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2005年11月07日

親が子を思うほど、子は親を思っていない

昨日、妻の幼なじみの友人達が我が家に遊びに来た。
私が居たんじゃ出来ない話もあるだろうと気を使った訳でもないのだが、前夜、サーバのメンテで寝るのが遅くなったせいもあって、娘と昼寝してしまった。で、妻は友達と思いっきり話しが出来たみたいだ。


今朝、朝食を取りながら妻が薮からぼうに『後妻さんて大変だよね』っていうのだ。
なんでも、一人は後妻さんとして子供のある男性と結婚し、もう一人は自分の姉が同様だという。そして、二人とも、子供とのコミュニケーションで悩んでいるのだと。


私、『ふーーん、でも、親が子供を思うほど、子は親を思わないんだよね。だって、それが生物の本能だもん』と。
さらに、追い討ちを、、『実の親子なら、多少の気遣いもあって子供は親を顧みることもあるだろうけど、血の繋がりも無ければ露骨なんじゃないの』って。
 
 
 
我ながら、朝から、、、台無しの受け答えである。
 
 
 
でも、人間以外の生物で親の世話をする動物はいない。
自分の子孫に愛情を注ぐのは本能だけど、逆は無い。これが真実だ。たぶん、気づいていない人はいないだろう。親の心子知らずだ。

本能ならば、行動に理由は要らない。子育て、子供に注ぐ愛情に理由は要らない。
でも、本能じゃなければ、、、、


---どこまで、やればいいんだろう?---


高齢化社会で、何処まで老人の面倒をみたら良いのか誰にも解らない。本心(本能)でそう思わないことを“心の負担”に感じ、自己嫌悪してしまう為、子供の世代をないがしろにしても、老人に情熱を注いでしまう事を善しとしてしまう。そして『ここまでやるのは、こういう理由があるからだ』と行動に理由が必要とすることからも、本心じゃないことが伺われる。

だから、何処までやれば良いのか悩んでしまう。子供の場合なら、『こりゃ、過保護になっちゃう』って、愛情を注ぐのも自分でブレーキをかけるもんだが、親の世話なんて元々『なんじゃ、そりゃぁぁぁぁ??』って本能があるのを抑制して、その感情は人道的じゃないって自己否定から入るから、何処までやったら良いのかがわかんなくなっている。そして、それを押し付ける人が出現し、悲惨な家庭が後を断たない。善意の押し付けだから、押し付けてる本人に罪の意識はない。


そろそろ、そういう遺伝子に刷り込まれている“感情の隆起”にも向き合わなきゃいけないんじゃないかなぁ。


だって、母親にタリウムを盛って、実験したくなっちゃった子供の“精神状態”を『あーでもない、こーでもない』って考えてみたって、もともと、子供が親に抱く感情なんて薄っぺらなんだから、しょうがないよ。(注1)

自分の子供だけは、私がこんなに愛情を注いで育てたんだから、自分達(親)にも同等の愛情を持って接してくれる筈だ・・・・なんて幻想は持たない方が良い。
 
 
 
誰かが『それを言っちゃお終いよ』って事を言わないから、日本に山積している色々な問題もどんどん解決の方向性がずれていっちゃう。

その為に、私がこのブログで『それ言っちゃお終いよ』ってのを言い続けるとしよう。
 
 
 
 
さてさて

こんな事を書くのは、私の受け答えが元で朝から夫婦喧嘩・・・・って訳ではないので、ご安心を。私の妻は、私の“動物的な”考えに洗脳?されてるので、喧嘩になることはなく、『そーだよねぇ!わかるわかる』って人なのだ。


今、私は教養としての信仰、、、つまり、神話からはじまってユダヤ教、キリスト教、イスラム教やアジアの宗教をせっせと“お勉強”しているわけだが、神父さんやお坊さんが、私の言うことを聞いたら卒倒しちゃうだろう。

神話や宗教って生物学と対極に位置するものだから、私には心から理解することは絶対有り得ないし信じようとも思わないが、人の行動に多大な影響を与えているものだから、知識として知らずにはいられないのだ。

生物の本能に逆らって行動することが、すなわち人間としての存在意義だ。だから、その行動の為の“理由”がいっぱい詰め込まれているのが、神話や聖書、聖典だと思っている。

エクスキューズの宝庫なんだけど、散々、たっぷりと、神の気まぐれがあるから面白い。

そして、宗教や信仰とは無縁の人が多いと思っている日本人自身でさえ、どっぷりと神や宗教の考えに染まっていると見ることも出来るんじゃないかな。それを“道徳”という言い人もいるだろうけどね。
 
