高脂血症治療ストラテジーに意識改革が迫られる?
Nature japan の Web site Drug Discovery にこんな Reviews が掲載されている。New England Journal of Medicine に掲載された論文を取り上げて、高脂血症治療に使用する薬剤に関する最近の知見を織り交ぜ、治療戦略の意識改革と治療薬開発のターゲットが換わる可能性を示唆している。
大雑把にまとめると、、、、
高脂血症を治療するのは続発する心血管イベント発生を抑制することに他ならないわけだが、この目的なら、コレステロールを下げなくても炎症をコントロールすれば目的は達成出来るよ!(そもそも CRP が下がるのは LDL が下がったからじゃなくて独立している機序だと。でも、LDL を下げることは、これはこれで意味がないわけじゃないと。)
と言っているのである。
スタチン系薬物が抗炎症作用を有したり、Ras , Rho 系に影響を与えるという趣旨の論文は5~6年前(もっと前かも?)からあった。自主的に回収したあのセリバスタチンは、武田薬品が特に“抗炎症作用”に力を入れて宣伝していたと記憶している。
コンセンサスが得られるキッカケって、こんなケースなのかもしれない。
セリバスタチンは“抗炎症効果”が強いんだから、目先のコレステロール低下作用だけで用量設定せずに、抗炎症作用(CRP濃度で判定)で目標値をクリア出来る服用量で販売していたら、もっともっと、息の長い薬として臨床の現場で活躍してたかも知れない・・・なんて思ってしまった。(でも当時は、こんなエビデンスも無いんだから無理だよね)
大袈裟かもしれないけど、今回の論文と論説によって治療法と治療薬の方向が変わるとしたら、歴史的瞬間に立ち会ったことになるのかも・・・・。だとしたら、訳も無くちょっと嬉しい。