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大衆迎合とスタチン

毎朝、ズームインスーパーを見るにつけ、思うことがある。

---月曜日のコメンテーターは駄目だな---

一言で言うと、大衆迎合主義で、判官びいき。受け狙いのコメントしかしない。今朝だって、ニート(働かないばか者)の原因を一部上場企業や大学に求め、産・官・学が協力して問題解決にあたらなければならないなんて、頓珍漢なコメントをしている。

本気で思っているのなら、救いようの無い馬鹿だ。

どんな時でも『強きをくじき弱気を助ける』姿勢を見せていれば“受けが良い”なんて考えているのだろう。“大衆”も舐められたもんである。薄っぺらな善意を振りかざしても、本気で問題を解決しようと考えている人達の神経を逆なでするだけだ。

この人なら、うつ病の患者に同情して頑張れ!と励ますであろう。その程度にしか物事を考えない、思慮の欠けたコメントである。
 
 
 
 
閑話休題

相変わらず、スタチンで“ガンが予防出来た!”って報告が続いている。(トピックス参照)
相変わらずなんて表現してしまったのは、作用機序から考えれば当たり前のことだからだ。効果が100%じゃないのは、その癌細胞の増殖が、ras 系にどれだけ依存しているのかって事だろう。

スタチンで抑制されるコレステロール生成は最大で30~40%位だろう。供給される中間産物ファルネシル酸が減少するのも同じ事だ。これが Ras への転移酵素の効率が100%じゃないとして(これら酵素にしたって効率の個人差がある)、このような微妙な?ファルネシル化 Ras の減少が、細胞の増殖に影響を与えていることになる。

微妙な差だからこそ、100%の予防にならない訳だ。ある人にとっては、その程度のファルネシル化 Ras の減少では、細胞増殖の抑制にまで至らないと言うことだ。

生体内で細胞増殖を100%抑制しちゃう薬を使ったら、人は死ぬ!当たり前のことだ。中学生でもわかる。個人(ガン細胞)を殺して国(生体)を生かにゃならん訳だから、最初から難しいのはわかっている。

ならば、この微妙な“ファルネシル化 Ras の減少”のどこに、ガンの予防に役立つ人と役に立たない人の差を見出せば良いのか?

今のままでは、平均値としては予防効果があるのはわかるけど、個人にとっては何のエビテンスにもならない。わかるのはこの薬に予防効果があるらしいということだけだ。頭痛の時に服用するバファリンなら、程度の差こそあれ、万人が鎮痛する。このような薬なら、大規模臨床試験によって求められる個人差を無視した古典的な平均値でも“エビデンス(証拠)”として通用するが、半分の人には全く無意味な薬の服用が、このような大規模試験で“エビデンス”になるわきゃないのは明白だ。


同じ臓器から発生するガンだって、その遺伝子プロフィールに個人差があることがわかってきたことだし、もうそろそろ、臓器別に知見を貯えるような意味の無い報告は止めにして、遺伝子プロフィール別に知見を貯えるべきだ。試験のプロトコールそのものを見直おさなきゃならない。


それでこそ、予防薬としてのエビデンスになる。これ以外には無い。


もしかしたら、こんな分野(医学・医療)にも、臨床試験の意義・意味のわからない低レベルの医療従事者や素人相手にペーパーを乱発するレベルの低い研究者がいるのかもしれない。

大衆迎合主義なのか、はたまた、本当に馬鹿なのか?判断は難しい・・・・。
┐(´∀`)┌ヤレヤレ

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2005年06月13日 20:43に投稿されたエントリーのページです。

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