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2008年09月 アーカイブ

2008年09月01日

無意識の協力者(Unwitting Accomplices)

20080901_Unwitting_Accomplices.jpg良かれと思ってしたことが、反対の結果を招く・・・・、人間社会でも見かける現象がこんなところにもあったなんて、ちょっと驚き・・・・。他の生命体との関わりに限らず、生命現象(病態)を最新の進化学の理解を通して眺めると、その理解を改めなければならない事が多いから、目の玉が飛び出すほどって事ではないんだけど・・・・。

この論文では、好中球は人間の為に働いてるんじゃなくって、寄生虫の為に働いているって事がわかったんだと・・・・。

Science August 15, 2008, Vol.321

多くの寄生虫病は、感染した昆虫ベクターに咬まれることによって伝播される。

咬まれた直後の初期段階での宿主応答が病気の経緯に影響しているらしい。

Petersたちは生体内イメージングを用いて、通常マクロファージに感染する細胞内寄生虫リーシュマニアの感染直後のマウスにおける、初期イベントのダイナミクスを可視化した(p. 970; またJohnとHunterによる展望記事参照のこと)。

予想外なことに、好中球(neutrophils)が虫に咬まれた部位における最初の主要な到達物の1つであり、寄生虫を貪食する様子が見えたが、しかしながら貪食された寄生中は元気で感染性を保持しており、感染を効率的に行っていた。

好中球は宿主の寄生虫処理を助けるというより、この好中球の振る舞いは、感染症の初期のプロセスにおいて、寄生虫がこれらの生得的な免疫細胞を無意識の協力者にしていたのである。

In Vivo Imaging Reveals an Essential Role for Neutrophils in Leishmaniasis Transmitted by Sand Flies
p. 970-974.
IMMUNOLOGY: Neutrophil Soldiers or Trojan Horses?
p. 917-918.

結局、何歳まで生きられるの?って事で、医学に出来る事に限界があるわけで、その年齢まで『厳密に、検査値の異常も許さない』って人から『まぁ、すぐ死ぬわけじゃないから、適当に楽しみながら』って人まで色々いるわけだ。(そもそも、長生きは善なのか?)

生理:ヒトは何歳まで生きられる?

Nature vol.454 (7208), (28 Aug 2008)

酵母や線虫、マウスなどを使った実験から、寿命には可塑性があり、遺伝子操作や薬剤、栄養の調整によって伸縮可能であるという考え方が有力になってきている。

そこで大きな問題となるのは、こういう結果をどうすればヒトに当てはめることができるのか、また、そもそも当てはめることが可能かどうかである。

ヒトの寿命の制限要因に関して現在わかっていることについて、J VijgとJ CampisiがReviewで論じている。

彼らの結論は、ヒトの老化と自然死を何十年も先延ばしすることの実現可能性を判断するのは時期尚早だというものだ。

また、ヒトの健康増進と長命化を可能にする統合的戦略を進めようとするにあたり(p.1067のBox 1参照)、今後の研究で答えを出す必要がある問題についても概説している。

Review Article p.1065


今、信じない人のための〈宗教〉講義 中村 圭志 (著) を読んでいるのだが、本の主旨からすれば、非常に優れた解説本であり、別の視点から眺めると、つくづく、人の価値観って色々なんだなぁって思い知らされる本でもある。

この本の著者は大学院(東大)で宗教学を学んだ人である。だから、その思考が自分のフィールドの言葉で表されるのは当然なんだけど、神事や宗教とは全然関係の無い事柄をも、(人々をその行動に突き動かすメンタリティとして)全て、宗教のフィルターを通して説明しているところから、そう、感じたのである。著者の書いている本の中の人々の話じゃなく、書いている本人(著者)の感じ方からそう感じたのである。幕末から明治、大正、昭和、そして戦後のメンタリティの変化を宗教で説明しているところが。

例えば、歴史学者、心理学者、小説家、政治家、科学者、、、同じ現象を別の言葉で説明してくれる。一番面白いのは小説家のそれだから、歴史的事実ってのは、大衆には、ほぼ小説家の書いた(作り上げた)ストーリー通りで因果関係もその通りだと思い込んでしまうのというのは、置いといて。


人の行動原理というのは、歴史学者、心理学者(文系)、小説家、政治家が語る(説明する)それより、科学者の説明に一日の長があるのは論を待たないけど、これとて、いわゆる"解釈"の問題で、別の見方が出来そうである。

心理:小児期の協力行動

Nature vol.454 (7208), (28 Aug 2008)

特別にデザインされた試験(というよりゲーム)で子どもたちが相互にやりとりをする様子から、ヒトの利他行動や協力行動の背後にある仕組みを明らかにすることができる。

Fehrたちは、いろいろな菓子を報酬とした「共有ゲーム」と「羨望ゲーム」を行わせて、小児期にみられる他者に配慮する傾向が「不平等回避」という特有の形態をとることを示している。

この行動パターンは3~8歳の間に発達する。

3~4歳児では、ほとんどの子どもが利己的にふるまうのだが、7~8歳になると、不平等を回避するような資源分配を選ぶ児童が圧倒的多数となる。

しかし、有利な不平等を回避すると分配行動による犠牲が大きくなる場合には、平等な分配を選択する頻度が低下し、自分の属する社会集団の仲間に有利な計らいをする傾向がみられる。

これらの知見は、平等主義と郷党心(パロキアリズム)の発達の根源が深いことを示唆している。

Articles p.1079

News and Views p.1057


感染の初期に寄生虫の為のように振る舞う好中球だけど、もしかしたら、まだ、発見されていない"長期的な生体防御"の為に、寄生虫を体内に長く"保持"した方が有利なのかもしれないし。

今、わかっている事だけで現象を理解しようとするのは、その昔、モーセが十災をもたらしたと信じちゃったのと同じなんじゃないかな。(モーセは"十戒"という言葉の方が有名だけど、エジプトの王様をビビらせる為に起こした現象を"十災"といっている。一番凄いのが、過ぎ越しの祭りとして残っているあのエジプトで生まれた男の赤子の皆殺しだ。モーセの仲間は、この災いから逃れる術を神から授かっていたっていうアレ)


ところで、生命現象(自然現象)に"善悪"を持ち込んだって、一体、何時頃からなんだろう??『この現象は、体に良い』『体に悪い』なんて、結局、宗教の"道徳観"なんじゃないのかなぁ?

