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乳癌増殖の火種は幹細胞だけではない

20070327_Jupiter.jpg最近、めきめき台頭してきた“がん幹細胞”説に一石を投ずる内容。でも、、、新しい考え方が広まろうとしている時期って、必ず、このような反論?が飛び交う。

結局、どっちが正しくて、どっちらかが間違っているみたいな単純な図式じゃないってところに落ち着くのが“落ち”。

分子生物学的にも非常に面白い分野なんだけど、ヒトの“生き死に”の方向から眺めると『がんって病気なの?』って疑問も湧いてくる。老化の表現型のひとつなんじゃないの?って。

乳癌増殖の火種は幹細胞だけではない

提供:Medscape

幹細胞は乳癌の進展と再発に寄与するほんの一因でしかなく、幹細胞様の前駆細胞が関与している可能性をある新規研究が明らかにした。今後はこの細胞を治療標的にしなければならなくなるだろう。

Allison Gandey
Medscape Medical News

【3月16日】幹細胞は乳癌の進展および再発に寄与するほんの一因でしかない。『Cancer Cell』3月号に発表された新規研究で、幹細胞様の前駆細胞が乳癌に関与している可能性が明らかにされた。今後はこの細胞を治療の標的にしなければならなくなるだろう。

首席著者であるハーバード大学医学部(マサチューセッツ州ボストン)のKornelia Polyak, MDは「我々がかつて認識していたより、乳房腫瘍ははるかに不均一な細胞でできている」とMedscapeに語った。「1つの腫瘍の中に異なる細胞が多数存在しており、ある治療法がそのすべてに対して有効とは限らない」。

Polyak博士らは、ヒト乳房腫瘍標本に遺伝学的に異なる2種類の癌細胞集団があることを発見した。これは、その2種類の細胞型のほかにも別の細胞型が乳癌に関与している可能性を示唆する。

各細胞型の遺伝的特徴を解析するうち、その癌幹細胞候補がある分子経路の活性化によって誘導され、正常幹細胞そっくりになることを突き止めた。「乳癌由来のCD24+細胞およびCD44+細胞の分子と表現型を包括的に解析した結果、遺伝子発現プロフィールや後成的(epigenetic)・遺伝的(genetic)プロフィールが明らかに異なる細胞集団を形成していることが分かった」と同研究チームは同論文で説明する。本研究はNovartis Pharmaceuticals社、米国立衛生研究所(NCI)、米国防総省の後援で実施された。

「CD44+細胞は多くの幹細胞マーカーを発現するとみられる」とPolyak博士らはいう。「しかし、1つの腫瘍内でCD24+細胞とCD44+細胞の遺伝子が異なるという事実は乳癌の癌幹細胞仮説の妥当性を問うものであり、それと同時にクローン性進化が腫瘍の不均一性に関与していることを示唆している」。

幹細胞仮説は「短絡的」

Polyak博士らが候補にした細胞、乳癌幹細胞は2003年に患者の腫瘍から精製されている。CD44+は正常な乳房細胞のマーカーと同じであった。免疫系をもたないマウスにこれを注射したところ、このCD44+細胞は乳房腫瘍を発生させる能力を示した。さらにCD24+マーカーを発現した関連細胞もみつかり、これらがCD44+細胞の子孫細胞であると示唆された。

Polyak博士らは遺伝子活性解析を行い、これら2種類の細胞型の関係を調べた。このCD24+細胞はCD44+細胞に非常によく似ていたが、必ずしも遺伝的に同じではなかった。CD44+細胞が本当に幹細胞で、CD24+細胞がその子孫であるならば、遺伝的にも同一であったはずである。この知見は癌幹細胞仮説よりもクローンモデルに符合すると同博士らは示唆している。Medscapeとのインタビューで、Polyak博士は幹細胞仮説が「短絡的過ぎる」と強調した。

同研究チームは、CD44+細胞がトランスフォーミング増殖因子β1(TGF-β1)経路の活性化により誘導されるが、CD24+細胞は誘導されないことも発見した。CD44+細胞を主体とする腫瘍が主にCD24+細胞から成る腫瘍よりも臨床的に悪性であるのも、これが理由であるという。このような癌患者には、TGF-β1経路を標的にした治療が効果的と考えられる。

「我々の知見を検証し、CD44+腫瘍細胞を標的にすることで乳癌患者の臨床管理が変わるかどうかを判断するには、特に臨床試験による研究を進める必要がある」とPolyak博士らは結論づけた。

Cancer Cell. 2007;11:259-273.

