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喫煙が認知症と認知機能低下のリスクを高めることは明らか

20070822_marlborocountry.jpg医学的疫学調査で悩ましいのは、『リスクを高める』という言葉だ。タイトルでは喫煙が認知機能低下のリスクを高めると言うが、これは、万人の脳機能を障害するという意味ではない。喫煙によって認知症になる人が増えるという事を示している。

喫煙で、誰しもが認知症になるなら話は簡単なのだが、おいしそうに煙草を吸いながら100歳を迎えても“シャン”としているご老人が実際に存在しているのだから、このように『リスクを高める』と言われても説得力がない。

じゃ、どうすればいいのか?

これも話は簡単だ。煙草を吸うと認知症になる体質(遺伝子)の人を選別できる検査法を開発すればよい。話はそれからだ。


『あなたは、煙草を吸いつづけると認知症になります。止めた方が良いです。それでも良しとするなら無理には奨めませんが』、『あなたの場合は喫煙を続けても、認知症もがんも肺気腫にもリスクはありません。が、周りの人への配慮は忘れずに!』と言えたら、なんとすばらしい事か!


しかし、最近、仕事をしながら感じるのだけど、禁煙を志す人が格段に増えた。ここ3~4ヶ月のニコチネルTTSの動きは去年の3倍以上だ。一般の人にこのような動機づけを与えたのは何なのだろうか??

地道な活動の結果なのか?


さて、話は変わって“日本禁煙学会認定指導薬剤師”。私は存在すら知らなかったのだが大学の先輩が自身のブログで取得したと書かれていたのを拝見して、恥ずかしながら初めて知った次第だ。そして、ほぼ10年も禁煙指導にあたられていた事を知った。『昔はあんなにプカプカタバコを吸っていたのに...』と書かれているが、ほんとに、どうやって先輩自身が禁煙したのか、そっちの方が興味ある・・・・。こんな真面目な“薬剤師”ブリを発揮している先輩は、バンドのボーカルとして派手な衣装と化粧でステージに立っていた学生時代からはとても想像できないのだが・・・。

閑話休題、私が禁煙したのは娘が生まれた時からだから、もうすぐ5年になる。喫煙に対するイメージの変化は5年前の比ではない事は確かだ。喫煙者の肩身は狭い。だから私はいいときに止めたと思っている。

参っている人を完膚なきまで叩きのめすのは私の性分には合わないので、朝青龍の時にもそうだった(あれが悪事とは思えない)が、喫煙者に対しても“申し分けなさそうに”吸っている人に対しては、庇ってあげたくなってしまう。しかし、絶対許せなくて、憎たらしいのは、『なんだ?もんくあんのか』って感じでふてぶてしく吸っているヤツだ。火の付いたほうを外に向け歩きなら吸っているヤツをみると、後ろから頭をバットで殴ってやりたい衝動に駆られる。(理由も無く強者を叩きのめしたり、弱者の立場を盾にする奴等が大嫌いなのだ。こういう奴に限って、人間平等とか言い出すんだよね。)

この、世を挙げての“禁煙ムード”は歓迎すべき事なのだが、喫煙者にも“色々なタイプ”が“色々な意味”でいる事を忘れてはなるまい。周りに迷惑をかけずに、申し訳なさそうに吸っている人や医学的に煙草に害に耐性の人。

10羽一絡げで“禁煙を薦める”事はないだろう。今まで何処も悪くなかったのに、将来のリスクを説いて、70歳を過ぎた人に“禁煙”を勧める事に意味があるとは思えないし、最終的には“人生は自分のもの”だ。『美食で死ぬのが本望』と言っている人に糖尿病のリスクを説いたって怒らせるだけだ。食べる事意外に人生の喜びを見出せ無い人には『あなたの健康の為』と言う言葉は、心には響かない。