そうだとすれば、西洋の一神教の考え方??
ゴータマ・シッダールタが考え出した仏教には善悪は無かったっていうし、土着の多神教に至っては、道徳とか生活規範にはなりえなかったというし・・・。


あっ!現代の医学は西洋発祥だから、当然か!!医学だけじゃなくって科学も・・・・。

善悪二元論で単純化した現代日本が殺伐として最悪なのは誰しもが感じている所だろう。ドーキンスが西欧社会でこき下ろしている"神(一神教、宗教)"が、そのままの理由で日本に当てはまらない事は、以前にもここで考察したが、善悪二元論が日本を異常事態にしたっていうなら、私も宗教をこき下ろしたいね。

もう、何が何でも消費者が正しくって、弱者が正しいなんて事は止めようよ。(でも、福島の大野病院事件を裁いた裁判官の判断には感激しました。『あの状況での処置に対して、一家言ある人が多数あると言う事は、どれが正しく(善)てどれが間違い(悪)とはいえない。だから、それを根拠に当事者を裁くことは出来ない』というような主旨だったと・・・。まだ、捨てたもんじゃないのか?ニッポン。マスコミの独善と偏見と支配欲で現代社会を善悪二言論にしているのは間違いないけど、今回はそれは置いといて・・・)

消費者庁なる組織が、方向違いに暴走しない事を祈ります。

2008年09月05日

election【選挙】

20080905_election.jpg民主主義の建前に於いては、国民の一人一人が自分の直接の専門分野でない様々な領域の問題の文脈とタームを理解し、冷静なる判断をもって清き一票を投じる事になっている。そして、マスコミや報道は、国民が判断を誤らないように中立に事実を提供することになっている。

しかし、実態は、国民は政治には他人事を決め込み、マスコミや報道は、伝えるべき事実に恣意的に、しかも、とにかく反体制的なバイアスをかけることに腐心している。


今、医療の世界の問題をスポーツの試合に見立てれば、個々のプレーヤーにとって、万全のプレーを行うのと、そのゲーム自体の制度的な妥当性を考察するのとでは、思考と意欲のベクトルの向きは正反対だ。一方でそのルールに基いて闘っていながら、他方でそのルールを疑ってみるというのはなかなか出来ない事である。

はっきり言うと、医療の中心にいる人達には、そのルールの妥当性を評価する事は出来ないと思う。

閲覧に関し医療職限定のあるサイトなどでは、医療の中心にいる人達から医療制度について色々な意見を拝見できるのだが、その意見のほとんどは、プレーヤーにとってのものだ。同様にクライアントである患者の意見もルールの妥当性を評価するには至っていない。


世間(やマスコミ)では"負の遺産"などと形容される小泉元首相の改革路線だが、私は、このベクトルが間違っているとはこれっぽっちも思っていない。

私のフィールドに限ってみても、現在、病院に通っている人達すべてが、公的資金で医療を受けられる事に妥当性を感じていないからだ。(他の分野は知らないけれど推して知るべしだろう)

個々(患者毎)に取り上げれば『情(じょう)に棹(さお)させば流される』のがオチだから、小泉元首相は"すばっ"とやったわけだが、本来、これを『間違っている』と言う方がおかしい。これを間違っているという人は『じゃ、どのレベルの人にまで情をかければいいの?資金が底を付いた時、全員を救えるの?』に具体的に答えなければならないだろう。

こんな質問に答えられる人はいない。結局、自然淘汰じゃないけれど、国として出来る事(限度)を示し、あとは現場に任せるしか解決方法は無いのだ。これとて『非情だ』と非難されるのだろうが、地球上の生物が生きていくって事は、そういう事じゃないのかな。


さてさて、政局は面白くなってきた。

私は、個人的なキャラクターとしては(外交や防衛の姿勢も)麻生さんが好きだけど、赤字国債乱発の近視眼的な財政政策だけは疑問を感じる。。。。もっとも、親分にならなきゃ話は始まらないんだから、リップサービス(大衆に迎合する政策)を以って総裁に就任し、20年後、30年後と、その後の子供達の世代に不安を感じない基礎作りをやってほしい・・・・・。

医療・福祉の資金源は経済の発展に依存させず、尚且つ、『保険料払ってんだから、病院に行かなきゃ損だ』みたいな感情を抱かせず、医学に過剰な期待を抱かせない、(金をかけてもかけなくても、ほとんど結果は同じなんだから)『貧乏人は死ねってことかぁ?』なんて被害妄想を抱かせない、、、、、、
(『ほとんど』の定義をしないと価値観の違いで問題が生じそうな文章だね、コリゃ!・・・・まぁいいけど。)

やっぱ、教育が大事!!ってことですかぁ?!

p.s. election も erection も日本人が発音するとどっちも『エレクチオン』だ。だから、横文字好きなキャスターもこれだけは英語にしない・・・・プっ。

2008年09月08日

ポスドク と ROME[ローマ]

20080908_Postdoctoral_fellow.jpg<あなたはポスドク。教授から『新型の生物兵器防護服を開発する国の秘密研究にさんかしないか?』と誘われた。『何人かの研究員から快諾を得ている』という。さてどうする?>

上は、読売新聞日曜版"立体考差"ってコラムの抜粋だ。編集委員の柴田文隆という方が書かれている。

この柴田氏が研究倫理を教えている理系修士課程の学生77人に、こんな設定でリポートを書いてもらったそうだ。結果はこう。

「参加する」25人(32%)「断る」36人(47%)「場合による」16人(21%)

生物兵器の生産、使用などは国際協定で禁止されているし、講義では毒ガスや原爆の開発に協力した科学者達の罪を指摘し、科学者責任の重要性を強調した後のリポートだったので、「断る」が7割は下らないだろうって思っていたら、、、、なので驚きの結果だったとして書いている。


私なんぞは、、、、、


---さもありなん---


えぇ~!どうしてそう思うの?って問いにはうまく答えられないけど、そんなもんじゃない!?

っていうか、人間の感情とか思考とか行動原理って、人間自身はわかっているような気でいるけど、実は、ほとんどわかっていない。それが証拠に、歴史は繰り返している。わかっているのは、人間も地球上に生息する一生物種だということ。だから、生存本能に従って思いを馳せ、行動する。

(日本で)歴史を語る人が例外なくするのは"悪者を作り出す"事だ。私自身は特に文科系の素養しか持ち合わせていないロマンチストに多いという印象をもっているのだが、それは置いといて。。。。悪者を作り出せば、確かに事後を納めるにはもってこいだ。だが、それは方便であり詭弁にしかなりえない。さらに、未来の為の問題解決には全く役に立たない。

戦争を政治家や暴走した軍部だけで出来ると思っているところからして、すでにロマンチストとしか言いようが無いわけだが、戦闘機を作る科学者・技術者、戦艦を作る科学者・技術者、原爆を作る科学者・技術者、、、、、それこそ、文章として表舞台に出てこない人達の考え一つで、戦争自体が不可能になる事だってあるんだから、最低でも、これらの人を織り込んで、ストーリーを作ってもらいたいものである。

陸軍の要請を受けた理化学研究所の仁科芳雄博士らが、、、、海軍の要請を受けた京都大学が、、、、理化学研究所第三代所長・大河内正敏子爵、物理学者で東京帝大教授、貴族院議員で、理研を財閥にまで育て上げた人達の考えや行動が、単なる"暴走"で表現されちゃうのはなんだかなぁ・・・・・。(大河内所長は、戦後、戦犯にされて公職追放になってるけど)