Medscape Medical News 2007. (C) 2007 Medscape


人の運命を知る事、暴く事ってのは、昔から神の領域に属する事だった。ギリシャ神話では、それはアポロンの領域。それ故、全能の神ゼウスに勝るとも劣らず、人々から畏れられていた。(ゼウスとの違いは、アポロンは人々から好かれていたという点だろう。アポロンの対極はディオニソスにせよ)

現代では、その神に近い領域が“遺伝子”という事なのだろう。

病気に関する運命を遺伝子から語る事は、今でもタブーのように扱われている。そして、誰しもがそれに関わらずに、答えが出せないものかともがいているように見える。(それをイイ事に・・・って目で見れば、医療業界や健康産業はハゲタカも同然。でもハゲタカって悪者なのか?)

答えがわかっているのなら、言ってしまえば簡単だけど、でも、それじゃ、救いようもない・・・。真面目に取り組むほどジレンマ・・・・。

脳動脈瘤が遺伝により早期化 --- 次世代では若年発症に注意を

〔サンフランシスコ〕 シンシナティ大学(オハイオ州シンシナティ)脳血管遺伝学科長で神経学のDaniel Woo准教授は、脳動脈瘤を遺伝により受け継ぐと前の世代よりも血管破裂が早期化すると米国脳卒中協会(ASA)の国際脳卒中会議2007で報告した。


遺伝的表現促進を研究

 この現象は遺伝的表現促進と呼ばれ、ある世代に見られた疾患が遺伝子により次の世代に受け継がれた場合、次の世代の疾患の発症が早期化することを指している。

 Woo准教授らは、頭蓋内動脈瘤と関連する遺伝的表現促進について研究を行った。動脈瘤により脆弱化した血管が破裂すると脳内で出血する。このような破裂は、くも膜下出血の原因となる。

 同准教授によると、頭蓋内動脈瘤を有する患者の約10%に同じ疾患を有する第 1 度親族がいるという。

 既に、先行研究で遺伝的表現促進が遺伝性頭蓋内動脈瘤で生じることが示されてきたが、顕著な促進の原因が次の世代による過度の喫煙と高血圧である可能性は考慮されていなかった。同准教授は「先行研究がこれら 2 つの危険因子を比較対照しなかったので、次世代で動脈瘤破裂が早期化する現象の原因はその世代のたばこの吸いすぎや高血圧の長期化ではないのかと考える人がいた」と説明した。

 そこで今回の研究では、複数の国で親子あるいは伯(叔)父・伯(叔)母と甥姪で頭蓋内動脈瘤を発症した35家族を調べた。両世代で動脈瘤破裂の年齢を比較し、家族の喫煙と高血圧の病歴に関するデータを収集した。

 その結果、強い促進が判明し、1 世代で平均して15年早期化した。したがって、親の世代で頭蓋内動脈瘤が50歳で生じると、その子世代では35歳くらいで動脈瘤破裂が見られた。


喫煙や高血圧が原因ではない

 喫煙と高血圧の差異はこの現象を説明しなかった。前の世代の親族よりも動脈瘤破裂が早期化した若い(次)世代は喫煙する傾向が低かった(前の世代では平均27pack-yearに対し次の世代は平均15pack-year)。

 また若い(次)世代は前の世代と同程度の長期間の高血圧は見られなかった。高血圧の平均年数は前の世代では 3 年くらいであったが、次の世代は 9 か月ほどであったという。

 頭蓋内動脈瘤の 2 大危険因子である喫煙と高血圧を除外すると、世代ごとに悪化する遺伝性異常が存在することが示唆される。

 この知見から、動脈瘤破裂が生じる傾向がある家族では、早期に発症するリスクが高いという強い証拠が存在するので、若い世代に早期スクリーニングを行うことが望ましいという。