 
 
注1:環境が性格・人格形成に与える影響と遺伝子の相互作用を決定的に勘違いしている“テレビに出る精神科医(注2)”が多すぎるのも原因。って言うか精神分析と分子生物学が対極に位置している為、精神分析医は分子生物学を知らない事が原因だ。

環境因子は遺伝子発現のスイッチを押すが、押す場所は個人によって違う。また、押すか押さないかも個人差がある。また、発現した遺伝子が一つだけで性格・人格が形成される訳じゃなく、その発現したタンパク質が、別の遺伝子の発現を制御し、それがまた別の・・・とカスケード的に全体としてトータルの遺伝子発現プロフィールとなって性格・人格が形成される。

劣悪な環境から良い人悪い人の発生率と良好な環境からの良い人悪い人の発生率を比べてみれば、差が無いことは一目瞭然。じゃなければ、とんびは鷹を産まないし、総領の甚六が全てではない事は明らか。(“良い人悪い人”は犯罪の発生件数とは違う事を注意)

精神分析は、自分の心の有り様に“理由を与えてくれる”事だけに存在意義がある。子供の頃の生活環境が現在の・・・トラウマってやつだ。
本人の納得が出来れば、それでいいわけで、的は当たっていても外れていても結果が良ければ全てよしという状況だけで用いられるべきものだ。

それが、いつのまにか、そういう環境があると、こういう性格・人格が形成されるというように、予測する科学のような振る舞いをしちゃったことに“大きな間違い”があるのだ。

強いて言えば、宗教をサイエンスにしちゃうようなものだ。


注2:これは、視聴者のウケを狙って番組のシナリオ通りに喋らされているという一面もあるので、非難ばかりは出来ない。みんながウスウス感じていることに“お墨付きを与える権威”として機能しているのだ。
それに、ホンモノの精神科医は“精神分析”なんてしないので、精神科医として責めるのは酷だ。

2005年11月14日

簒奪ビーフ

キッス スゴイ肉、脱線してんの、さらに肉・・・
米さ、米酒か、のまのまィぇ~♪

この【恋はマイアヒ】のおかけで、簒奪が読めるようになった人も多いのではないだろうか?
実は私も、サンダツビーフ♪って、なぁ~るほどこう読むのかって知ったクチだ。

簒奪は殺すか、脅すかして奪う事で、これに対する言葉は、禅譲だ。って王朝が交代する時の話。


紀宮様が明日、結婚される。黒田さんのお父さんは親族を代表して挨拶するのか?
黒田さんのお友達も、間近で天皇陛下を見るのか??
黒田さんはいくらの指輪をプレゼントしたのだろう??招待客は審査されたのか??

う~む、興味は尽きない。野次馬根性が・・・。

そして、皇室典範を改正する、女性天皇を認めるとか女系天皇を認めないとか、はたまた、側室制度を復活せよ・・・なんてのも飛び出して、まぁ、皇室の周辺が賑やかだ。

でも、天皇家の存続自体が世界中から不思議がられている事を指摘する人は少ない。何故、武家社会が台頭した時に、権力を簒奪されなかったのか??


実は中国でも2回ほど、禅譲された王朝があったそうだ。聖人とされる“尭(ぎょう)”の時代だ。尭は自分の治世を血縁者ではなく、優れた他人に譲った。それが“舜”だ。舜もまた他人の“禹(う)”に譲った。しかし、禹からは、簒奪になってしまったというアレだ。ヨーロッパでは簒奪以外はない。っていうか、禅譲なんてのは例外中の例外だ。

禅譲されても簒奪されても、とっちにしても権力のトップは、一人なのに、日本では、天皇と将軍が一緒に存在する。。。。


私など、どんなに世界情勢を知ったところで、バリバリの日本人だから、天皇と将軍が同時に存在する事を“不思議だ”と思わない。
 
 
 
たぶん、それはこんな事にも通ずるのだろう。


日本人研究者がアメリカに留学した。
ある時、風邪を引いてしまった。その研究者は、チームの研究がストップしては困るだろうと、無理して出勤した。『よくきたね、助かるよ』と言われるのを期待して。

ところが、どうだ、みんなはカンカンに怒っている。
『一体、どういう事だ?何故出勤した。染ったらどうする?みんなの迷惑だ。研究が遅れる事を気にして、みんなに迷惑がかかるなんて思っているなら、それはエゴイストだ』と言われた。