ところで、ヨーロッパでは『空気から火薬を作る男』として有名になったドイツの化学者フリッツ・ハーバー教授は、戦後、荒廃した大地に必要なのは肥料であり、その為の空中窒素固定法は人類の叡智であるとしてノーベル化学賞を受賞するのだが、敗戦国ドイツに関わる研究者に賞を授けるなんぞは、日本人には理解出来ないメンタリティなんだろうなぁ。日本人は自虐的な言葉を世界に向けて発信してりゃ、誉められるって思ってんだから、世話ないよね。

ごく一部の(マッドな)人間が方向を決定してるんじゃなく、いろんな方向のベクトルの総和で戦争に突入したり、それを回避したり、、、って事が現実なんだろう。それが証拠に、今現在の政治の舵取りすら、いろんな見方(解説、解釈、百花繚乱だ)が出来るわけだ。過去の出来事の解釈だって、おんなじ・・・・・おしくらまんじゅうみたいに、そう、歴史なんてそんな風に流れてる。。。


このコラムを読んで、ふと、そんな事を思ったんだけど、でも、それって、歴史を学ぶ事を考えたら、ぜんぜん面白くないんだよねぇ!

物語には、ヒーローがいて、悪役がいて、それぞれがわかりやすいのが面白い。志を持った一人、もしくは少数の人間が、世の中を動かす・・・これぞロマンである。学校で歴史を勉強する時も、その方が絶対食いつきが良いに決まってる。。。


昨晩から、WOWOW 海外ドラマ『ROME[ローマ]』(米国《HBO》と英国《BBC》が総製作費200億円以上を投じて描く古代ローマ)を見始めた。妻が気を利かせて録画しておいてくれたのだ。ありがたやありがたや。我が妻、見直したぞ!!(WOWOW でそんなドラマをやってたなんてコレっぽっちも知らなかったのだ。妻のヒデオデッキの録画リストを何気なく見て、『なに?ROMEって』って・・・)

で、第一話は、カエサルがガリアからルビコンを越える決心をするところだ。一番の見せ場を冒頭に持ってきてしまう・・・・視聴者はグイグイ引きこまれる・・・・。


---う~~ん面白いっ---

面白いのは、カエサルを有能で狡猾で、とにかく突出したもの凄い人物として描いているからだ。その他、キケロ、カトー、ポンペイウス、、若き日のブルータス、若き日のアウグストゥス、などなど、綺羅な人物が登場するだけで、ゾクゾクしちゃう。こんなところで、『人間の本能の赴くまま・・・、歴史はおしくらまんじゅうのように動くべくして動く・・・』なんてやったら、面白くもなんともない。


歴史教育に小説の類を持ち込むことの弊害は知っている。ロマンチストが作り上げた虚構が鵜呑みにされちゃうとタイヘンだからね。でも、小説が問題なんじゃなく、煽動されやすいことが問題なんだよね、ほんとは。【誰それの歴史観】って言葉で『これは単なる主観ですよ』って定義してあっても、一度、ヒトの脳細胞に刻まれ理解されちゃうと、それが真実だと勘違いしちゃう、、、でも、そんな国民を小ばかにするようなことは誰にも言えない。そして、政治家もまた、そんな国民に動かされちゃう・・・・。

文学や歴史を学ぶってのは、人生を豊かにする為に必要だと思う。学校の授業がつまらないからっていって、機会を損失するのはデメリットだ。それこそ、殺伐とした人間になっちゃう。歴史の授業で小説を使っても『それは作者の主観であって、客観ではない』って、事あるごとに言い含めれば問題ないし、逆に洗脳されにくい教育の反例として利用すりゃいいんじゃないの?(植物性~~って言葉にアプリオリに安全を感じる脳を教育するのと同じ次元かも)


この冒頭のリポートは、その結果を踏まえ最近の理系学生には倫理観の欠落している輩が増えているって、嘆く人もいるかもしれないけど、いくら倫理観や正義感を植え付けられても、結果としては、人類の最終的な不幸としての戦争は回避できないんじゃないのか?って、うすうす気づいてるのかもしれない。

それに現代では、何人にとっても話がでか過ぎる。学生の『養うべき家族がおり、お金に困っている状態だったら魅力的な誘いだ』って理由で参加する人を責められる人がいるだろうか?幕末から明治初期にかけて輩出された偉人たちは、本当に偉人だったとしたら、それは凄いことだけど、理系の目から見れば、必然じゃなくって偶然なんだよね。だから、その再来を期待しちゃいけないし、そんな救世主を求めるみたいな考えは、宗教だよ。

戦争を防ぎたいんだったら、倫理観に訴えるなんてのはナンセンスで、生理的な嫌悪感を植え付けるのが一番なんじゃないかな。人が死んで、腐って、悪臭を放つ・・・・・子供の時から脳みそに焼き付けるような教育をしてれば、結果がそうなる行動に生理的に嫌悪感を持つようになるんじゃないの?

2008年09月09日

LDLコレステロール=悪玉の終焉?

■LDLコレステロールを下げすぎると"がん"になりやすい。。。
■そればかりか、もとから低い人も"がん"になりやすい。。。

ついに、LDLコレステロール値と"がん"が結びついたっ!!

さてさて、みのもんたをはじめ、マスコミ、健康産業はこれにどう対応するんだろう??(多分、無視を決め込んで、今まで通り、『LDLコレステロール=悪玉』を連呼しつづけるんだろう。そして、大衆は、そこまで言うんだから、嘘はないだろう・・・・って)


20080909_hell.jpg阿刀田高氏の『やさしいダンテ〈神曲〉』(私にとってのアンチョコ)によれば、地獄は9層に分かれていて、ミノス王によりどの層送りになるのか決定されるという。

どんな罪を犯したかによって送られる層は変わってくるのだが、現代人の感覚からは『?』と感じるものから、『うんうん、その通り』と納得してしまうものまで、色々あって面白い。

ところで、日本の閻魔大王のような役どころのミノス王は、ギリシャ神話に登場するクレタ島のミノス王のことだ。ダンテの神曲にはギリシャ神話のエピソードがふんだんに盛り込まれており、この知識がないとかなり『???』となる。世に言われるところでは、これがルネッサンスに繋がるんだとか。(幸い、私は『あの事か・・』とニンマリしているが)

そして、この地獄の描写は半端じゃない。私が想像するに、こんな"スゲー"のは神曲以前にはなかった。ダ・ヴィンチやミケランジェロに『神曲が無かったら、自分は無かった』と言わしめたのは、この想像力にイマジネーションを刺激されての事かと・・・。

閑話休題。その層は下に行くほど罪深いわけだが、わが意を得たり!と感じたのが、"偽善"が"暴力"より下の層に置かれている事だ。さしずめ、みのもんたや健康産業の連中は、6層送りになるのだろう・・・・、ざまあみろ!だね。