 症候性の大きい頭蓋内動脈瘤が同定されたならば、破裂前に治療するか詳しくモニターすることが勧められる。


自分の運命(遺伝子型)を知って、どのように行動するかは、それぞれの人が考える事だ。いや、それ以前に自分がどのような遺伝的タイプを知りたいと思う人もいるだろうし、その逆もあるだろう。それぞれの人生なんだから、それぞれが考えれば良い。一番いけないのか、、、、

---他人まかせ---

だ。知ってから受け入れる方を善しとする人、知らないうちにその時が訪れた方が善しとすると人、どちらにしても、脳動脈破裂の運命は、現代医学では変えられないのだから。
 
 
 
NHK ドラマ『ハゲタカ』が終わった。

リストラされる段になって『それは酷いんじゃないか?』と泣き言をこぼす人達に対しては、私は、はっきり言って同情よりは軽蔑の感情の方が大きい。

自分の部署が“泥船”かどうかは、そこで働いている人間が一番分かる筈だ。

なのに、それを知ろうとしないか、見て見ぬふりなのか、知っていたとしても自分だけ抜け駆け出来ない浪花節タイプの人間なのかは分からないが、結局、自ら(の怠惰・無関心かあるいは性格)が招いた悲劇には違いない。それを、他人のせいにする姿には違和感を感じるのだ。(泣き言をこぼさない人に対しては、何も言う事はないし、それはそれで立派だと思う。自分の人生を自分で決めてるんだから)

運命を知る事(自分の部署がヤバイと感じる事)で、それが回避できるなら、そうする事が人間の義務だと思う私には、“人生他人任せ”の人には同情できない。

ドラマでは、最後に EBO でこれらの人々は救われるわけだが、それは、金銭に対する頓着も無く、朴訥と働いていたから報われたなんて甘い解釈では、決して無い。単なる偶然だ。(ただし、結果をこのような“純粋な想い”にすりかえる事は、許されていいと思う。嘘も方便だ)

ほとんどは、そういう“純粋な”意志とは別次元の所で運命は決まる。何も悪い事をしていなくても、その地域に地震は起きる。偶々、投資家が興味を持ったから、会社は救われる。よくある話だ。


これと、遺伝子の話は似ていると思う。


40歳を目前にした頃から、神々(宗教)の世界に興味を持ち始めた私だが、元々、科学万能信者だった私にとって、遺伝子を語る事がタブーだという事の方にこそ、疑問を感じていた。(がん告知に是非があること自体を疑問に感じている自分の方こそ、変わり者なのか?とも思っていた)

そして、神々の世界や宗教を知ったら少しは変わるかもしれないと思ったりもしたが、これを知る事は、益々、自然の畏怖を感じる事になり、運命をタブー視する事に対する疑問は、益々、強くなってしまった。知る前には、神々の世界や宗教は、慈悲に富んでいる世界だとばっかり思っていたが、実際、神話の世界の神々は、思いっきり無慈悲だったからだ。

だから、益々、意図的に知らせない事には違和感を感じるようになった。知りたがってるけど、ショックが大きくて耐えられないかもなんて考える事は、おこがましいと。もっとも知りたくも無い人に、強制的に知らせる事は論外だが。
 
 
 
朴訥と仕事をしている事で報われるわけじゃない。健康に良い(定義することも難しい)ことをしていても報われるわけじゃない。

そう、神様に慈悲があるわけじゃないのだ。幸せな人はとことん幸せに、不幸な人はとことん不幸に。神様は全く、不平等だ。でも、それが現実なのだ。(余談だが、無慈悲なのに、神話や宗教がどうして存在するのか?今、私は、それは神話や宗教に内在するカタルシス効果に尽きると思っている。その人が救われればいいのだ)
 
 
 
というわけで、益々『運命なんだから、結果に対して悪あがきしなさんな!結果を畏れず受け入れる為には智恵が必要だ!』ってポリシー(だったのか?)のこのブログで、この2本の報告を紹介したいが為のエントリーでした。

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2007年03月27日 12:13に投稿されたエントリーのページです。

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