日本人同士なら、分かり合える気持ちも、民族が違うと、全く理解してもらえない。

で、この話は、日本人研究者は、実験道具を抱えて自宅に帰り、実験を進めたという“落ち”まで付いている。


『郷に入らば郷に従え』は本当のようだ。

日本人同士なら、日本流の処世術で問題が生ずる事は無いが、日本人以外の人達とコミュニケーションを取る時は、グローバルな処世術が求められる。どちらが良い・悪いではなく、両方に対応できる事がベストだ。

『無知ほど恐ろしい事はない』のも本当のようだ。知識が無ければ、日本人以外とコミュニケートできない。

でも、骨の髄まで日本人の私には、知ってはいても“理解”出来ない。だから、風邪なんかで仕事は休めないし、周りにもそれを強要してしまっている。

---なんだかなぁ---

かといって、風邪ひいて、家で寝ていても、仕事が気になっちゃって、本気で休めない。
なんとなく自責の念が・・・・、とことん日本人なんだ、俺。

黒田さんは、火曜日に結婚式をする訳だが、同僚が全員仕事を休める筈も無いと思うのだが、どうなるんだろう??火曜日に結婚式を挙げる黒田さんは、平日に・・・申し訳ない・・・なんて考えてるのだろうか??


---興味津々---

2005年11月30日

the heads of the maids, or their maiden heads

『私は、お嬢様のお喜びの為に汗かき役、でも夜になれば汗をかくのはお嬢様の役』とキャピュレット家のジュリエットの乳母はとってもエッチな事をいう。

この時、とうのジュリエットは14歳の筈だ。夜這い来るロミオだって、同じようなもの。
この時代、生物学的な成熟速度は、どの程度だったのかはわからないけれど、精神的な成長は、いまの日本の若者とは比べ物にならないくらい、早熟だ。

っていうか、オトナでさえ、日本人は子供みたいなのが大勢いる。

別に、若い頃から SEX しろと言ってる訳じゃないけど、その知識だけは、当然、若い頃から身に付けなければならないと思っている。若ければ若いほどいい。子供のうちからがベストだ。


いつも、昼飯時に見ている【みのもんた】の番組。あれの、思いっきり生でんわコーナーに、いつだったか面白い相談が舞い込んだ。

相談主は17歳の娘を持つお母さん。この女の子が18歳男の子と同棲したい言ってるけど、止めさせる妙案は?ってなことだ。

相談を受ける面々は、あーでもないこーでもないって言ってるけど、『避妊だけは、確実にさせるように』という事をいう人は、一人もいなかった。


やっぱり、日本って、SEX の話はタブーなのか!!とつくづく感じる。世のおばさん達だって3人よれば男根の品定め。オッサン達は酒飲んでワイ談義。


これらと同一のレベルでしか見られないんだね。このゲスト相談員達は。みのもんたも同レベルだ。もっとも、歩く生殖器が生々しい言葉を発すると、お昼の番組にそぐわないって、抗議の電話が殺到するからかもしれないが・・・。
 
 
 
閑話休題

3歳になったばかりの娘が、私の生殖器に興味を持ち始めた。以前は、『おとうさんにはボールがある。マリには無い』なんて程度のものだったのが、この頃は何故、自分と違うのか?と聞いてくる。『とうさんは、なんで男なの?』とか。しかも、毎晩、お風呂に一緒に入っているので、最近は、触りたがってしょうがない。ボールに何が入ってるの?って聞かれたら、『赤ちゃんのもとが入ってるんだよ』と言うつもりでいる。

また、妻の生理にも興味津々で、『ちぃ、出た?』なんて聞いている。
私は、すかさず『マリも大人になったら、ちがでるんだよ。赤ちゃんを産めるようになる印なんだよ』と答えた。

3歳からの性教育は、言うだけで無く、実践している。子供の方も、ちょうどこのくらいから興味を持ち始めるんだよね。


早い時期の SEX 体験は、HPV 感染~子宮頚癌のリスクが高まるってデータもあるので、時期が来たら、早すぎる SEX はリスクがあると言おうと思っているのだが、HPV ワクチン Gardasil が販売されそうで、違った意味で困った事になりそうだ。


しかし、性の知識は冷静に教えられそうだけど、実際に、ある日突然『彼なの!』って紹介されたら、どうやって狼狽ぶりを隠そうかと、こちらは、冷静ではいられないだろうなぁ。

