PROactive試験 2006年世界循環器学会議(スペイン、バルセロナ)でノッティンガム大学内科・外科学部(英国)のRobert G. Wilcox, MDは、絶妙な解析をしている。
いや、一線を超えての“推定”の領域まで“表現”しているわけじゃなく、ありのままを伝えているのだが、そのありのままが、『結局、そういうことジャン!』って、ちょっと解っているひとにはあからさまな発言に感じられるのが面白い。(いや、私の考えすぎかもしれないけど・・・)
結局、脳卒中の発症には『HbA1c、収縮期血圧および拡張期血圧、およびトリグリセリド、HDLコレステロールの増加、LDL/HDL比の低下』なんてものは、関係なく、人類がまだ知ることの出来ていない“体質”によって決まっちゃうんだよ・・・・って言っているように思えてならないのだ。
なんと、身も蓋もない事を言う人なんだろう!(・・・て言ってないってバ。でも、私、こういうその気にさせる人、大好き)
それに引きかえ、Ryden博士は、未だに生物の多様性を無視した古典的な統計学に根ざしたコメントをしている。
脳卒中既往の有無にかかわらず、『HbA1c、収縮期血圧および拡張期血圧、およびトリグリセリド、HDLコレステロールの増加、LDL/HDL比の低下』に差があるんだから、『結果が異なるというこの知見は「理解しがたく」、明らかな生物学的説明は得られない』だってさ!!
ちょっと、おじいさん(高齢)なのかな?この博士は??
というわけで、気になるその【PROactive試験】とは、、、
PROactive試験 : ピオグリタゾンは糖尿病患者における再発性脳卒中を抑制提供:Medscape
以前に発表されたPROactive試験のサブグループ解析では、ピオグリタゾン投与により糖尿病患者の脳卒中リスクは減少したが、それは脳卒中の既往歴のある患者に限られることが報告されている
Susan Jeffrey
Medscape Medical NewsReviewed by Gary D. Vogin, MD
【9月4日】以前に発表された試験であるProspective Pioglitazone Clinical Trial in Macrovascular Events(PROactive)の事前に指定したサブグループ解析では、ピオグリタゾン (商品名アクトス、武田/Eli Lilly社)投与により、2型糖尿病患者における脳卒中のリスクは低下したものの、それは脳卒中の既往歴のある患者に限られ、脳卒中既往歴のない患者には治療による有意差は見られなかったことが報告されている。この試験において、ピオグリタゾン投与を受けた脳卒中既往歴のある患者は、再発性脳卒中がプラセボ投与患者より47%減少した、とノッティンガム大学内科・外科学部(英国)のRobert G. Wilcox, MDは、2006年世界循環器学会議(スペイン、バルセロナ)で話している。
しかし、ピオグリタゾンは、HbA1c、血圧、およびトリグリセリドの低下、ならびにHDLコレステロールの増大など、生化学的パラメータを改善したものの、この調査期間中に初発脳卒中のリスク低下における有効性がプラセボを上回ることはなかった。
「ピオグリタゾンによる長期治療が脳卒中既往歴のない糖尿病患者にも同様に有効であるか、また脳卒中既往歴のある非糖尿病患者にも有効かどうかについては、今後の研究が待たれる」とWilcox博士は述べている。
PROactive試験は、武田薬品工業株式会社およびEli Lilly社の資金援助を受けている。
エンドポイント
脳卒中における有効な二次的予防治療は、抗高血圧治療、抗血小板薬治療、脂質低下治療である、とWilcox博士は同会議で参加者に話している。「しかし今のところ、糖尿病患者において、血糖降下療法が脳卒中の発生率に及ぼす効果について決定的なエビデンスは得られていない」とWilcox博士は述べている。
ピオグリタゾンはペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体γ(PPAR-γ)アゴニストであり、2型糖尿病治療用の血糖降下薬(antiglycemic agent)として承認されている。同剤は血糖降下のほかにも、トリグリセリドおよびC反応性タンパク質の減少、HDLコレステロールの増加などの作用があり、その全てが心血管リスクに好ましい作用をすると思われる。
主なPROactive試験は、脳卒中の既往歴、心筋梗塞(MI)、血行再建、末梢動脈性疾患などの大血管疾患の存在、ならびに冠動脈疾患の客観的所見により心血管イベントのリスクが高いと考えられる2型糖尿病患者5238例を対象としたランダム化、二重盲検、プラセボ比較対照試験であった。