今回の引用は、ちと長いのでこのエントリー最後にぶら下げることにする。

今朝、母校の先生から電話をもらった。ただならぬ様子なのは、声のトーンがいつもと違う事で察せられた。

薬学部教育が6年制になったのは、もう、ほとんどの人が知っていると思う。そして、国家試験受験資格=薬学部卒業認定に必要な単位として、臨床的な実習が義務付けられた事も(これは一般の人は知らないかも)。

この実務実習は、医学部と違い、実習の場を大学で持たない薬学部は他の施設を利用させてもらう事になる。医学部の付属病院から街の薬局まで。そして、その学生の研修の場の割り振りは、薬学教育協議会という団体が学生の割り振りを担っている。業界では"調整機構"などと呼んでいる。

で、電話の内容はこうだ。

東京薬科大学、明治薬科大学、星薬科大学が"調整機構"から離脱して、自前で学生実習を遂行するらしい。何か知ってる?


薬剤師養成の為の実務実習が必要かどうかという事に於いては、私の考えは『否』だし、そもそも6年制自体も反対なのだが、この際、そんな事はどうでも良い。

薬剤師会の構成メンバーに東京薬科大学、明治薬科大学出身者は多い。そして、その当事者達が薬学部6年制を熱望し、実務実習の必要性を説いて実現したものだ。

その挙句に、薬学部受験学生の資質の低下、薬学部乱立もあって定員割れ、尚且つ、卒業生の倍増に伴う、実習先の不足が表面化したわけだ。

入学したけれど、実習できない、卒業できない、国家試験受験できない、、、、となれば、大学は倒産だ。じゃどうするよ・・・・・・。"調整機構"からの離脱はその答えなのだろう。仲間内(OB、OG)の薬局と内密に契約を結んで、自分のところの学生だけは、十分、実習できるように計らった。


全国の薬学部の学生から実習の機会の均等を奪う行為だと感じるのは、私だけではあるまい。"調整機構"には国立の大学も加わっている。私学なら、薬局経営者の子弟が多いから、なんとかなるのかもしれないが、苦学して国立薬学部に入った学生はどうなるの?(薬剤師になりたいかどうかは別にして)

結果の平等なんて無くてもいいしクソ食らえだが、機会の平等が無いのは、如何なものか。


私がミノス王なら、この3大学は、第6層送りにするだろう。(なんで第9層送りじゃないのか?それは・・・・まだ、9層がどんなものなのか読んでない・・・から。自爆)

でも、まぁ、しかし、ものは考えようで、6年制は仕方ないにしても、実務実習自体は必修ではなく選択科目になる・・・その過程での"切っ掛けとなる事件"と捉えれば、結果は良い事だと私は思う。そうなれば抜け駆けした"間抜け"の吠え面も拝めるし・・・うししっ!

LDLコレステロール値が低いと、スタチン類を使用していなくとも、癌リスクが増大する


提供:Medscape

スタチン治療を受けている患者を対象にした研究で、年齢などの変数で補正しても低比重リポ蛋白コレステロール値の低さと癌との間に有意な負の連関があることが示された。

Michael O'Riordan


【8月22日】スタチン治療を受けている患者は、治療中の低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値と癌との間に有意な負の連関がありこの連関は年齢などの変数で補正しても消えないことが最新研究で示された。[1]しかし、スタチン治療を受けていない対照群でもLDLコレステロール値と癌発生との間に同様の関係があったことを著者らは報告しており、スタチン治療はLDLコレステロール値を有意に下げていても、癌リスクの増加とは連関していなかった。

「LDLコレステロール値が低いほど癌リスクが大きくなるという連関が確かにあることが判った」と上級研究者のDr Richard Karas(タフツ大学医学部、マサチューセッツ州ボストン)がheartwireに語った。「スタチン類はLDLを降下させる能力があるが、スタチン類では癌リスクは増加しないことが今回のデータではっきりと再確認された。」

『American College of Cardiology(JACC)』のオンライン版に速報版として本日発表されたこの分析は、Dr Alawi Alsheikh-Ali(タフツ大学医学部)が2007年にJACCに発表した研究を受けたもので、Karas博士もその論文の上級著者を務めた。この研究は、当時のheartwireの報道にあるように、当初のデザインはスタチン類がLDLコレステロール値を下げる程度と肝毒性・筋毒性との間に相関があるかどうかを調べるものであったが、LDLコレステロール値が低いと癌リスクが高くなるという関係があることが、さまざまなスタチン試験で警告されるようになった。

「こうした介入には、LDLコレステロール値を下げることによる心疾患リスクの低下は、癌リスクの増大で相殺されるのではという明らかな疑問と懸念が生じた」とKaras博士は言う。「これはある種の難問だ。というのも、これまでの研究ではスタチン類を使用すると癌リスクが増大するかどうかを調べるものであり、その答えは『ノー』だったからだ。我々はやや窮地に立たされた。LDLを下げると癌リスクが増大するが、LDLコレステロール値を下げるスタチン類は癌の原因にはなっていないようだと、どの程度言っていいのだろうか?」


新研究の背景

こうした疑問を念頭に置いてAlsheikh-Ali博士とKaras博士がそれぞれ指導研究者と上級研究者として、スタチンによるLDLコレステロール値の低下が癌リスクと連関しているかどうかを1000人年以上追跡したスタチン類ランダム化対照試験15本のデータを総覧した。博士らが総覧したデータは全体で、スタチン治療を受けた患者51,797例とプラセボ治療を受けた患者45,043例であり、患者の追跡年数は平均4.5年であった。その追跡において新規の癌症例が5752例報告された。

スタチン群で治療中のLDLコレステロール値と癌発生とを調べると、治療中のLDL値と癌リスクとの間に有意な負の相関が見られ。LDLコレステロール値が10 mg/dL下がるごとに1000人年あたり癌が2.2例発生した。この関係は、年齢、性別、喫煙状況、糖尿病、高血圧、肥満指数といったさまざまな背景変数で補正しても有意なままであった。プラセボ治療を受けた群でも同様に、治療中のLDLコレステロール値と癌リスクとの間に負の相関が見られ、LDLコレステロール値が10 mg/dL下がるごとに1000人年あたり癌が1.2例発生した。

スタチン類の使用と癌リスクとの連関がプラセボと同程度かを解析すると、Karas博士によれば同程度ではなかった。プラセボ群の患者は、追跡1000人年あたりの新規の癌症例は平均12.6例だった。LDLコレステロール値が10 mg/dL下がるごとに癌症例が2.2例あり、スタチン介入でLDLコレステロール値が平均して40 mg/dL低下していた。このことから、スタチン群では追跡期間中に1000人年あたり癌症例がおよそ8例多くなるはずである。しかしスタチン治療を受けた群での癌発生率はそうなっておらず、追跡1000人年あたり12.7例であり、プラセボ群とほぼ同じであった。