2005年12月03日

女の気持ち

20051203_marriage.jpg先日の新聞の3面に、気になる記事があった。

それは、【国際結婚が増えている】というもの。で、読んでみると、どうも、日本人の男性に魅力が感じられず・・・・・、ぶっちゃけた話、日本の女がガイジンに寝取られているって話だ。


---でも、しょうがないよなぁ---


本日の朝刊の人生相談コーナーでも、20代後半の男性から『いままで、一回も女性と付きあったことも無い。しかもフリーター・・・』なんて相談が舞い込んでいる。

日本男児、しっかりしてくれぇ~~~~~~~。


ところで、こんな事を言っている動物行動学者がいる。

「賢明で将来のことを考えている女性なら、元気な若者よりも、ぜひ、年を取ったオジサマを選んで結婚しましょう。なぜなら、あの【進化論】が、このように勧めているからです。成熟した男性は人生のベテランであり、若いときの病気や、さまざまな試練を生き延びています。つまり、年取った男性は、質の高い遺伝子の持ち主であるか、あるいは、彼の年齢相応の円熟した人生哲学を持っている可能性が高いのです……」
こんなことが言えるくらい、動物行動学では《女にとって最良の相手は、お金持ちのオッサン》との研究結果がたくさんあるそうだ。これは、SEX してメスが妊娠しちゃうと、オスがメスを捨てて逃げちゃうような場合でも、そうらしい。

メスは、オスがヤリ逃げしても、遺伝子がすぐれているってことで、こんなとんもないオスでも辛抱するんだそうだ。そうすれば、すぐれた遺伝子を受け継いで優れた子孫を残せることで報われると。


でも、そんな“説”に『待った!!』をかける人もいる。ジョージア大学のChristopher W. BeckとLarkin A.Powell だ。彼らはメスがオスを選ぶ時、「すぐれた遺伝子」説では説明できないパターンがあると考え、彼らの説明を「進化生態学研究」(Evolutionary Ecology Research、vol.2, 107-118, 2000)に発表している。

彼らによると・・・・

女性の選択の進化は、全体として、その種の生活史の特徴に強く影響されることが分かった。子供のときに死ぬ可能性が高く、成人では死ぬ可能性が低い種では、メスは、より年を取ったオスを好む傾向が強い。このような種では、年取ったオスは、彼らの生存価のため、魅力がある。逆に、子供のときには死ぬ可能性が低く、成人では高い種では、メスは、より若い相手を選ぶ方が有利だ。一般的には、年取ったオスとつがうことに何か少しメリットがあるなら、たとえオジサン連中を選ぶことに伴うデメリットがあったとしても、メスは、より年取ったオスを好む傾向がある。
と。


人間の場合はどうなんだろう??

スゲーいい女が、いい年こいたオッサンにさらわれるのは、昔からあった事だ。
私は、リアルタイムではないが“吉永小百合”のサユリスト達は、当時、えらく悔しい思いをしたと、何かで見聞きした事がある。

今は、それが、いい年こいたオッサンだけじゃなく、ガイジンにまで持っていかれるようになったワケだ。

でも、動物でも人間でも、メスは生存能力(生活能力)の高いオスを選ぶ事だけは、間違い無さそうだ。


日本男児諸君!!ノホホンとしている場合じゃないんじゃないか?“優しくって良い人”だけのキャラクターじゃ、女は結婚してくれないぞ!!っと。20代前半からファミリーカーを乗り回し“みんなとワイワイ”に生きがいを感じている様じゃ、(メスの本能が選ばないんだから)女から、オンリー・ワンとして選択されないぞっと。(“みんなとワイワイ”が人生の目標みたいな若者が多いような気がするので、老婆心ながら・・・)

2005年12月12日

懺悔

すっかり忘れていたとは言え、25年も前の出来事だから、赦されるかな??
昨日、本棚の古い本を整理していたところ、『ハムレット』福田恆存訳が・・・。
 
 
 
---こんなの読んだんだっけ?---


ペラペラと捲って、最後のあたりに手応えが・・・。

---貸し出しカード??---

県立○○高校って書いてある。
かぁ~っと、顔が熱くなる。ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!!!!