患者はピオグリタゾン 45mg/日またはプラセボの投与にランダムに割り付けられ、さらに本患者集団に推奨されている標準的薬剤、すなわち抗高血圧薬;メトホルミン、スルホニル尿素剤、インスリンなどの血糖降下薬;アスピリンなどの抗血小板薬、スタチン系およびフィブラート系などの脂質低下薬の投与を受けた。
2005年10月に発表された(Lancet. 2005; 366:1279-1289)主な試験結果では、同試験の一次エンドポイント、すなわち全ての原因による死亡、非致死的MI(無症候性MIを含む)、脳卒中、大きな下肢切断術(足首より上)、急性冠動脈症候群、冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮的冠動脈形成術(PCI)といった心臓の処置、下肢の血行再建が非有意に10%低下した。しかし、死亡、MI(無症候性MIを除く)、および脳卒中からなる二次複合エンドポイントについては、ピオグリタゾン投与により16%という有意の減少が認められた。
脳卒中のエンドポイント
試験全体において、ピオグリタゾン投与群では脳卒中86件、プラセボ群では107件と、同剤により脳卒中は19%減少し(HR, 0.81; 95% CI, 0.67-1.07)、統計的に有意ではないものの、同投与は有意である傾向が認められた。
同会議で発表された事前に指定されたサブグループ解析では、PROactive試験の研究者らは脳卒中の既往歴のある患者(n=984)および同既往歴のない患者(n=4,254)において脳卒中のエンドポイントを検討した。
Wilcox博士は、脳卒中既往歴のある患者では、ピオグリタゾン投与を受けなかった患者より同投与を受けた患者の方が再発性脳卒中のリスクが低下し、そのリスクは投与群では10%から約5%へ有意に低下した、と報告している。
しかし、脳卒中の総リスクがはるかに低い脳卒中の既往歴のない患者では、新たな脳卒中は有意に減少しなかった。ピオグリタゾン投与による試験開始時からの生化学的変化および糖尿病に関する変化では(プラセボ群に比べて)、HbA1c、収縮期血圧および拡張期血圧、およびトリグリセリドが大幅に減少し、HDLコレステロールの増加はさらに大きく、LDL/HDL比の低下は大きかった、とWilcox博士は話している。脳卒中の既往歴のない患者でも、同パラメータに非常によく似た変化が認められた。
多変量解析からは、脳卒中の既往歴それ自体が患者の全コホートにおける再発性脳卒中の最強の予測因子であることが示された(HR, 2.88; P<0.0001)、とWilcox博士は話している。ピオグリタゾンおよびスタチン系薬剤の使用は、脳卒中の既往歴のある患者において、脳卒中または再発性脳卒中のリスクに有意な作用のある唯一の因子であった。
脳卒中の既往のない患者では、主なリスク因子は、HbA1c、クレアチニン・クリアランス、末梢血管疾患の存在であった。
脳卒中の既往歴のある患者と同既往歴のない患者では、有害事象の報告に差がなかった、とWilcox博士は述べている。この集団に対するピオグリタゾン投与に多少の懸念が持ち上がった全試験の知見と同様に、ピオグリタゾン投与でより多くの患者が心不全と一致する臨床的特徴により病院に入院した、いずれの集団でも死亡率は変わらなかった、とWilcox博士は付け加えている。
占星術と臨床試験
この会議で発表された最新の試験結果のために、カロリンスカ研究所(スウェーデン、ストックホルム)のLars Ryden, MDが討議者として招待されていた。Ryden博士は、オックスフォード大学(英国)のPeter Sleight, MDらによるISIS IIのデータの現在有名なサブグループ解析を話題にした。同解析がてんびん座とふたご座の星座の下で生まれたMI患者ではアスピリン治療が有害になることを示していることに言及し、サブグループ解析の危険性について研究者らに警告して「これを実際に信じる人はいないだろう」と語った。「結局このような結末に至ったサブグループ解析の似たような例がある」。
Ryden博士は、このPROactive試験のサブ解析に対して、ピオグリタゾン投与による血圧およびコレステロール分画などの生化学的マーカーに同様の変化が認められることから、脳卒中の既往歴のある患者と同既往歴のない患者では結果が異なるというこの知見は「理解しがたく」、明らかな生物学的説明は得られない、との懸念を表している。
全試験の主な結果は優れている、とRyden博士は結論し、これらの知見についてPROactive試験の研究者らを賞賛している。「この知見は満足していてよい。十分に有望な知見である」。
World Congress of Cardiology 2006. Presented September 3, 2006.
