なんか、笑っちゃう!日本語としておかしな文章になっている所もあるんだけど(回答に対してユニークにリレーションされているセンテンスがあって、切り貼りしているだけだから、仕方ないんだろうけど)、、、、

多少の『?』はあるにせよ、自分の個性を人に伝えるには、もってこいだ。

『デブは脳の反応が鈍い』とかやっちゃうのも、これで説明が付きそうだしね。。。
 
 
 
さてさて、今現在、【マリンパの雑感】で閲覧される頻度の高いエントリーに『苦味感受性の進化』がある。ずいぶんと以前のエントリーなのに、突如として浮上してきた。

検索フレーズランキングに該当する単語すら入っていない、この『苦味感受性の進化』のどこに読まれる要因があるのだろう??

自分では気づかない『It's the Sequence, Stupid!』のような“小粋な”表現があるのだろうか???

まぁ、自分で“会心の出来だ!”なんて思ってるエントリーが、全く関心を呼ばないなんてのは日常茶飯事だから、私の個性では“解析不能”なのだろうが。

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