どうやら、カッコつけて借りたはいいが、借りただけで、ほったらかし・・・・、そのうち、大学は下宿で、本はダンボール箱へ、、、、社会人になってからマンション購入で引っ越し、結婚して親と同居の為、家を新築、また、引越し・・・・。

ダンボールに入ったままの20年の時を経て、カビの匂いと、それによる気管支収縮で喘鳴、鼻汁を引き起こすだけのモノに成り下がった『ハムレット』が再び日の目をみることに・・・。


というわけで、本の底(って言うのかな?)には、高校の印鑑、腹(っていうのかな?)には『読ク』の文字が書いてあるにも関わらず、今朝から、人目も憚らず、電車の中で読み出したのだ。

内容は、大体知っているのだが、細かいところは知るよしもない。今朝の通勤読書で気になったのは、当然、先王の毒殺に使われた【ヘボナの毒汁】。


---なんだ、コレ?---


悲しいかな、商売柄、毒の成分が気になる。
なんたって、、、、

癩のように肉をただらす恐ろしいヘボナの毒汁を。人間の血潮を乱す劇薬、たちまち五体を水銀のように駆け巡り、乳の中に落しし酸のごとく、澄める血潮を見る見るうちに固まらせてしまうのだ。おお、その醜さ、滑らかなりし我が肌は癩病やみさながら、全身たちまち見るも厭わしい瘡蓋に覆われてしまった・・・・
なのだ。一体、どんな“薬物”なのか気にならない方がおかしい。       調べてみたら、イチイ(アララギ)だった。(なんか、拍子抜け・・・)

そう、学名:Taxus baccata。英名:Yew。和名:一位、櫟、水松。イチイの学名であるタクスス(Taxus)は、ギリシャ語の弓を意味するタキソン(taxon)に由来し、英語の毒(toxin)の語源であるといわれる。赤く熟した生の実の部分(果肉)は毒を持っていない。
(そう言えば、抗がん剤、タキソールもセイヨウイチイの葉から抽出した成分だったなぁ)

ということは、シェイクスピアは抗がん剤の副作用を、あの戯曲の中で表現していたのか???もっとも、アガサ・クリスティの【ポケットにライ麦を】にも『子供達がままごとをやっていて、水松(イチイ)の木の実を採ってお茶の代用にしたのだ。それが恐ろしい中毒作用を起こしおってね』と、“タキシン”という名前の毒として登場するから、昔から“毒”として有名だったのかも。


さらに、シェイスクピアは、イチイが好きだったらしく、「マクベス」にも登場させている。

妖婆 三 「竜のうろこと狼のきば、魔女のミイラと大海原の人食いフカののどと胃袋、闇夜にあつめた毒ニンジン神をののしるジューの肝臓、山羊の胆のう、月食の夜に木からおとしたイチイの小枝、トルコ、タタールの鼻と唇娼婦に溝に生みおとされて首しめられた赤子の指もみんな濃くしろ、この雑炊を。も一つおまけに、虎のはらわた、釜の中身に味をきかせろ。」

三人
「ふえろ、ふくれろ、苦労苦しみ、燃えろ穴の火、煮えろ大釜」(釜の中をかきまわす)

妖婆 二
「冷やせ大釜、ヒヒの血そそげ、これでききめはもう大丈夫。」

と。
 
 
 
最近じゃ、ヒ素だとか、タリウムだとか、つまんない“毒”が大流行だけど、こんな文学作品に登場する“毒”を使うような“シャレたセンス”はないもんかねぇ!などと、不謹慎な事を思い浮かべてしまった。
 
 
 
閑話休題

先日は、クチナシを“オカズ”にエントリーを書いた。おせち料理の「きんとん」になくてはならないものだということは、知ってる人も多いと思うが、漢方薬の構成生薬『山梔子(サンシシ)』だと知る人は少ない。その、発芽抑制物質が geniposide であり、薬効の本態だ。

先ほど、御近所の方と世間話をしていた時(仕事中なので、御近所の方ってのは患者さんなのだが)で、どうして高校生の時“薬学部”を選んだの?って聞かれて、ふと思い出したことがある。

高校の図書館から本を借りっぱなし(くすねた)の負い目と繋がって、英語の文法の先生から奨められた本を読んだことを思い出したのだ。それは、レイチェル・カーソン著『沈黙の春』だ。

文中には、環境毒物の構造式がかなり出てくる。これを見ながら、『こんなのがわかるのなんて、なんか、カッコイイなぁ』と感じたことを思い出したのだ。

これだけで進路を決定した訳じゃないと思うが(昔のことなので忘れた)、薀蓄を傾けることが好きな“性格”の為か?こんな事も影響しているなぁと感じる次第だ。そして、私は、薀蓄の宝庫である“本”に影響されやすい“性格”なのかもしれない。

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