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PD様の脳障害にニコチンが保護効果

20061020_tabacoimage.jpgまずは、これを読んでみて下され。

PD様の脳障害にニコチンが保護効果

動物実験でリスクが25%低下

〔ニューヨーク〕 独立非営利研究組織であるパーキンソン病研究所(カリフォルニア州サニーベール)のMaryka Quik氏らが行った5年に及ぶ新研究によると、ニコチンはパーキンソン病(PD)で生じるのと同じタイプの脳障害に対して保護効果があるという。この研究はPDに特徴的な脳機能の漸進的な低下を引き起こすMPTP(1-methyl-4-phenyl-1、2、3、6-tetrahydropyridine)で処理された実験動物で施行され、Journal of Neurochemistry(2006: オンライン版)に発表された。6か月にわたりニコチンを投与された動物は、ニコチンを投与されなかった動物に比べMPTPによる傷害が25%少なかった。


細胞の生存を促進

 ニコチンの脳保護効果は、PDの発病率が喫煙者で低いことを説明するとともに、早期PD患者の治療にニコチンが有効かもしれないことを示唆している。

 PDは進行性の神経変性疾患で、中脳の小さな細胞群の死により引き起こされる。これらの細胞の漸進的減少により、正常な身体活動に必要な化学的メッセンジャーであるドパミンが減少する。

 この研究を助成した米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のDavid A. Schwartz所長は「人々に喫煙を勧めようとは思わないが、この結果は明らかなPD症状のない動物におけるドパミン産生細胞の生存をニコチンが促進することを示唆している。また、PDの進行を減速させるためのニコチン使用も考えられる」と述べている。

 研究者らは、これらの知見に基づいてたばこの煙のどのような成分がこの効果を引き起こすのか考察した。筆頭研究者のQuik氏は「われわれはニコチンに注意を集中している。なぜなら、研究の結果ではPDにかかわる脳領域のドパミン放出をニコチンが刺激するからである」としている。

 この理論を試験するため、同氏らはドパミン産生脳細胞を選択的に破壊するMPTPを用いて実験動物を処置した。半数の動物には低用量のニコチンを 6 か月間併用投与した。この間、ニコチン用量は、たばこの煙に含まれるレベルにまで徐々に引き上げた。


成長因子の放出を刺激か

 試験の結果、MPTPのみを投与された動物はドパミン含有脳細胞機能の75%を喪失したのに対して、MPTPとニコチンを併用投与された動物では50%にとどまった。Quik氏は「この結果が示すように、ニコチン治療は細胞損傷を25%軽減した」と述べている。

 この効果に関する直接の説明はできないが、研究者らは神経細胞の成長と修復に決定的役割を果たす内因性蛋白質である成長因子の放出をニコチンが刺激するためと考えている。さらに、同氏は「ニコチンはMPTPで誘発される損傷から細胞を保護する免疫系を活性化させることも考えられる。PDの症状は線条体終末におけるドパミンが80~90%欠落したときにようやく発症する。つまり神経終末の損傷が80%か60%かの違いは、発症するかしないかの違いになるかもしれない」としている。

 現在可能なPD治療は、日々の症状の軽減に限られているが、疾患の進行を遅らせ、さらには予防するためにニコチンが用いられる日が来るかもしれない。同氏は「現在の対症療法では疾患の進行を止められない。症状は悪化し、管理がいっそう困難となる。神経保護により疾患の進行を止め、症状の悪化を防ぐ治療を受けられるようになるであろう」と付け加えている。


これを読んで『ふむふむ、タバコも“害”ばっかりじゃないんだぁ』って思った方、貴方が、もしアメリカ市民だったら、今度のアメリカ議会の中間選挙で、間違った選択(というより、情報操作の被害にあう)をさせられてしまうかも知れない。

