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壁の向うからこっちへ・・・

20080213_wall.jpg知ってるようで知らない事!その単語から受けるイメージが誤解を与えているために、対になる言葉までもが勘違いされている事!

冷血動物・・・・、これって温血動物に対する言葉だから、血液が冷たいって勘違いしている人が多いと思う。もっとも理科(生物学)の教科書では、恒温動物に変温動物なはずだけど、こっち(冷血動物)の方が市民権を得ちゃっているってことなんだが・・・。

さて、その冷血動物だけど、通常は体温はあったかい。体内に発熱機関を持っていない(持っているんだけど、発熱量が少ない)から外部から熱を得て(ひなたぼっことかして)体温を高めている。マグロ、カツオ、サメなどはひなたぼっこはしてないけど、体温は環境よりも高めをキープしている。筋肉を絶えず使うことで発熱しているのだ。ただし、温血動物ほど、体温を保てないのは、エネルギー生成経路自体が少ないからだ。すなわち、細胞あたりのミトコンドリアが少ないってこと。

だから、同じ体のサイズの爬虫類と哺乳類では、燃費が良いのは爬虫類のほうだ。哺乳類の1/30程度の食料摂取で足りるといわれてる。

哺乳類が、何故、そんなエネルギー効率の悪い方に進化したのか?それはそれで大きなテーマなんだけど、この際それは置いといて、そのエネルギーの効率の悪さが"恒温動物"になっている理由でもあるってことを見ていこう。

マグロ、カツオを見てもわかるように、筋肉は ATP を産生する最大の臓器と言える。最大に消費するんだから当たり前だけど、筋肉にミトコンドリアは多い。

ミトコンドリアが効率よく ATP を生成するには、筋肉が ATP を使って収縮するように ATP の需要が必要不可欠だ。要するに ADP が無いと ATP は作れない。

電子伝達系と ADP + P → ATP は別々の反応だから、ADP がなけりゃ、電子は過剰に溜まってしまう事になる。こうなると、電子は呼吸鎖から抜け出し、周りに豊富にある酸素と反応して、反応性が高くて細胞を傷つけやすいフリーラジカル生成することになる。


これは、非常にマズイ状況だ。


だから、マグロ、カツオ、サメはひっきりなしに泳ぐワケだが(もともとATP生成量が少ないからこの程度で回避できるのだろうけど)、人間様はそうはいかない。

ミトコンドリアの多い細胞ほどフリーラジカルにさらされやすいから、ヒトは運動してない時、すなわち、安静時は筋肉への血流を制限(迂回)して、そのぶんミトコンドリアの少ない臓器へ血液を回すことで、この問題を回避している。

そして、、、、

ミトコンドリアで、脱共役を起こさせ、すなわち、電子伝達系で電子が受け渡される時に生じた H+ の膜の内外での濃度勾配を消失させ、熱として発散させているのだ。(哺乳類では ATP 生成率は約40%だとか・・・、後は熱として逃がしている。もちろん、ATP が急に必要になったときは、40%を60~80%に上げるんだろうけど。その為の余裕って見方もあるよね)

マウスのような小さな哺乳類では、体積に対する体表面積の割合が、大型の哺乳類に比べて大きいので、特別に"褐色脂肪組織"なる臓器を用意して、ATP を"無駄遣い"している。。(ヒトでも乳児期にあるのは、筋肉を使わずに体温を保つ為・・・なんて言われているけど、真の理由は、、、??真の理由なんてもの自体があるわきゃないかっ)


というわけで(いささかこじ付け?)、哺乳類を高度に進化した社会になぞらえれば、無駄なくして生命が維持できないが如く、社会システムが機能しなくなるのだ。

民主党あたりは、『無駄を省いて』『無駄を省いて』とうるさいけれど、何が本当の無駄で、何が必要不可欠な無駄なのか?わかっているとは思えないのだが・・・・。そう、フリーラジカル生成の回避すら無駄扱いしているように思えてならないのだ。もっとも、そういう短絡的なことって、国民にはわかりやすいのかもしれないけど・・・・・、その為にフリーラジカルっぽい奴(犯罪者)が増えてる。。。。