スタチン類は癌リスクを増大させないことが改めて確認されたとKaras博士は言うが、心臓疾患研究者が癌発生を追跡・監視して、こうした介入の全体的なリスクと便益とをさらに詳しく理解することが必要である点をこの研究は呼び起こしているとも博士は言う。また、LDLコレステロール値の低下と癌リスクとの連関の生物学的背景を解明するための基礎科学研究もさらに必要である。

「我々は正しい理由を知らない。したがってできるのはその理由を想像することだけだ」とKaras博士はheartwireに語った。考えられるメカニズムのひとつとして、炎症系とアテローム性動脈硬化の拮抗効果に関連するものがある。博士によれば、アテローム性動脈硬化を発現している者は、免疫系の活動が過剰になっており、アテローム性動脈硬化を持たない者は免疫系の活動が低い。「LDL値が低い者はアテローム性動脈硬化のリスクも低いが、炎症反応のレベルも低いかどうかはわかっていない。このことは、免疫系は身体から癌を取り除く監視系の一部であるために重要である。我々の免疫系は、癌細胞に変異しようとしている細胞を見つけ出し、それを身体から取り除こうとしている。」


この問題について考察する2つの解説記事

Alsheikh-Ali博士らが発表したこの分析には解説記事が2つついた。1つはDr Daniel Steinbergによるもので[2]、もう1つはDr Ori Ben-YehudaとDr Anthony DeMariaによるものであり[3]、著者らは全員がカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の所属である。

今回の知見に関して、心血管疾患を予防するためにはLDLコレステロール値を50 mg/dLにまで低く下げることを支持する立場のSteinberg博士は、スタチン療法が安全であるという点で今回の著者らに賛成しており、スタチン類はLDLコレステロール値の低下に伴って見られる癌リスクに対しては「何もしていない」と述べている。未治療被験者も、スタチン治療患者と同様の「低LDL/高癌リスク」関係を有しており、疫学的相関を因果関係として解釈すべきではないと指摘している。

低いLDLコレステロール値が癌リスクに連関することの説明として、Steinberg博士はこれを、無症候疾患によってコレステロール値が低下することによる「思いもよらない疾患現象」だと考えている。博士によれば、癌はそれが臨床的に顕になる10年近く前からコレステロール値を有意に下げている可能性がある。「大規模スタチン臨床試験でランダムに募集したコホートには、試験登録の時点ですでに癌になっており、そのためにLDL値が低い被験者が一部に含まれていることは疑いない」とSteinberg博士は記している。「LDLが低いのは癌の結果であって原因ではない。」

Karas博士はこうした解釈には納得しておらず、癌が潜伏していた被験者でも癌が明白になると考えられる追跡期間の最初の5年間を除外しても、LDLコレステロール値の低い者に癌が多く見られることは変わらないと述べている。そのうえ、ほとんどのランダム化対照臨床試験は健康な被験者だけを対象にしており、癌患者を登録する可能性はほとんどない。

数週間前に発表された総説論文[4]の中でSteinberg博士は、Dr Christopher GlassとDr Joseph Witztum(両者ともUCSD)とともに、医師の実践は「少なすぎで遅すぎ」だと述べ、脂質降下薬治療のもっと積極的な利用と、アテローム性動脈硬化の発現に対するもっと早い段階での介入を提唱している。博士は解説記事の中で、LDLコレステロール値を下げること自体が、癌の危険性やその他の深刻な結果を招くことはないという自身の主張を繰り返している。

JACCの編集委員であるBen-Yehuda氏とDeMaria氏は、初めて癌リスクを明らかにしたAlsheikh-Ali博士の2007年の論文が、熱心な再検討と議論を呼んだと書いている。むしろ両氏は、この問題が解決したとはまったく考えていない。先月報道発表され、9月にドイツのミュンヘンで開かれる2008年欧州心臓学会に発表を予定している「大動脈狭窄患者の臨床転帰へのシンバスタチンとエゼチミブの効果(SEAS)」試験でも、活性薬群はプラセボ群に比べて癌発生率が有意に高かった。

「ビトリン効果国際試験(IMPROVE-IT)」と「心臓・腎臓保護試験(SHARP)」という他の2つの試験の解析では癌の増大は示されなかったが、Ben-Yehuda、DeMaria両氏は低いLDLコレステロール値と癌との関連は、たとえスタチン類が癌リスクを増大させないといても、まだ解決していないと記している。Karas博士同様に両氏は多くの試験の癌発生率の報告が不完全であることを指摘しており、さらに詳しい研究が必要であるとしている。両氏はタフツ大学の今回の分析を評価しているが、SEASの新データはさらなる研究の必要性を浮き彫りにしているとも述べている。

Karas博士はMerck社とAbbot社から謝礼を、Pfizer社から研究支援を受けている。Alsheikh-Ali博士はPfizer社/タフツ大学医療センターの奨学金を受けている。Ben-Yehuda博士はSchering-Plough Pharmaceuticals社の諮問委員を務め、Merck社から研究助成金を受けている。


出典

Alsheikh-Ali AA, Trikalinos TA, Kent DM, Karas RH. Statins, low-density lipoprotein cholesterol, and risk of cancer. J Am Coll Cardiol. 2008; DOI: 10.1016/j.jacc.2008.06.037. Available at: http://content.onlinejacc.org. Steinberg D. Statin treatment does not cause cancer. J Am Coll Cardiol. 2008; DOI: 10.1016/j.jacc.2008.06.036. Available at: http://content.onlinejacc.org.

Ben-Yehuda O, DeMaria AN. Low LDL-C levels and cancer: Reassuring but still not definitive. J Am Coll Cardiol. 2008; DOI: 10.1016/j.jacc.2008.08.001. Available at: http://content.onlinejacc.org. Steinberg D, Glass CK, Witztum JL. Evidence mandating earlier and more aggressive treatment of hypercholesterolemia. Circulation. 2008;118:672-67.

Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

2008年09月12日

トランス-スプライシングの正常な対応物(The Normal Side of Trans-Splicing)

20080912_chimera.jpg自民党総裁選の5人の候補者の政策が新聞を賑わしている。じっくりと読んだ訳じゃないんだけど、それぞれに(私が感じる)良いところと悪いところがあり、この良いところだけを取り出したような候補者があわられないかなぁなんて思っていた。

候補者を遺伝子とすれば、その政策は mRNA だ。政権を取れればそれが具体化、すなわちボゾームで翻訳=蛋白質が合成されて生理的な機能を発揮するようになるわけだ。

だとしたら、、、、、、

Science September 5, 2008, Vol.321

ヒトの腫瘍はしばしば、2つの別の遺伝子を融合して、その結果、タンパク質産物が発癌性となるキメラのメッセンジャーRNA(mRNA)をもたらすような、染色体再編成をみせるものである。

Liたちは、腫瘍における染色体再編成によって産生されたキメラmRNAがときどき、トランス-スプライシングによって健康な組織内に産生されるキメラmRNAの、恒常的に発現されるバージョンを表していることを示唆している(p.1357; またRowleyとBlumenthalによる展望記事参照のこと)。

(7;17)染色体転座を有するヒト子宮内膜間質肉腫において大量に発現されるJAZF1-JJAZ1キメラ性転写物を調べて、著者たちは、思いがけず、同じキメラ性転写物が、正常な子宮内膜の間質細胞に、それが(7;17) 染色体転座を欠いているにもかかわらず発現していることを発見した。

この正常細胞では、こうしたキメラ性転写物は、独立に転写されたJAZF1およびJJAZ1のRNA前駆体の間でのトランス-スプライシングによって生じ、機能がわかっていないキメラタンパク質へと翻訳されていた。

トランス-スプライシングは哺乳類細胞では稀なイベントと考えられてきたが、こうした結果から、腫瘍における染色体再編成によって産生される多くのキメラ性mRNAについての正常なRNA対応物を探すことによって、これ以外の例が見つかるかもしれないということが示唆される。

A Neoplastic Gene Fusion Mimics Trans-Splicing of RNAs in Normal Human Cells
p. 1357-1361.
MEDICINE: The Cart Before the Horse
p. 1302-1304.

トランス-スプライシング・・・・細胞の中でこんな合理的?なことが起こってんなら、人間社会でもやりゃ~いいじゃん!


ここで、スプライシングの意味がわからない人の為に、簡単に説明!
DNA → mRNA → 蛋白質 という流れは、高校の生物で習った記憶があると思う。かなり端折った説明だが、これが基本だ。

ただ、思慮深い高校生は、なんか腑に落ちないものを感じただろう。あるいは、『人間は遺伝子が全てじゃない』って思う根拠になっちゃったかもしれない。だって、一つの遺伝子から一つの蛋白質が作られるっていうセオリーだと、ありとあらゆる抗原に対応する抗体が作れる筈がない・・・・からだ。だからディテールを知らなければ、人間には遺伝子以外にも何かあるって思うのも仕方がない。。。。

この疑問を解き明かし、ドグマをドグマとして維持し、ノーベル医学生理学賞を受賞したのが、ご存知、日本の利根川進博士だ。この過程で、もう一つの大事な現象であるスプライシングもみつけている。そのスフライシングの話を。。。

遺伝子ってのは、DNA を構成している塩基の配列(シーケンス)として存在するわけだが、真核細胞の場合はそれが飛び飛びに存在している。一つの染色体の30番目~530番目までがAという遺伝子だったとしたら、意味のある部分が例えば30番目~50番目、75番目~85番目、90番目~99番目、151番目~164番目、、、、、に飛び飛びに存在しているという具合に。

この遺伝子Aが mRNA に写(転写)されたばかりの時には、意味のある部分(エキソン)と意味の無い部分(イントロン)と交互に順に並んだものなのだが、この後、意味の無い部分が取り除かれて、意味のある部分、すなわち蛋白質を作る為のアミノ酸の配列を決定する配列(シーケンス)に純化?される。この過程を"スプライシング"と呼ぶのだ。

ということは、、、、ご想像の通り、スプライシングの為され方(失敗も含め)一つで、純化される mRNA に違いが生じる可能性が出てくる。。。。で、事実はその通り、一つの遺伝子から、複数の mRAN が作られ蛋白質が作られる(筋ジストロフィはストップコドンを含むエキソンの前後をガバっと切り落とす荒業=スプライシングのミスで治療が試みられている)。ちなみに、ちいさなRNA断片は、スプライシングに影響を与え、その蛋白質の合成に影響を与えている(全て停止すれば、N末端側、すなわち遺伝子の最初のコードが AUG(メチオニン)じゃなくなるのと同じこと。ジェネティックな変異を伴わない発現制御をエピジェネティックな制御と呼ぶが、ここでは割愛)。

このような別経路のスプライシングをオルタナテイブスプライシングなどと呼んだりするのだが、その一つに、トランス-スプライシングがあるって考えるとわかりやすい。

この場合は、スプライシングの途中にある2つの別の遺伝子の mRNA がお互いに途中がちぎれて、別な頭と胴体がくっ付いちゃった・・・・・・って事。
 
 
 

さて、そうなれば、あの方のアレと、あの方の対○姿勢をトランス切り貼り出来れば、、、、、、。

あっ、しかし、、、、まかり間違うとあの方のアレと、あの方の対○姿勢をトランス切り貼りされちゃう危険性もあるのかぁ・・・・・。


それにしても、今回の総裁選候補者全員が"教育"にプライオリティを置いてない事に、がっかりして、興味は半減してる。そして、笑ったのは渋谷のギャルのコメント!麻生さんは腹黒そうで辞めそうもないから好きって。柔道のあの彼のコメントを真似しただけかもしれないけど、でも、このギャル見識?は、庶民と政治の距離を示していて、なかなか興味深い。

小泉元首相がズバズバ改革を進められたのは、衆議院の議席が2/3にも迫ろうとしていたからだ。そして、その状況で自民党の党是を実行したまで・・・・っていうか、50年~100年の大計としては、アレ以外考えられない。

しかし、やろうとしても、人気がなくっちゃ、議席も獲得できない。獲得するには、渋谷のギャルも同じ清き一票(未成年なら成長しての一票も含めて)・・・・・、なら、これらを取り込まなくっちゃ、、、、騙すわけじゃないけど、渋谷のギャル達には、教育、防衛、外交はどうでも良い事。それに、経済も『かんけ~ねぇ~』から。(このような「メタ認知」がラットよりお粗末なギャルに日本の行く末は左右されるのかって、一次的なお嘆きはおいといて)

脳:自信のほどを算定チュー

Nature vol.455 (7210), (11 Sep 2008)

判断を下す際、最終選択には多くの要因が影響するが、その中には決定の正しさがどの程度かという「信頼度」が含まれる。

従来、そうした「メタ認知」は自己意識の証拠であり、霊長類にしかないものと考えられてきた。

しかし、今回Kepecsたちは、ラットも難しい知覚判断を行うときには、決定への信頼度を計算して使っているらしいことを明らかにした。

2つの匂いを混ぜて、どちらが強いかをラットが正しく判定すれば報酬が得られるようにした。

そして、成分の混合比を変えて決定の難度を調整できるようにしておく。

脳の眼窩前頭皮質のニューロンは、判定が易しいときより難しいときにずっと強く発火した。

このことは、信頼の度合いが意思決定過程の基本的かつ広汎な部分である可能性を示唆している。

Letters to Nature p.227


民主主義なんだから当然ババを引くヤツがいるわけで、野党やその昔の造反組みはその連中の悲哀と、その連中をだしに使う偽善者どもを利用して、のし上がろうとしているだけ。。。。本当に世の中が腐りきってダメなら、『どちらの立場に与しよう・・・』なんて考えている余裕はないだろう。クーデターを起こらなきゃならないわけだからね。

小沢=無責任=一郎率いる民主党は、大きくみればどこが違うのかわかんないようなたわごとばっかり言ってないで、『おおっ!!』って唸らせる事言ってみろってーの!

