筑波大、日本女子大並びに協和発酵工業の研究グループは、インフルエンザウイルスRNAをin vitroで複製できる酵母系を開発し、これと酵母遺伝子のノックアウトライブラリーによるスクリーニング系を駆使して、インフルエンザウイルスがヒト体内で増殖するのに必須の宿主因子が、酵母CUS2の哺乳動物ホモログのTat-SF1であり、ウイルスRNA合成促進因子であることを見いだした。
研究詳細はProceedings of the National Academy of Sciences誌電子版(11月第2週)に掲載されるとのこと。
(ニュースと写真のトリは関係ありません)
というわけで、今年もインフルエンザシーズンに突入したわけだが、このニュースを見た時、うかつにも、ろくに調べもせずタミフルに次ぐインフルエンザ治療薬が期待できるのかぁ!!なんてぬか喜びしてしまったのだが、、、、、
『The HIV-1 Tat cellular coactivator Tat-SF1 is a general transcription elongation factor』
ここを読んでみると、Tat-SF1 は『general transcription elongation factor』だと書いてある。
ってこは、何かい?インフルエンザ治療に、Tat-SF1 機能を阻害する物質を投与したら、、、、ヒトのハウスキーピング遺伝子の発現にも影響しちゃう・・・・つまり人が死んじゃう?!
インフルエンザ specifically じゃなけりゃ使えないじゃん!!
残念!この知見を利用してなんとかならないのか?
もう、タミフル騒動(私の立場では流通の不具合)にはコリゴリだからね。結局、あれって新聞やテレビで“特効薬”扱いしたから患者が欲しがる・・・っていうか、投与経路的にはリレンザの方が“優れている”筈なのに、何故かタミフルの需要が多く、しかも全生産量の7割から8割が日本で“消費”されているという、なんとも情けない医療事情・・・。
そういえば、定期購読している毎日新聞社発行の MMJ の9月号の編集後記を読んだ時もショックを受けたっけ。それは、、、、
聖路加国際病院院長の福井次矢氏の文章なのだが、氏がシンガポール政府がアメリカのデューク大学と共同で設置したメディカルスクール視察に理事長の日野原重明氏と訪れた事に触れながら、『米国医学教育への転換』として日本のメディカルスクール構想に思いをはせているのだが、この中で、オーストラリアでは半数の医学部がアメリカ型のメディカルスクールに置換され、韓国でも3年後には全ての医学部がアメリカ型のメディカルスクールになるのだという。
世界第2位の経済大国の地位を中国に奪われるのは10年もかからないと言われ、医療・福祉の面でも、シンガポール、韓国、オーストラリアに置いてきぼりを食らうのは間近なのか!!??と、ショックを受けたのである。
小児科医、産科医が不足している。それを改善する為にもメディカルスクール・・・なんて、構想があるらしいが、なんか、ごちょごちょとやってるみたいだけど、成果はなし。
どうして、日本って、もの事をドラスティックに、、、、、国民のコンセンサスなんて必要ない時もあるのに・・・(って、それに迎合する当事者も悪いんだけど・・・自らが招いたデスマーチ?)
さて、一昨日あたりから面白くなってきている政治の舞台だけど、産経新聞の論説が非常に的を得ているなぁと感じたので紹介する。小沢氏擁護の立場を同じくするからじゃなく、状況分析が的確だと感じたからだ。
文中の『大連立を打診され・・・』は、小沢氏も想定内の事だろう。っていうか、小沢氏の書いたシナリオの可能性もあるわけだから。
そして、小沢氏が自ら率いる政党を“民主党は力量不足で政権担当能力に疑念がある”と評価している事は、『RNAi治療が復活?』でも指摘した通り、特に科学技術政策分野において、民主党はからっきし“ダメ”な事からして推して知るべしであり、意地を張っている他の民主党の幹部達とは一味も二味も違うっていうか、政治家としてバランス感覚抜群だと思うよ。
私が好きな民主党議員は前原誠司氏なわけだが、生え抜きの彼は、やっぱり『民主党で政権を』に拘りすぎている。この辺は、小沢氏を見習ってほしいなぁ。
【政論探求】あえて小沢代表を擁護する
2007年11月6日(火)07:39
民主党代表の辞任表明は小沢一郎氏の政治スタイルの集大成であり、その真骨頂といえるものだ。長い間、小沢氏の政治行動を見てきたが、直感的にそう思った。「壊し屋」とか「自爆」などといった俗論は当たらない。福田康夫首相との党首会談で大連立を打診され、これを党の役員会にはかったら全面拒否された。これは不信任と同じだから、誠意を示してくれた福田首相へのけじめをつける意味からも辞任する…。
この辞任理由は完璧(かんぺき)にスジが通っている。中日の落合監督は完全試合目前の山井を降ろして、最終回を守護神・岩瀬に託したが、これをコーチ陣から非難されたようなものだ。野球も政党も指導者論の観点から見ると、共通する側面がある。
小沢氏の記者会見を聞いていて、「やはり…」と得心できたのは、民主党は力量不足で政権担当能力に疑念が持たれ、次期衆院選もきわめて厳しい情勢にある、という現状認識だ。
民主党内には参院選圧勝の勢いで衆院選も勝ち抜き、一気に政権奪取を、という声が満ちているが、そんな容易なものではないと冷や水を浴びせたのである。党内にはぎくっとした向きも多かったのではないか。
現に、衆院選では自民党は現職を50人落としても過半数を維持できるが、民主党は倍増させても過半数に届かない。参院選は、年金、政治とカネ、閣僚失言などの「敵失」による勝利だった。その厳粛な事実を党内では直視できないままだ。
「衆参ねじれ」によって国民に約束した政策が実現できない、であるならば実現できる体制をつくろう、政策を実現するのが政治だ…これもスジが通っている。国会を大混乱に陥れて福田政権を追い込みバンザイさせる戦略を取るのかと思っていたが、この大転換には脱帽せざるを得ない。
この局面で大連立に参画することと政権交代可能な2大政党時代をつくる目標は矛盾しない、という指摘も小沢氏ならではだ。大連立でまず政権担当能力を示し、その上で2大政党時代を目指した決戦に臨む。この目線の違いを民主党の幹部陣は理解できなかったのであろう。
傍目には「異次元」的に映るところが、小沢氏の政治手法であり、われわれはそれを何度も見せられてきたはずだ。
参院選後、日本政治は新しいステージ、「衆参ねじれ」という未知の領域に移行したのである。ねじれ解消にはいったん大連立をという発想。それも自衛隊の海外派遣をめぐる政策転換を軸にするというのだから、なるほど、これはダイナミズムを秘めている。(客員編集委員 花岡信昭)
というわけで、例えば“郵政民営化”みたいな問題一本に絞った時には、“民意”みたいな形で“国民”の意見が反映されるのもいいんだろうけど、問題が複雑になった時、『素人は口出しするな』って事は、街頭インタビューを見ていても、まともな意見一つないことからも正しいっていえるんじゃないかな。
特に、医療分野で“治療薬”を素人が指定して欲しがるなんてのは、『何をかイワンや』なんだけどなぁ。