さて、これは、一つの企業(規模の大小は問わず)には全く当てはまらないけど、国レベルの大きさになると、とたんに効いてくる事なんだと思う。

企業では、特に私の勤務するところみたいに零細弱小企業では、エネルギー効率を考えないとコロッと死んでしまうことになる。大きな企業や病院でもしかり。これは、生体というシステムを考える時、個々の臓器や細胞たちは、最善の効率で働く事をみてもわかることだ。しかし、、、全体からみれば、無駄(に見える事)をやっている組織もあるわけだが、その無駄のおかげで、生化学反応を最大に効率化(酵素活性)出来てるわけで、、、


例えば、食の安全や医療に関して『安ければ良い』という価値観を当てはめてしまう事が、果たして、民間企業の合理化と相容れるものなのか?

食の安全も医療も破綻しかかっている現実が、そのような短絡的な無駄を省くという考えが間違っているということを証明しているんだと思うのだが・・・。

必要のない医療を無くしていく事と、医療費を抑制する事を一緒に考えてはいけない。トータルで抑制しようと思うと、電子伝達系自体を抑制するようなもので、いざって時(ATP が大量に必要になった時)に、生体は動く事(捕食、危険回避)も出来ずに死んでしまう事になる。

温血動物が温血でいる理由が、体温を一定にする目的の為ではなく、フリーラジカルの障害から身を守る為に発熱で回避している事を考えれば、医療費を公費で賄おうとするから、破綻し、抑制したくなるんだから、そうではなく、各自の自腹で払わせることで回避した方が、生物学的にも自然だと思うんだけど。。。。(余裕があれば公費でみてやればいい)

風邪ひいて病院に行くのは結構だけど、安いからってのが現実の理由。薬局で自腹で薬を買ったり、そもそも、風邪をひかないように自己管理するのが、保健医療を受けるに当っての良識であって生物の知恵だと思う。そもそも保険医療なんだから、自然治癒する疾患は自腹が70%で公費が30%、もしくは免責10000円、これくらいでいいんじゃないの?


と、ひとしきり、鬱憤を晴らした後で、このエネルギーの無駄遣いなのだが、、、

メタボリックシンドロームの観点からすれば、このように無駄にエネルギーを消費してくれると有り難い。ヒトにはマウスのように褐色脂肪組織なる便利な組織が無いから、いわゆる基礎代謝を効率よく上げる事が難しいのだと思うが、、、、なんか無いのだろうか?

脱共役、エネルギーってキーワードで hit するのは UCP だ。

実際、UCP , UCP2 , UCP3 がクローニングされた1997年頃には、肥満、インスリン抵抗性、などとの関連を遺伝子発現や機能制御の面などから、その意義を検討する研究論文や総説なども見かけたが、最近の流行はアディポカインネットワークで、この脱共役はメタボリックシンドロームの界隈には姿を見せなくなっている。脱共役がアディポカインネットワークと繋がると、もう一回、みんなの興味をひけそうな気がするんだけど、、、


でも、やっぱり、食物の過剰摂取の後にUCP 経由で熱で発散させる・・・なんて事は、あまり"良くない"ことなのなぁ?


しかし、まぁ、地球上では食糧不足でどんどん死んでいく人々もいるわけで、そもそも、食わなきゃメタボリックなんて知る由も無いのに、なんか、この分野ってちょっとずれてるんだよなぁ。いや、その生理学や生化学、アディポカインネットワークは、生命の根幹にせまっているようで面白いんだけどねっ!!

ん?まてよ、この間、悪者になってもらったアスピリン、少量で"体に良い"って効果は、もしかしたら脱共役によるフリーラジカル回避の恩恵って機序も考えられる?


p.s.なぁ~んか、以前にも似たようなネタで・・・って思って探してみたらありました。『生活習慣病とマニフェスト』。やっぱり私の脳は、生命の根幹とか、そういう壮大なものを考える時、国のあり方とか、でかい話に結びつける傾向があるようです。。。

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2008年02月13日 11:50に投稿されたエントリーのページです。

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