でも、そんな事は無理だろうから、現実的な次元に戻って、、、(民主党は薄っぺらだし

今回、与謝野さんは『国民に出来ない事は出来ないと、はっきり伝えて・・・、たとえ嫌われたって・・・・』といっている。現実を正確に分析できているのはどの候補者も同じなのだろう。でも、与謝野さんだけは、過去に、このスタンスで何度も落選しているのだ。このスタンスは、私の最も尊敬する架空の政治家、加治隆介みたいだ。このエピソードだけで、私は与謝野さんを好きになった。


でも、これじゃ人気が取れないんだよねぇ!!

小泉元首相の"劇場型"を非難した人たち(マスコミや報道)は、与謝野さんを応援しても良さそうなんだけど、でも、やってない。やっぱ、この手の非難ばっかりの連中は、ただ、反体制で自分に酔っているだけの酔狂なんだよね。


といわけで、今回は麻生さんで行くしかないんだろうけど、自民党としてトランス-スプライシングしてくれればいいんだけどなぁ。誰か、トランスさせちゃう酵素みたいな人はいないのかねぇ!自民党!?

(この論文は、『(染色体)検査の結果には異常はないんですけど』と言われてしまう患者さん、すなわち染色体変異=キメラ遺伝子の生成なくして発がんする個体の存在を説明出来るものなのだが、例によってネタに使って"藪にらみ"してみました。)

2008年09月19日

分子の目だけじゃ、やっぱダメ その2

20080919_molecular_eyes.jpg今週号の Nature vol.455 (7211), (Sep 2008) に、またまた、想像力(藪睨み)を掻き立てられる論文が掲載されている。

やっぱ、"がん細胞"と"がん組織"は別物なんだよなぁ・・・。

分子の目だけじゃ、やっぱダメ』を書いた時も、つくづく感じた事だけど、生まれたてのがん細胞が本物の病気としての"がん"になるには、がん細胞が増えて寄り集まっただけじゃダメなんだよねぇ。(以降を読まれる方は、上のリンク先のエントリーを読んでからにしてくださいね。読まないと意味がわからないかも。。)

だから、やっきになって小さな"がん"を探しても、それが"本物の病気としてのがん"にならないんだよなぁ。ちょっと前に"がんもどき"って言葉が流行ったけれど、あれが今登場して入れば、ちがった印象を与えられただろうにねぇ・・・。

細胞:がんにおけるヘッジホッグシグナル伝達

Nature vol.455 (7211), (Sep 2008)

ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路は、発生中の胚で細胞増殖や細胞運命決定を制御するネットワークの一部として機能する。

また、この経路は多くの固形腫瘍に関与することも示唆されており、その場合は腫瘍細胞の増殖を直接仲介すると考えられていた。

しかし、新しい研究によって、がんにおけるヘッジホッグ経路の、これとはかなり違う役割が示唆された。

がん細胞が分泌するヘッジホッグリガンドは、腫瘍上皮細胞のヘッジホッグシグナル伝達経路は活性化できなかったが、腫瘍細胞が埋め込まれている間質、細胞外マトリックス塊、繊維芽細胞、内皮細胞、および微小血管系に作用した。

腫瘍の増殖は促進されたが、これはどうやら腫瘍細胞の微小環境に対する影響を介して起こるらしい。

これらの知見は、ヘッジホッグ経路アンタゴニストを抗がん剤として使用するのに重要な関連がある。

Letters to Nature p.406

News and Views p.293


今回の論文では、この部分→『がん細胞が分泌するヘッジホッグリガンドは、腫瘍上皮細胞のヘッジホッグシグナル伝達経路は活性化できなかったが、腫瘍細胞が埋め込まれている間質、細胞外マトリックス塊、繊維芽細胞、内皮細胞、および微小血管系に作用した。』が、ちょー大事だ。(ここでは、ヘッジホッグに特別な意味は無いけど、ソニック・ザ・ヘッジホッグと関係あんのかぁ?なんて気になってしょうがない人は、『シマウマの縞 蝶の模様』を読め!)

本来なら、薬物治療のターゲットを"がん細胞"だけでなく、その他、周辺の細胞に向ける事なるのを驚くだけに留まらず、現在の『検査で探し出すがんは小さければ小さいほど良い(早期発見早期治療)』という風潮に一石を投じる事も可能な筈なんだ。


だけど、、、、やっぱ、これは出来ないよなぁ。

なんで、出来ないのか??

大勢の人のニーズに沿わないからだ。製薬会社や検査機器会社に留まらず、病院経営や患者の満足感に至るまで。

「製薬会社や検査機器会社に留まらず、病院経営」ってところまでは、資本主義の社会なんだから、これを否定することはないと思うんだけど、"患者の満足感"は、真実を知った上での"満足"になっていないところが"大問題だ"って思う。

『本当は怖い・・・』なんてテレビ番組は百害あって一利無しだが、その治療を受ける事に、あるいはその薬を飲む事に『メリットは無い』『メリットがあるのはごく一部の人』という事を知らせた上での"患者の満足感"になっていれば、全く問題は無いんだけど。

しかしながら、例えば 1~2mm 立方のがん組織があったとして、それが、育ってその人の命を奪うかどうか、それを患者ごとに予測する事が現代医学では不可能だという事実がある。(だから根こそぎ切り取る。そしてそれに意義があると声を大にしているわけだが・・・医療費抑制効果もあると・・・)

このがんを精密な機器を使って"発見"して切り取る行為は、コレステロール値の高い人全員にコレステロールを低下させる薬を飲ませるのと似ている。コレステロール値も、誰にとってそれが"ヤバイ"のか、現代医学では皆目見当もつかない。(高血圧で糖尿病で両親とも心筋梗塞で死んでいて・・・・って次元の話ではない)

ところで、今現在の医療の問題、すなわち還元すればお金の問題である医療費を考える時、このような行為すなわち"早期発見早期治療"や"検査値異常なら全員服薬"を『必要』と考えるか『無駄』と考えるかの議論はどこかで為されているのだろうか?


