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医薬・生命科学 アーカイブ

2010年08月20日

男の“やきもち”“嫉妬”“独占欲”

20100820_16thc-German-woodcut-Chastity-belt.jpg女性の“操(みさお)”って言葉は、どこの国、どの民族にもあるんだと思う。そして、女性にしかわからないこと、、、、それは、、、、

自分の産んだ子が、自分の伴侶の胤なのか、はたまた“否”なのか。

いくら女性でも、操を守らず出来た子が、誰の胤なのか特定することは出来ないが、操を守っている場合に限っては、誰の胤なのかを特定することは出来る。

操・・・いわゆる貞操観ってヤツが、どの国にもどの民族にもあるのは、なにも、道徳的なことだからではない。

集団生活を営む、すなわち互恵的な利他行動をとる生物は、もっとも基本的なところで、“雌の性生活”に影響を受けるからだ。いや、影響を受けるというより、それが在ったが故に、大脳皮質を介して“互恵的利他行動”をとらせているって言ったほうがいいのかもしれない。

余談だけどオスの側の“やきもち”“嫉妬”“独占欲”は、ヒトの集団生活を維持するための適応的な進化の賜物?なのかも。

だとすれば、“物分りの良い男”を演じるのも、結果的には不利益に、、、、?

協力と乱婚の関係

Nature 466, 7309 (Aug 2010)

動物には個体が協同的な社会集団内で生活する種があるが、それはなぜだろうか。

多数の鳥類種を対象とした分析で、ある種が協同的となるか否かは、雌の性生活に左右されることが示された。

協同的な傾向は、例えば雌が1羽の雄としか交尾しないなど、乱婚が少なく、援助者が援助対象を血縁者であるとより強く確信できる場合に強くなる。

乱婚が中程度に行われていると、血縁者と非血縁者とを識別する能力が生じやすいが、乱婚が多くなると、いかなる形式の協力行動も生じにくい。

Letters to Nature p.969
News and Views p.930


フェミニズムやフェミニストを非難するわけじゃない。。。。。そもそも、私は、進化生物学的なモノの考え方が基本にあるので、区別を“差別”と捉える考え方に違和感を覚えるだけだ。

人類にとって、女性に貞節を守らせる事が“差別”に繋がるから、平等に、、、、って言うのだけど、それって、、、、、なんか、不自然に感じるだけ。

nature の論文では、鳥を対象にしているから、ヒトでは当てはまらないって言う人もいるだろうけど、地球上に誕生した生き物なんだから、基本は同じ。


いや、協同的な社会を作ることを“是”あるいは“善”としなければ、雌に貞操を守らせる必要は無い。


言いたいのは、このこと。


子ども二人をアパートに閉じ込めて、死に至らしめた母親をネタに、テレビでは有識者やコメンテーターが自説を展開している。連日、こんなのばっかり。うんざり。


あっ、イタリアに行ってるハズなのに、なんで、そんなこと知ってるのか?って??

夏季休暇は、アルプスの南、イタリア北部のコモ湖で過すはずだったのだが、信州は長野、安曇野に変更になっちゃって、、、、、、ワイドショーも見ていたのだぁ~~~~ってバカ!


閑話休題、ワイドショーから聞こえてくる言葉は、いずれも、生物学的には矛盾する“本性”を同時に“ヒト”に求めるもの。“道徳観”とか“愛情”とか。

少子化対策をただす』で取り上げたとおり、“ヒト”は、我が子に愛情は感じるが、“育児という労務”は愛情に起因する行動ではない。

愛情はオキシトシンと結びつけて考えられるけど、“育児という労務”はむしろ“互恵的利他行動”と結び付けた考えたほうが、自然である。

“子育て”を“互恵的利他行動”と結び付けるなんて、、、子育て真っ最中のお母さん達から“非難轟々”だろうけど、私自身も“子育て真っ最中”なお年頃でもある。っていうか、男が“独占欲”も発揮しない“子ヤギちゃん”になっちまったから、“互恵的利他行動”も取れなくなってるっつーの。

かたほうで、女性の性の解放を叫びながら、もう一方では“モラル”というか“道徳”というか“愛情不足”とかなんとか、いっちゃってる有識者やコメンテーター、辻褄が合わなくなると、社会が悪い・・・・とかなんとか。


バカじゃネ?(語尾の発音は上げる)


“こけし”っていう人形は、“子を消す”という行為から来ている。

昔から、育てられなきゃ、子どもは消されていた。年寄も捨てられてたけど。どこかで折り合いをつけていた。でも、現代は、あれもこれも、あっちもこっちも、みんな巧く行かせたい、、、、

人という字は、人と人が支えあっている状態を表わしている・・・・ってなことを“言わない”なら、女性は操は守る必要は無い。すなわち、究極の女性の解放、究極の独立、究極の対等関係になると言えるのだ。

アパートに閉じ込められて、死んでしまった子ども達を守りたいなら、ヒトの動物としての“性(残酷で理不尽でもある)”を認めるところから始めないと、なにも解決しない。。。。。と思うんだけどなぁ。


