子育論にも、それぞれの“宗派”が存在する事は誰でも知っている。同様に社員教育とか社会人として、或いは大人としての“教育”にもそれぞれの“方法論”がある。それぞれを取り入れて『私のところは成功した』なんて類の話は、育児関連、ビジネス関連には多い。
しかし、この論文にある成功と失敗が学習に与える影響(の感受性)ってのは広い意味での“生命維持”に関してだとは思うんだけど、もっと高次元の学習にも影響を与えているとすれば、『遺伝子多型を調べれば、その人にとって、どういう教育法がいいのか、一発でわかるジャン』っ事になりそうだ。
過ちから学べ(Learn from Your Mistakes)Science December 7, 2007, Vol.318
人間の体験は、われわれ自身の行為がそれに続くポジティブなあるいはネガティブな結果に影響を与えているという学習に基づいている。
報酬があると、文脈的な刺激と行為の間の結び付きが強化され、それによって、成功した行動が強化、維持される。
一方、罰があった場合には、間違った行動を回避するようになる。
通常、われわれはポジティブ、ネガティブ双方の強化から学習しているが、成功と失敗のどちらから相対的にどれだけ学習するかは、個人によって違っている。
Kleinたちは、脳のドーパミンD2受容体密度に関するヒトの遺伝子多型について研究した(p.1642)。
D2受容体密度が低いことは、失敗からの学習効率が低いことと関係していた。
D2受容体密度がより低いヒトは、ネガティブな行為の結果をモニターする領域として知られる後側中央前頭皮質(the posterior medial frontal cortex)におけるフィードバック関連活性が減少することによって、失敗から学習する能力が減少するのである。
Genetically Determined Differences in Learning from Errors
p. 1642-1645.1
だけど、、、、、誉めても叱ってもダメな個性も存在する訳で・・・・・
日産から GT-R が発売になった。私は虎視眈々と狙っているわけだが、それはいいとして。
この GT-R の発売に合わせて特集を組んだ“特別雑誌”が色々と発売になっている。その一冊を買って読んでいたら、開発主幹である水野和敏氏のインタヴューが掲載されていて、非常に興味をそそられた。
氏のポリシーとして、『少数精鋭でなければ良い物は作れない』があるわけだが、それは、、、
例えば、月に1万円の生活費しかなければ、人は知恵を絞ってやりくりする。だけど、月に100万円も与えられれば、人は無駄なものにも費してしまう。
端的に言うと、こういう事だそうだ。
金をかければ“豪華で華のある車”は作れるが、“良い車”は作れない。
氏は、こういう事をグループCカー(自動車レース)の監督時代に嫌というほど味わったのだと言う。スタッフが豊富だった時は、勝てない、覇気がない、ナイ、ナイ尽くしだったのが、スタッフの人数を半分に減らしたとたん、それぞれに責任感が芽生え、次の段取りも『これを用意しておいた方がいいですよね』と進言されるまでになったのだとか。
そういう経験から、GT-R の開発人員と経費は、なんと、スカイラインの半分にしたのだと。(GT-R からは“スカイライン”の名称は外されました。日産GT-R です)
その結果、少ない開発期間で、アレほどのものが出来上がったというわけなのだ。エンジンはエンジン、シャーシーはシャーシー、サスペンションはサスペンションの専門家達が、バラバラにそれぞれの都合で開発し、最後に帳尻を合わせていたのが今までの車だとしたら、GT-R の開発部隊は例えば『2速でフル加速している時には、ドライブトレーンにこれだけのトルク(ねじれ)が加わり、リアサスは何mm沈み込む。だから、駆動力を効率よく路面に伝えるにはバネレートをこれくらいにし・・・・、制御コンピュータからの指示は・・・・』などと各部署が有機的に連携して出来上がったのだと。(最後に帳尻合わせなんてやっている金も時間も無い状況に追い込んだ?)
私の持論も、『仕事のプライオリティを肌で感じる為には、ギリギリの人数で遣り繰りしてみる経験が重要だ』だ。不平不満が爆発する前に人員補充などをやってしまおうものなら、いつまでたっても『どれもこれも大事な仕事・・・、あぁ~いそがし』から脱却出来ない。知恵を絞って効率の良い仕事の段取りをつける力が引き出せない。
なのだが、、、、雑誌を読んで、ふと考えてしまった。
日産に入社できる人は、端からレベルが高い人たちだ。
誉めて伸びる子
叱って伸びる子
どちらにしても、“伸びる力”を持っている。
しかし、、、、、“伸びる力”を持っていないキャラクターだったら、少数にしたら表現形は“悪い方”にしか現れないのでは?と。誉めたらそれで満足し、叱ったら逆恨みするっていう個性は、けっこう居る。
まず、そういう個性を炙り出せる、いわゆる“試金石”みたいなものはないのか?と。(雇用する前にわかれば完璧!)
日本に定着している(最近は崩壊しつつある)学歴偏重だが、昔はそれなりに“試金石”として機能していたんじゃないのか、、、、と、改めて思い直してしまったのだが。。。。
そんなことを考えていたら、ふと、マクドナルドの接客マニュアルを思い出した。
『いらっしゃいませ!こんにちわぁ』のアレである。賛否両論、いろんな事をいわれてはいるが、“誉めても叱ってもダメな個性”を使うには、アレがベストなんだろうなぁと。
結局、~~雇用機会均等法、平等な~~、って言っても、能力に於いて個体差があるのは歴然としているわけで、要するに適材適所なら問題は発生しないのだ。GT-R の開発に“誉めても叱ってもダメな個性”は無理であろうし、そのまた逆に、能力のある人にはマクドナルドの接客マニュアルを押し付けても勿体無い。
能力のあるなしと人格を結び付けなければ、GT-R の開発している人は“偉い人”でマクドナルドの接客は“低レベルの人”とはならない。。。。。訳だ。。。。転職を繰り返す人を無能とみなす風潮にも問題があるだろう。適材適所でなければ誰だって仕事は嫌になるはず。合わなかっただけ・・・・そう、合わなかったのだ。
能力の無さも、合わなかったと言う言葉で表現すれば、、、、これは奇麗事すぎるかなぁ・・・・。皆が平等で同じではなく、早くから自分の能力を自覚していれば、適所にはまれるってことなんだけど、それじゃ『夢を見ちゃいけないのか?』なんて言われそうだし。。。。
難しいね。結局、なるようにしかならない。兎に角、飴と鞭の使い分けってのは、対象のD2受容体の発現率がわかっていれば、効率は良くなる。。。。。でいいのかな?
育児に悩んでいる人には、『育児書にいろいろ書いてあるけど、気にしないで、自分の思うとおりにやるのが一番』って事だろう。誉めて良い子もいれば、叱って伸びる子もいる。それを一番正確に見極められるのは、お母さん(とお父さん)なんだからね。とにかく叱ったり誉めたりしているうちにわかってくるんじゃないのかな。
“誉めても叱ってもダメな場合もあるって事を早めにわかっるって事”も含めてね!
(って、この論文、こんなオチなのかい??えっ?)