私は、知らない。


本来なら"お客さん(利用者)"であり"納税者"である国民に議論してもらうべきだろう。だが、実際問題として、日本人有権者全員が入場できる会場なんて無い。だから、実質的に代表者を選出して・・・・って事なんだけど、選出される人達の中に、このような行為が『必要』か『無駄』かなんて選択肢を提示している人を見た事も無い。。。。(この行為を『必要だ』って前提にするから、消費税20パーセントをどうするか?って政策論争に巻き込まれて煙に巻かれる。為政者は税収がいっぱいあって、それを分配しながら国の舵を執ることが至上の喜びだからね。)


やっぱり、これは、民主主義の『多数の正義』が問題点として露呈し始めている一つの例かもしれない。

だったら、良識ある少数の"頭脳"を持って"独裁的"に決めちゃえばいいのに。。


一昨日だったか、たけしの『独裁国家は凄い』みたいなテレビ番組をやっていた。見たわけじゃないけど、新聞の番組紹介欄に『独裁国家の良い面を取り上げていて面白い。。最後は悪と締めくくっているが』とあった。

医療に関してはキューバの例が映画になったりしているからご存知の方も多いと思う。


アレは、(・∀・)イイ。


それに、世の中に絶対の"善"や"悪"なんて存在しない。全ては主観的で事実は相対的だ。宇宙の理論も含めて。

簡単に言えば、資本主義社会から見るとキューバは"悪"だけど、野球は強いし医療制度は理想的。それに引換え、我がニッポンは、、、、って事だ。


ってことで、結論。ニッポンは良識ある独裁者による独裁制が、、、

(・∀・)イイ


あっ!もしかしたら、すでに現代日本は"頭の良い文系出身者による独裁制"だったりしてね・・・・!?だとしたら、悪い面がでちゃってるの??それじゃ、政府に理系出身者をどんどん送り込んで、反対のベクトルをつくりましょう!!

2008年09月24日

「IT製品、ソースコード開示せよ」...中国が外国企業に要求へ

20080924_Piracy_is_not_theft_in_China.jpg『中国政府は、ソースコードの開示を求める狙いについて、ソフトの欠陥を狙ったコンピューターウイルスや、コンピューターへの不正侵入を防ぐためと説明している』と言っているが、ある筋によれば【日本政府の中枢で使われているルーターにバックドアが仕組まれていた】とのこと。日本国内でルーターを作ってないからしょうがないとはいえ・・・・。

『しかし、開示内容が中国政府を通じて中国企業に漏れる恐れはぬぐえない。そのうえ、日本製デジタル機器の暗号情報も見破られやすくなり、中国の諜報(ちょうほう)活動などに利用される懸念も指摘されている』は、すでに懸念ではなく、事実だという事だ。

それに、『ソフトの欠陥を狙った・・・・』なんて事を言ってるけど、中国で使われているパソコンに入っているOSが、ほぼ、海賊版だという事実をどう解釈すればいいんだろうか?なにしろ、Vista の発売時、『北京の大型PC店で半日で24本も売れた』とニュースになったくらいだから、推して知るべし!?中国政府のパソコンも海賊版でないと誰が言い切れるのだろうか??

「IT製品、ソースコード開示せよ」...中国が外国企業に要求へ

 中国政府が外国企業に対し、デジタル家電などの中核となる製品情報を中国当局に開示するよう命じる新制度を2009年5月から導入する方針であることが18日わかった。

 対象はICカードやデジタル複写機のほか、薄型テレビなども含まれる可能性がある。開示を拒否すれば、その製品の対中輸出や中国での現地生産、販売が一切禁止される。企業の知的財産が中国企業に流出するおそれがあるほか、デジタル機器の暗号技術が中国側に筒抜けとなる安全保障上の懸念もある。経済産業省や米通商代表部(USTR)などは制度の撤回を強く求める構えで、深刻な通商問題に発展する可能性がある。

 中国は、新制度を「ITセキュリティー製品の強制認証制度」と呼んでいる。具体的には、対象となる製品について、デジタル家電などを制御するソフトウエアの設計図である「ソースコード」の開示を外国企業に強制する。対象製品は、開示されたソースコードに基づく試験と認証機関による検査に合格しないと中国で製品を販売出来ないという、国際的に例のない制度だ。

 新制度の対象としては、ソニーが開発した非接触ICカード技術「フェリカ」や、デジタル複写機、コンピューターサーバーなど、暗号機能が含まれる製品が有力。

 中国政府は、ソースコードの開示を求める狙いについて、ソフトの欠陥を狙ったコンピューターウイルスや、コンピューターへの不正侵入を防ぐためと説明している。

 しかし、開示内容が中国政府を通じて中国企業に漏れる恐れはぬぐえない。そのうえ、日本製デジタル機器の暗号情報も見破られやすくなり、中国の諜報(ちょうほう)活動などに利用される懸念も指摘されている。

 業界団体の試算によると、日本企業の対象製品は、現在の中国国内での売上高で1兆円規模に上る可能性がある。在中の日米欧の経済団体は、連名で中国当局に懸念を表明する方針だ。

(2008年9月19日03時09分 読売新聞)


と、まぁ、以上はネットで集めた情報からの受け売りなのだが、気になるのは、日本のマスコミの平和ボケだ。

こんな重要な事をロクに報道もせず、しかも、さらりと受け流す姿勢は、どうゆう理由からなのだろうか??(偉そうな事を喋っているみのもんたのお昼のワイドショーではもちろんの事、ニュース番組と自称している古館や筑紫の番組でも取り上げた形跡は無い)

自虐的歴史観の人たちの神経を逆撫でしないように心がけているからなのか??


中国が他国に対して国益の為にする行為は"当然"だけど、それを国益を犯される日本人が庇うってのは、"気が狂ってる"としか思えないのだが、いかがだろうか?

多分、日本は政府としてはコメント(拒否表明)を出さず、メーカーの判断に任せるのだろうけど、スパイ防止法も無い日本の中枢の機密は守れるのか??


でも、これって、事の重大さを"肌で感じられない"文系出身のマスコミ・報道関係者、文系出身官僚や政治家の資質ゆえだとしたら、、、、、しょうがない。。。


でも、しょうがない、、、でいいのかなぁ。


いやいや、こんな"危機意識"を文系・理系で片付けちゃいけないんだよね。番組作りや紙面作りが、視聴率、購買数に左右されるようになって、格段に質が低下したんだと思うんだけど、結局、"下からの視点"の弊害に尽きるんだと思う。全てが大衆迎合・・・。

大衆に潜在する"モラルリスク"とでも呼べばいいのか、そういう無責任な部分を"上からの視点"で言葉にする政治家が、そろそろ、必要な時期にきているんだと思うんだけどなぁ。"上からの視点"に反発するだけの"報道"にも変化が欲しいしねっ!

この際、"右からの視点"や"左からの視点"は置いといてさぁ。


日本は、技術立国、科学立国を標榜するなら、官僚に、もっと、理系博士を採用すべきだし、参議院は理系・文系の博士号を持つ人達で半分半分で構成したらいいんじゃないのかなぁ!ポスドクを有効活用しない手はないんじゃない!

・・・・本日、昼、参議院での首班指名を見ていて、つくづく参議院の必要性に疑問を感じてしまったので、こんなエントリーになってしまいました。

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