そして、このような協力行動を取らせたいなら、有効な手段は、個人の自由ではなく、懲罰を与える者がコストを負担して、非協力者に懲罰を加えることによって安定化できるのである。

行動進化学:懲罰の段取り

Nature 466, 7308 (Aug 2010)

進化ゲームでの協力行動は、懲罰を与える者がコストを負担して、非協力者に懲罰を加えることによって安定化できる。

その形式にはさまざまなものが考えられるが、例として、ただ乗りする者、つまり協力とそれに必要なコストを負担せず利益のみを受ける者に対して個人が事後に懲罰を与えるピア懲罰や、制裁のための準備を事前に整えておくプール懲罰が挙げられる。

前者がつまるところ「私的制裁」であるのに対し、後者は懲罰のために警察を設けるようなものである。

今回Sigmundたちは、コンピューターモデルを使って、ゲーム自体では協力するが懲罰への寄与は拒否する「二次的ただ乗り」への対処に関しては、ピア懲罰よりもプール懲罰のほうが優れていることを明らかにしている。

このモデルは、寄与度を監視して、ただ乗りする者に制裁を与える自治的な機関が自発的に導入される可能性を示している。

これには、トップダウン型の指示や計画は不要である。試行錯誤、そして成功例の模倣だけで、私利に従う個人の間に社会的契約が生まれるのだ。

Letters to Nature p.861


さて、本日から、すっかり夏季休暇も終わってしまって、仕事をするという憂鬱な思いをしているわけだが、往生際悪く、休暇終了間際の8月18日、ディズニー・シーに行ってきた。

行列に並ぶ気などサラサラない私たち夫婦は、待ち時間ナシのアトラクションで娘を“騙しつつ(騙されてないみたいだったが)”、やることも無いので、私は“人間観察”とシャレこんでいた。


平和だ。


日本にはなんの問題も無い。こんなところにくると、そういう思いが一層強くなる。みんな“ヒトの性”通りに行動している。

最低限のモラルを守りつつ、最大限の自己の利益を獲得しようとそれぞれが行動し、折り合いがついているのだ。特別な知恵は必要としていない。そして、民主党が掲げている子育て支援だとか少子化対策だとか、、、、まったく、必要無いことが実感できる。

あってもなくても、やってもやらなくても、状況に応じて、なるようになる、なるようにしかならない、、、、って。

2010年06月07日

アラジン(allergin-1)

20100607_wedding.jpgたとえば、NK 細胞に発現している抑制性の受容体(MHC-1を認識する)は、細胞内に ITIM (immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif) と呼ばれる抑制性シグナルに必須のアミノ酸モチーフがあるのだが、本日、話題のアラジン-1 (Allergin-1) は、細胞内に、ITIM 様ドメインを二つ、細胞外に免疫グロブリン様ドメインを一つ持つということだ。

いつものことだが、Allergin-1 、テレビ報道では要領を得ない。。。ってゆーか、すぐ、特効薬とかノーベル賞とか言い出すし・・・・って、それは置いといて。


ナチュラルリガンドは何だよ???


、、、、まだ、わかってない・・・・・。残念。

Nature Immunology を見ても、「・・・・しかし、allergin-1自体がどのような仕組みで活性化されるのかを解明するには、さらに研究が必要である。」って書いてあるくらいだからねぇ。

重症のアレルギーを抑制 --- Suppressing severe allergy

Nature Immunology, 2010年06月07日

特殊な免疫細胞の一種、肥満細胞が発現する新しい阻害性受容体が、重篤なアレルギー反応を抑制するとの報告が寄せられている。

アレルゲンや昆虫毒、一部の薬剤が引き金となって、アナフィラキシーとよばれる強い免疫応答が起こることがあり、感受性の強い人にとっては命にかかわることもある。この免疫応答は、原因となる毒素に接触すると急激に起こる。この応答にかかわるのはIgEとよばれる特殊な抗体と肥満細胞で、アレルゲンとIgEの複合体が引き金となって肥満細胞の脱顆粒(ヒスタミンをはじめ、アレルギー反応の原因となる有害物質を放出する過程)が起こる。

渋谷彰たちは、肥満細胞で発現されているAllergin-1という受容体を新たに同定した。Allergin-1は肥満細胞上のIgE受容体を不活性化することにより、肥満細胞の脱顆粒を阻害する。Allergin-1をもたないマウスでは、アナフィラキシー応答の程度がより強くなった。

ヒトでもallergin-1が発現されており、これが重度のアレルギーの制御に利用されている可能性が考えられる。しかし、allergin-1自体がどのような仕組みで活性化されるのかを解明するには、さらに研究が必要である。


こうなると、、、、、想像たくましく、、、、、

通常、免疫系は、活性系と抑制系を同時に刺激する。

FcR だって細胞内に ITAM:immunoreceptortyrosine-based activation motif と ITIM:immunoreceptortyrosine-based inhibitory motif を持っているタイプを同時に発現しながら、免疫現象の“+”と“-”のバランスを取っている。

単純に考えるなら、細胞外の免疫グロブリン様ドメインは、IgE と同じものを認識する・・・・ってことで、バランスを、、、、って考えればいいんだろうけど、allergin-1 の細胞外の免疫グロブリン様ドメインは、多様性があるとは何処にも書いてない。

人体内で多様性があるのは、T細胞受容体とB細胞受容体(免疫グロブリン)だけだもんなぁ!