現代の医療は、個の医療を目指すと言いながら、古典的平均値を指標にした医学を実践している事は否定できない。猫も杓子もコレステロール値が高ければ、低下薬を飲まされる。この世界に身を置いて、はや20年以上になる訳だが、やっと、当人の希望や価値観も考慮した上でなければ、医療は“おせっかい”にしかならない事が解ってきた。

とかく、狭い世界である。医療提供者の価値観も、知らず知らずのうちに画一化され、平均化されてしまっているのだろう。検査技術は進歩してもそれを判断する根拠が“古典的平均値”から抜けきれないでいるわけだ。

でも、そんな医療の世界に風穴を開けようとする事を真剣に考え始めた人たちがいる事からも、次世代の医療は、まんざらでもないかもしれない。それは、、、、《東京都は8月8日、第1回メディカルスクール有識者検討会を開催した。座長には国立国際医療センター名誉総長の鴨下重彦氏が就任した。今後、5回の検討会を開催する予定で、2007年度末に「実現に向けた提言」をまとめる予定。東京都が現時点におけるメディカルスクールの「イメージ」として示したのは、大学卒業後に入学する4年間の専門職大学院だ。大学での専攻が人文科学、自然科学のどちらであったかは問わず、多様な経歴の学生を対象とした医学教育を想定している。》だ。

昔から話はあったメディカルスクール構想だけど、医師免許取得を文系出身者にも門戸を開く事を真剣に考え始めた事は確実に一歩前進だ。そして、その文系出身者の中には、私は“宗教家”すなわち神学部出身者も入ってくる事を望みたいと思っている。

今でも『コレステロールが高いだけなら、なにも薬を飲む必要も無いでしょう』と仰るDrはいるけれど、脱マイナーを図ってもらいたいと。。。。
 
 
 
一週間の夏期休暇は医療や医学に一切関わらないようにしている。ネットでの情報収集や専門雑誌の類には一切目を通さない。そうすると、日常とは違った自分の住まう世界が見えてくることもある。

日常生活(専門領域に没頭している時)では、大きな中の小さな一部が大きくなってしまうのだ。要するに“井の中の蛙”状態で視野が狭くなる。リフレッシュ休暇は、ほんとに必要だなぁと、つくづく思い知らされる。

理系以外の人たちの医療職への参入は、こういった意味でも重要だと思う。
(薬学部の6年制は、明らかに失敗だ。近い将来、薬剤師免許の受験資格を他学部へ開くか、3年制位のファーマシューティカルスクール構想が持ち上がるのは、必至だろうな)

喫煙が認知症と認知機能低下のリスクを高めることは明らか

 喫煙がアルツハイマー病(AD)を含む認知症や認知機能低下の明らかな危険因子であることをさらに強固なものとするメタ解析の結果が、オーストラリアのグループによりAmerican Journal of Epidemiologyの 8 月15日号に発表された。

 以前には喫煙がADのリスクを低下させることが示唆されていたが、現在では否定されている。同グループは、喫煙と認知症および認知機能低下との関連を前向きに追跡した研究19件のメタ解析を行った。この解析には、2 ~30年の追跡で認知症が評価された 2 万6,374人と、2 ~ 7 年の追跡で認知機能低下が評価された 1 万7,023人が含まれた。参加者の平均年齢は74歳であった。

 ベースライン時に喫煙していた群は喫煙歴がない群と比べ、AD、血管性認知症、あらゆるタイプの認知症を発症するリスクがそれぞれ1.79倍、1.78倍、1.27倍高かった。また、ベースライン時に喫煙していた群は喫煙歴がない群と比べ、Mini-Mental State Examinationスコアで評価した追跡中の年間の認知機能低下がより大きかった。

 ベースライン時に喫煙していた群はかつて喫煙していた群と比べ、ADの発症リスクが1.70倍高く、認知機能の低下も大きかったが、血管性認知症とあらゆるタイプの認知症の発症リスクには差は認められなかった。

Anstey KJ, et al. Am J Epidemiol 2007; 166: 367-378.

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2007年08月22日 11:49に投稿されたエントリーのページです。

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