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最後通牒ゲーム

20071013_justice.jpg『そりゃ、ないんじゃない?』
『そんなの、ずるいよ』
『権力を笠に着て・・・』
『核兵器をちらつかせて・・・』

公正さという感覚は、ヒトがサルから進化した時に取得した機能であり、種の繁栄をささえた重要な資質だということだ。

公明正大か、あるいはそうではないか(Fair's Fair...or Not)

Science October 5, 2007, Vol.318

人類は公正さという感覚を持っているという説を実証する実験的な基準は、最後通牒ゲーム(Ultimatum game:訳注参照)におけるふるまいである。

もし、最初のプレーヤーが提案した分け前が充分公正(大体、合計の40%から50%程度)でなければ、2番目のプレーヤー(受け手)は提案を拒絶することが多く(利益を得ることを完全に諦める)、その結果、最初のプレーヤーもあらゆる受け取りが不可能になる。

Jensen たち(p. 107)は、チンパンジーにおけるこの最後通牒ゲームを干しブドウを使ってやらせた場合、人間の場合と異なり、干しブドウの数がいくらであっても受け手は受け入れる。

結論としては、チンパンジー2匹によるゲームでは公正な取り引きと言う概念には到達しないように思える。

【訳注】最後通牒ゲーム:受け手が受け入れた場合、提案者が提案した通りの分配が与えられるが、受け手が拒否した場合は、提案者も受け手も分配はゼロ。

Chimpanzees Are Rational Maximizers in an Ultimatum Game
p. 107 - 109.


というわけで、北朝鮮の外交手段は言うに及ばず、亀田興毅の世界戦での判定に怒りを感じ、亀田大毅の判定に溜飲を下げ、光市母子殺害の犯人を“死刑”にする事に“反対”する人に“違和感”を感じるのが、ヒト(ホモ・サピエンス)として当たり前の反応であり(この場合には“死刑廃止論者”であるという資質が話をややこしくするのだが)、このバランス感覚に異常をきたしているヒトはサル並ということなのだが、、、、
学習、自閉症とシナプスの関係(Learning, Autism, and the Synapse)

Science October 5, 2007, Vol.318

自閉症の人のなかには少数であるが、シナプスを通って神経細胞の情報伝達を容易にする細胞接着タンパク質であるニューロリギンとニューレキシンをコードしている遺伝子に変異を宿している。

Tabuchiたち(p. 71, 9月6日のオンライン出版;Crawleyによる展望記事参照)は、このような変異の一つ、即ちマウスに変異タンパク質を導入することでニューロリギンー3にR451C置換したその機能的な影響を調べた。

このマウスは空間的な学習スキルは上昇したが、社会的相互作用面では損なわれている。

これらの行動面の変化は抑制性のシナプス伝達における選択的な増強が伴っていた。

このように、興奮性と抑制性のシナプスにおけるバランスの変化が学習に影響し、このバランスの変化が自閉症の病変形成をもたらす因子の一つであろう。

A Neuroligin-3 Mutation Implicated in Autism Increases Inhibitory Synaptic Transmission in Mice
p. 71 - 76.
MEDICINE:Testing Hypotheses About Autism
p. 56 - 57.


このような“自分以外に関心がない”資質の場合は、どのように考えたらいいのだろう。

“天才(サバン症候群 etc)”が“自閉症(アスペルガー症候群 etc)”のなかに多いというのは、アインシュタインなどの例もあり、けっこう知られた事だが、この論文にあるように『このマウスは空間的な学習スキルは上昇したが、社会的相互作用面では損なわれている。』ってのが、そういうことなのかなぁなどと、思ったりした。

まわりに関心がなければ、公正さと言うもの自体にも関心を示さないだろう?!

ということは、天才はある意味サル以下なのか?それとも、光市母子殺害の犯人を“死刑”にする事に“反対”する人は天才なのか?

死刑廃止論者のロジックはとどのつまり、『死刑は犯罪防止の抑止力にならない』であり法律論からの刑罰の意味を“こねくり回して”いる訳だが、中には“公正さ”の感覚が欠除している人がいそうなのだがどうなんだろう?

感情的には『あの犯人は殺したいくらい憎いけど、理性的に考えると死刑には・・・』って事なら、死刑廃止論にも聞く価値はあるとは思うけど、無残な方法で二人も殺しておきながら、犯人はのうのうと生きる・・・この状況が“公正”と感じるなら、やっぱりその人は“サル”並みの感覚だと言わざるを得ないんじゃないかな。


でも面白いもので、亀田兄弟が世間から苛められれば苛められるほどに、私の中では『ちょっと、かわいそう』って感情が芽生えてきてしまう。(天邪鬼って言われそうなんだけど、ちょっと違うんだよねぇ)

プリズンブレイクでは、ティーバッグ!こいつの事を妻なんぞは『マイケル、はやく殺して!』なんて叫んでるんだけど、私は生き延びて欲しかったりしちゃう。いや、最初は憎ったらしくって、『このヤローだけは、生かしちゃおけねぇな』なんて思ってたんだけど、だんだんと気持ちが変わってきちゃったんだよね。


こういう感情の変化!これって、一体、なんなんだろう?


中東では“神話”の世紀からの“憎しみ”を引きずって殺しあっているっていうのに、私なんぞは、その憎しみってヤツも、時間とともに変化してきちゃう!?

遺伝子だけで“脳機能”が決定されない事は、ほぼ、周知の事実になりつつあるけど、そういうエピジェネティックな因子(miRNA や siRNA みたいにジェネティックに近いエピジェネティックだけじゃなく)が“多様性”ってヤツを生んでるんだろう。だから、全滅するまで戦いつづけない?おかげで、ユダヤ人もアラブ人もキリスト教徒も滅んでいない?戦後の日本もしかり?厳密にやらずに、適当がイイ?っていうか、適当にしか出来ない?

(しかし、グリア細胞がニューロンネットワーク形成に一枚噛んでいたなんてねぇ・・・。単なる支持・栄養供給、バリアすなわち BBB の機能の一部を担ってるだけじゃなかったんだねぇ)

神経細胞のロードマップ(Neuronal Roadmap)

Science October 5, 2007, Vol.318

神経系が成長する際、特有の介在ニューロン結合のネットワークが形成される。

Colon-Ramosたち(p.103)は、ネットワークの支持組織であるグリア細胞がこれらのネットワークを作るに必要なロードマップを提供していることを見出した。

特定のグリア細胞がネトリンを発現し、このネトリンがシナプス後ニューロンに結合場所を教え、そしてシナプス前ニューロンに結合に必要な下部構造を作る場所を教えている。

グリア細胞におけるネトリン発現の局在化が、正しい位置での神経細胞のシナプス-構築形成に役立っている。

Glia Promote Local Synaptogenesis Through UNC-6 (Netrin) Signaling in C. elegans
p. 103 - 106.


こうしてみると、生物の“多様性”ってのは、多様性にする事が難しいんじゃなくって、単一性にする事の方が難しくって、放って置けば“多様性”になっちゃう!

こんなに複雑な制御系を単一に留めておく方が、よっぽど難しい。逆に言えば程よく単一に出来たから、生命は進化し、種を増やしたんだけど・・・単一にとどめる始まりが細胞膜を以って、環境と隔てる事に行き着くなら、やっぱり、大変なエネルギーを必要とするわけだよ。

エントロピーは拡大する方向に・・・・は真理なんだね。(なんだか、今回は思いっきり雑感だ)

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2007年10月13日 11:41に投稿されたエントリーのページです。

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