Medscape Medical News 2006. (C) 2006 Medscape
閑話休題
ちょっと前に読み終えた【脳の中の幽霊 ふたたび】によると、どうして男は“チラリズム”に弱いのかを“脳の進化”から説明している。
このエントリーに“そそる”写真を添付したのはその為だ。ラマチャンドラン博士は、木の上で生活をするようになった人類の祖先が、どのように視覚情報を脳で処理するかという考察から“チラリズム”、すなわち、モロに見えちゃっているより、見えそうで見えないものの方が、より、脳が活発に活動すると言うことを説明しているのだ。
具体的には【脳の中の幽霊 ふたたび】を読んでもらうことにして、私が PROactive試験 において Wilcox 博士 の解析に興味を覚え、より興奮するのは“チラリズム”に興奮する脳のせいなんじゃないかな?って、ふと感じたのだ。
でも、ここで、このような医学的な臨床試験において、“チラリズム”で興奮するか、なにも感じないかの個人差は、存在するらしい。私は、このようなシチュエーションでも“チラリズム”で興奮するタイプみたいだ。
さらに、Nature 507-508 (2006) によれば、『ザトウクジラの年齢は、耳垢に生じる層状の輪の数を数えることにより精度よく知ることができるが、そのためにはクジラを殺して解剖しなければならない。クジラを生かしたまま、年齢を知ることはできないのか?』という論文が掲載されている。
この件も、これだけしか書かないで『後は自分で読んでね』ってされると、無性に読みたくなったり自分で考えちゃう人(脳が活発に活動する)とそうでない人に別れるだろうから、ここでも、私は『知りたいよぉ~』の“脳”を持っていることになる。
昨晩、TBS で 9.11 を振り返る番組が放送されてた。TBS = インチキ = 筑紫哲也 って認識が形成されている私にとって、少なくとも インチキ = 筑紫哲也 だけでも払拭してくれる内容であることを期待して観たのだが、英国 BBS の作った部分以外は、まったく、ガッカリさせられる内容だった。
筑紫哲也の“意味不明なのに偉そうなコメント(みんな知ってるし、感じているのに、俺だけが・・・みたいな)”と、名前は忘れたけど若いアナウンサーの日本人犠牲者の父親への“意味不明なインタヴュー”には、さすが TBS だと、妙に感心してしまった。
私が、この番組を見たかったのは、『何故ふたつのビルが崩落したのか?』だったからだ。私は、飛行機が激突した部分より上の階が潰れるのは理解出来るとしても、ビル丸ごとが一気に崩落したことが、いまだに“呑み込めない”でいる。
昨晩の番組は、まったく、私を納得させてくれる内容ではなかった。でも、この番組に関しては、『まぁ、当たり障りの無い事が好きな日本人的な気質を如実に表しているなぁ』って感じで、眺めることも出来なくはないが。。。
意味の無い事をさも意味があるかのようにでっち上げ、ことさら重要な問題であるかのように口角泡飛ばして議論する事が、どうして日本人気質なのかと問われれば、、、
女性・女系天皇を認める・認めないで世論調査やったり、閣議で決めようとしたり、侃侃諤諤やってるんだけど、次世代では、生殖医療の進歩により、必ず男子が生まれることになり、女性・女系天皇を認める法律を作っても形骸化するだけで、意味無い事をさも重要な問題ぶってやっているから、って答えておこう。
これ一つとっても良くわかる上に、今朝のニュースでは、何処かの図書館が例の高専女学生を殺した19歳の少年の実名報道した読売新聞を閲覧禁止にしたことでも納得されられるだろう。議論の俎上に挙げらることすら、控えよう・・・事勿れ主義・・・の図書館職員。
本当に大事な事は、誰かが傷ついたり不利益を被るから先送り・・・。
『知りたいよぉ~』って、ツインタワーが、何故、崩落したのか知りたい人は私だけではないだろう。どうして知りたいことがイケナイ=不道徳なんだろう(不道徳とは言われてないけど、そんな雰囲気だよな)?建築学を志している若い人達にとってみれば、これを知る事は有意義な筈だ。崩落を詳しく研究している人もいるのにも関わらず、どうして、詳しく放映しないのだろう?
『感情を逆なでする』みたいな苦情を恐れて、どうでもいい意味不明なコメントにならざるを得ない・・・、TBS だけじゃなくマスコミ全てにおいて、こういう姿勢なんだよなぁ・・・。何故か、日本では軽薄なコメトンしか出来ない久米宏や筑紫哲也、古館伊知郎なんかがもてはやされる・・・。(この連中の筆法は似ていて、例えば、中国・韓国は、国益に反するんだから、最終的には靖国参拝問題なんてちっぽけな問題で日本との関係を悪化させようなんて思う訳が無いのに、そういう非常に軽い問題を重く見せて、それを批判することで『どうだ、俺の人道的で勇気ある発言は』みたいな事に終始している。反体制のポリシーに中国・韓国を出汁に使っているともいえる。でも、反体制が“カッコイイ”なんて、いまの若者は思わない・・・。)
アッ!結局、国民のレベル以上のマスコミは形成されないのか・・・・。納得。