20061020_Pierrot_LE_FOU.jpgこの研究では、喫煙者の特徴、喫煙者の性癖は疾患の発病率と関係が無いかのような前提で考察を進めているが、IQや職業別の喫煙率を見る研究から、IQの低い層ほど、また、知的レベルの低い職業ほど喫煙率が高いという調査結果と、『瘋癲の寅さん』でも触れたけど、高学歴=勉強好き=「例えば、ドパミンが長期に不足していると、パーティーに参加するよりも、机に向かって勉強する事を好むようになるかもしれない」のように、知的レベルの高い職業に就く人が、もともとドパミンが少ないって言う遺伝学的な個性があった為の結果だとすると、『喫煙者にパーキンソン病が少ない』理由が『煙草中のニコチンのおかげ』といっていいのかどうか、わからない訳だ。

快楽に溺れない人=喫煙癖があっても禁煙が簡単にできる人は、もともと脳内ドパミンレベルが低いだけなのかもしれない。ドパミンが不足する事がパーキンソン病の原因なんだから、それだけ発症するリスクが高いわけだ。

IQ が低い原因は脳内ドパミンレベルの影響だけじゃないのは明らかだが、パーキンソン病の生涯発症リスクは2%、医師を含む高等な教育を受けたグループは4%で、教育レベルが低い労働者では1%というデータは、これを裏付けている。

喫煙のご利益を云々するためには、“ドパミンが少ないって言う遺伝学的な個性”というバイアスを取り除いた臨床試験をしなくっちゃならない。

また、禁煙が何度も挫折する人は、『自分の意志が弱い』などと、自己嫌悪に陥る事は無い。何故なら、そういう“脳”を持っているからだ。この喫煙を止められない“脳”はパーキンソン病に対しては“強い”んだから、禁煙できない事を自慢して良い。(本当か??)
 
 
 
科学という分野は、仮説を裏付けるデータと共に提供されると、科学とは縁遠い人にとっては、あっけなく信用させる事が出来る分野だと言える。

そして、科学とは縁遠い人の方が数の上では“マジョリティ”なので、この人達の間に形成される“コンセンサス”が“世論”となり、すなわち、万人に『わかった気分』にさせる事になるのである。なんの理由もなく『わかった気分』にひたっているだけなら“実害”はないが、データの提供の方法一つで、色々な印象を植え付ける事が出来る“ネタ”にもなり得るわけだ。上の『喫煙がパーキンソン病に良い』というようにね。

そういう意味で、米議会中間選挙を見てみると、違った面が見えてくると思う。

米議会中間選挙での科学という切り札

Nature October 19, 2006

11月の米議会中間選挙は大きな山場である。民主党が過半数を占めるためには、上院で6議席、下院で15議席を勝ち取る必要があり、ジョージ・W・ブッシュ大統領にとっては、残る任期の間に勢いを盛り返すか、死に体となって何もできずに交代を待つだけかという大きな違いになる。

激しい選挙戦では、民主党も共和党も取って付けたように科学の問題を取り上げて、有権者を動かそうとすることがある。胚性幹細胞研究に対する大統領の最近の拒否権発動は、共和党、民主党のどちらにとっても、自党と他党の候補者の違いを際立たせるよい材料となった。3つの州では、候補者が気候変動、幹細胞、それに(カリフォルニア州ではお決まりといえる)クリーンエネルギーなどの「科学的問題」を主な争点として現職に挑んでいる。

今週のNews Feature特集では、選挙戦で科学がどのような役割を演じているかに注目する。


このように、アメリカ議会の選挙において、アメリカ市民は“科学”という“解ったような解んないような”問題で振り回されている訳だが、実は、日本の我々には、そんな事はどうでも良くって(ホントは良くないけど、当面はどうでも良い)、この選挙において“北朝鮮の核開発”が全く取り上げられていない事に、注意を向けなきゃならないのでは?と思うわけだ。アメリカ市民にとっては、単に極東の問題で『そんな事、私達の生活と何か関係があるのか?』という感覚なのだろう。

当然の事である。

米国大統領は“世界の警察”を自負するアメリカの面目を保つ為にも、極東には介入したい所だろうが、“現場にソッポを向かれ”ちゃ、元も子もない。(大統領が共和党で議会が民主党なんて事になったら、いつぞやの青島幸男都知事状態だし、)事実、アメリカ市民、アメリカ軍に所属する第一線の兵士達、及び、その兵士達の家族にとってみれば、自分達に直接降りかかる脅威(北の核がテロに回った事が事実となれば動くのだろうが)でもない事で、アメリカの若い命が犠牲になる事に、耐えられなくなってきている。(イラク戦争の後遺症)

日本は、もしかしたらリップサービスになってしまうかもしれない“アメリカの核の傘”を本当に信用していて良いのだろうか?もし、北が暴発して、米軍が動いてくれなきゃならなくなった時、アメリカ市民の極東派遣にコンセンサスが得られるのだろうか??


