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paroxetineの使用は、乳癌を有する女性に対するtamoxifenの利益を無効にする

20100308_FF7AC_RENO.jpgさてさて、久しぶりに“ジェネリック医薬品”ネタ。

政府は、医療費の抑制に躍起になっているが、今まで、薬局(薬剤師)は、在庫が増えるとかなんとか、ハッキリいって積極的ではなかった(サボタージュ)。

そんな状況を打開する為、政府(中医協)は4月から、薬局の点数に“ニンジン”をぶら下げた。ジェネリック医薬品を使って調剤した“錠数”に応じて、段階的に“加算”を設定したのだ。

これは、薬局の基準加算だから、ジェネリック医薬品の恩恵(安いって事だけ)を受けてない患者には、加算による負担増を強いる結果となる。ほとんどの患者は知らないだろうから、ここで、バラしちゃおう。まぁ、将来、恩恵を受ける為の先行投資って考えれは良いんだろうけど、「健康保険料払ってんだから、もとをとらなきゃ」って考える国民性を鑑みれば、現場での混乱は、、、、推して知るべし??


ってなことは、私にとっては瑣末な問題。いや、現実には“大きな悩み事”だ。10円、20円の違いで、患者さんとトラブルのは、夜も眠れないくらい、私の心を蝕む。。。(ちょっと、大袈裟だが・・・・)


まぁ、全ての患者さんに納得の行く説明を“ひねり出せない”私は、こんな、些細なトラブルに巻き込まれないようにする為に、基準加算は算定しない方針を固めたのだが、、、、、減給、減俸を覚悟の上で!!


なんちゃってね!


単に、面倒くさいだけだったりして・・・・、ハハハ。


で、瑣末な問題ってのがお金の問題だとすると、私にとって重要な問題は何か?

それは、『ジェネリック医薬品は先発品と同等である』と政府が無責任な事を言っていることだ。(同等の定義をせず、曖昧なまま放置プレーしている事に腹が立つのだ)

話をわかりやすくする為に、具体的に行こう。まずは、下の記事をご覧あれ。

Paroxetine Use Negates Benefits of Tamoxifen in Women with Breast Cancer

2010 February 18

tamoxifenはプロドラッグであり、シトクロムP450アイソザイム2D6(CYP2D6)に触媒されて、活性型の代謝産物であるendoxifenに変換される。エストロゲン受容体陽性の早期の乳癌を有する女性では、tamoxifenの使用が乳癌の再発リスクを2分の1に、乳癌による死亡のリスクを3分の1に低下させる。そのような女性の多くが、うつ病およびtamoxifenに関連するほてりに対して選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor:SSRI)による治療も受けている。SSRI、なかでもparoxetineはCYP2D6を阻害することから、SSRIの使用がtamoxifenによってもたらされる利益を無効にするかもしれないという懸念が高まっている。今回の地域住民に基づくコホート研究では、SSRIの使用が、tamoxifenを投与された乳癌の女性の過剰死亡率と関連するかどうかが確認された。

tamoxifen(治療期間の中央値4年)および単一のSSRIによる治療を受けた女性2,430人(年齢の中央値74年)のうち、374人(15%)が乳癌で死亡した(平均フォローアップ期間2.4年)。もっとも多く処方されたSSRIはparoxetineであった。乳癌に関連する死亡のリスクは、paroxetine使用者でもっとも高かった。交絡しうる複数の因子で補正すると、tamoxifenの使用とparoxetineの使用の重複期間が25%、50%、75%増えると、それぞれ乳癌関連死亡リスクが24%、54%、91%有意に増加した。しかし、他のSSRIの服用は、乳癌による過剰死亡率に関連しなかった。


— Paul S. Mueller, MD

Published in Journal Watch General Medicine February 18, 2010


CYP 関連の併用禁忌・注意は薬剤師の最も得意とするところ。猫薬剤師も杓子薬剤師も、誰でも、知っている。っていうか、レセコンで検索かければ、たちどころに、チェックされる。

で、この相互作用データベースのバックボーンは、添付文書。添付文書だから、やたらに警告を発する薬剤師は、“狼少年薬剤師”と呼ばれる事になる。

狼少年と呼ばれないようにする為には、臨床報告に逐一、目配せが必要なのだが、そんなことをする薬剤師は、知っているだけでも・・・・・・・・。恐ろしい。。。。


で、タモキシフェン製剤の添付文書を見比べると、、、、、面白い事が見えてくるぞっと。(神羅カンパニーのレノ(Reno)風に)

CYP2D6については、全て共通で「注意しろよ!ゴルァ」ってなってる。

ノルバデックス錠の添付文書では、併用注意の4.に薬剤名等選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)パロキセチン等とあるだけ。

タスオミン錠には、具体的な薬剤名は無い。

アドパン錠(ジェネリック医薬品の代表:沢井製薬)では、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI) パロキセチン等。本剤の作用が減弱するおそれがある。ただし、相互作用に起因する効果の減弱及び副作用の報告はない。


「報告は、無い」ってか。沢井製薬!

「報告は、あったぞ」っと。


クロピドグレルとPPIの関係にしたって、どの薬の添付文書にも書いてない。先発品に書いてなくたって、ジェネリックに書いて悪いわけは無い。そういうジェネリック医薬品メーカーのなら、率先して変更するんだけどね。

ジェネリック医薬品会社をいじめるのが、目的じゃないので、この辺にしておくが、何もかもが、曖昧としている。

沢井製薬のアドパン錠では、本当に「報告は無かった」のかもしれない。ジェネリック医薬品ってのは、主成分の含有量だけで“同等”と見なされるので、他の企業秘密の部分のお陰で、相互作用を回避しているのかもしれない。最初から、効いてなかったり・・・って顛末だって考えられる。だから、臨床効果も減弱しなかったって。(生物学同等性とは、臨床効果を担保する言葉ではない!)

とにかく、添付文書の使用上の注意・相互作用など、承認を受けた部分以外の記述に差がありながら、「同等」というのは、全く、おかしな話・・・・だぞ、と。


これが、私のサボタージュのエスクキューズだぞ。と。(意味不明)


現実問題として、こんなのは、レアなケースだから、大勢に影響は無いんだろろうけどね。

事実、我が業界では、薬局の都合でジェネリックに変更を強いる医薬品は、既に決まっている。

タモキシフェンのようなクリティカルな薬ではなく、ほとんど毒にも薬にもならないのに消費量の多い胃薬や痰切り薬やビタミン剤なんかが、それだ。商品名で言えば、ムコスタ錠、ムコダイン錠、ムコソルバン錠、、、、ウルソ錠、ゼスラン錠あたりが、狙われている。

キャー、恐いっ!!

先発医薬品メーカーの悲鳴が聞こえてきそうだ。彼らMRはこれが原因でリストラされるわけだが、職を失った人達を救う為に、政府は、また、税金をばら撒くんだろうなぁ?!


政策(結局、お金の問題)で、頑張ってるつもりなんだろうけど、頭、悪いぞ、と。

※ FF7AC では、一番人気はザックスらしいが、私は、レノが好き。

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2010年03月08日 11:24に投稿されたエントリーのページです。

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