先日、安倍首相と民主党小沢代表との党首討論があったわけだが、自民党の提案をことごとく反対するしか能が無く、代案を出す訳でもない小沢=バカヤロウ=一郎は、さっさと政治家そのものを辞めた方が良い。社民党や共産党は、党の維持に独自の資金ルートを持っているんだから、存在しても構わないが、民主党だけは、存在する“意味”も“意義”も無い。

自分の事(安全)は、自分でやる(守る)のが、当たり前の事だと思うのだが、どうも、日本にいる視野の狭い人達=科学で騙され易い人達は、自分の安全は人に任せておけるものだと思っているらしい。その根拠は、いつも私には理解不可能だが。


ところで、こういった、市民が選択を迫られた時に、どのように行動するのか?を研究する学問領域が興りつつある。学問の垣根を横断するような学問である。

神経経済学。

神経と経済って繋がるのかよっ?

人の言葉を借りれば、『神経経済学とは、大ざっぱに言うと「選択の科学」である。つまり、神経科学、経済学、心理学からヒントを得て、人がどのようにして物事を選択するのかを分析する学問だ。神経経済学は科学であるが、その信奉者たちは楽観的で「意思決定」に関する生物学的にも行動学的にも正確な一般理論に到達できると考えている。』だそうだ。

ヒトは何かしらの選択を迫られた時、意識するしないに関わらず、自分の“損得”を基準にするってことだろう。“経済学”とはいっても、結局“損得”だし、生きていくモチベーションも“損得”だし、自分の遺伝子をより多く残そうとする“本能”も“損得”によって行動の判断をしているのだろう。


非常に納得できる話である。

さて、色んな解釈が考えられる次の命題!貴方なら、どのように解釈しますか?

未婚者は早死リスクが大きい

〔ワシントン〕 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA、ロサンゼルス)のRobert M. Kaplan教授らは、結婚経験のない人は若くして死亡する可能性が高いとJournal of Epidemiology and Community Health(2006; 30: 760-765)に発表した。


結婚は社会と結び付ける役割

 Kaplan教授らは、1989~97年の米国の人口調査と死亡証明書データに基づき約 6 万7,000人の成人を対象に研究を行った。89年に、対象者の約 2 分の 1 が既婚、約10分の 1 が配偶者と死別しており、約12%は離婚, 3 %は別居、5 %は同棲しており, 5 人に 1 人は未婚であった。

 予想できることであるが、高齢と健康状態の悪さは1997年までの死亡の最も強い予測因子で、結婚を継続している群は長い寿命と強く結び付いていた。年齢、健康状態、その他の影響を与えそうな因子を考慮すると、89~97年に死亡する率が配偶者と死別した群では約40%、離婚または別居群では27%高かった。しかし、未婚群は89年の時点で配偶者と同居している既婚群と比べて、同期間に死亡する可能性が58%高かった。

 結婚歴のないことによる“不利益”は健康状態が非常に良好である群で大きく、健康状態が悪い群では小さかった。また女性よりも男性で大きかった。若年層では未婚群における最も多い死因は感染症か外的な要因であったが、中年層と高齢者層のおもな死因は心血管疾患または慢性疾患であった。

 未婚男性は未婚女性に比べ脆弱で、また19~44歳の未婚男性群は同年代の既婚男性群と比べて死亡する確率が 2 倍であった。

 リスクのある習慣の差ではこの違いを説明することはできず、未婚群は既婚群に比べわずかに喫煙率が高く、規則的に飲酒している率が少なく、さらに運動量はわずかに多く、太りすぎは少なかった。

 同教授らは「結婚は社会的つながりのおおまかな代用物である。未婚であることは、より重度の孤独と関連するのかもしれない」と述べている。

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2006年10月20日 12:16に投稿されたエントリーのページです。

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