もしかしたら、ポリクローナルに外来抗原を認識出来るとか?(なんだソレ?)

偶然、花粉抗原を認識出来るとしたら、、、、、あっ!でもコレじゃ、allergin-1 遺伝子に SNPs がなきゃ、だめかぁ・・・・

でも、もし SNPs があったとしたら、花粉抗原を IgE と allergin-1 で同時に認識する人は、症状が出ない・・・もしくは軽い!

血液検査で、バッチリスギ花粉に対する IgE が出てるのに、症状が出ない人っているけど、FcεRの低親和性って機序の他に、allergin-1 の同時刺激って機序もあったりして、、、、、


ところで、、昨日、従姉妹の結婚式で、筑波大の関係者と話をした。。。。。というわけで、私は、事前に、本日の報道は知っていた、、、、

なぁ~んてね!!!それは、冗談、冗談。ウソ、ウソ。

筑波大ってのは、ほんとだけど、彼はもう一人の従姉妹の旦那で耳鼻科医。親族席で、そんなヤボな話はしない。ってゆーか、ローマの話で盛り上がっちゃって、、、、散々、聞かされて、うらやまシィ・・・・・・・(彼は、かなりの回数行ってる。なんたって従姉妹と旅先で知り合った。お互い一人旅で。あぁ~「もしもし」って感じ)。

「最後の審判、アレなんか、実物見たら、、、、感激ですよぉ」なんて。ローマ萌え~、爆発しました。行きたいよぉ~~~~~~~って。私は、羨ましいモード全開。

というわけで、結婚式は、最近、はやりの“ハウスウェディング”っていう形式だ。神前でもなく教会で神父さんが、、、っていうのもない。人前結婚というらしい。六本木の“某”レストランで、コジンマリと、、、、、だが、相手はアパレル業界、バレンチノ。なんせ仕事関係で外人さんまで来ちゃってて、ってのは、初めて。

乾杯の挨拶が、通訳を介して、、、、、、。

叔母が呟いていた。
「近所の人たち、招待しなくてよかった・・・・」と。新婦側(我々の側)は、派手な業界関係者はいないもんで、、、。

でも、最後の花嫁(従姉妹)の挨拶には、、、、泣いてしまった。やっぱ、これは必要。お約束。


閑話休題。私が社会人になって間もなくの頃、免疫学では“ヘルパーT細胞”と“サプレッサーT細胞”が、その制御の“中心”だった。

それゆえ、この業界の結婚式では、“ヘルパーT細胞”と“サプレッサーT細胞”を擬人化し、それになぞらえて、新婦と新郎の新生活を言祝ぐ、、、というのが、ちっょとシャレた挨拶だった。そういうのを、よく聞いた。

それが、今じゃ、、、、、Allergin-1 。

いや、カタカナで“アラジン”なら、ディスニーの“アラジン”を連想できないでもないから、ロマンティックな雰囲気は伝わりそうだけど、、、、、それでも、なんか、パッとしない。まして、結婚式で「抑制性シグナル」・・・・・なんて言葉は、間違っても使えない!

免疫現象が“ヘルパーT細胞”と“サプレッサーT細胞”で説明が付いた時には、「なんて、スマートなんだろう!」って、みんなが思った。でも、現実は、、、、解明されればされる程、混沌、、、、っていうか、込み入ってて、決して、スマートじゃない。


・・・・って、私の従兄弟、従姉妹も、残すところ、あと一人。昨日もさりげなく、叔父・叔母の代わりにプレッシャーをお見舞いした。

親族だから挨拶はないけれど、残りの一人は看護師だから、この手のオシャレでウィットに富んだ言葉はかけてあげたいなぁ・・・・、その為にも、スッキリとした解明を期待している。

2010年06月04日

抗がん剤 DDS と がん細胞が HIF-1 を分泌する理由

20100604_aculeus.jpgiRGD という物質をご存知だろうか?薬剤師なら DDS 技術といえば、ピンと来るだろう。そう、抗がん剤を効率よく“がん組織”に運ぶ、話題?のペプチドだ。

私、このペプチドのディテールは知らないんだけど、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の Dr. Kazuki Sugahara の名前は見かけることが多い。名前から判断するに日本人!?

日本人だったら誇らしいけど、頭脳が流出している現状を鑑みれば、素直に喜べない。日本が世界に向けて発する論文数は減少の一途だという。中国にも負けている。

妻が、職場に来た薬学部の学生に最近の薬学部事情を聞いたらしく、眼を白黒させていた。中国語が第二外国語の選択になっているんだって、、、と(妻は何故か中国が嫌い)。

英語は必修だ。我々の頃は第二外国語でドイツ語も履修させられた。必修だ。現にドイツ語の単位が取れずに留年、退学した馬鹿なヤツを知っている。

それがどうだ。今じゃ、ドイツ語と中国語が並んでいる。

現実を直視すれば、当然なんだけど、精神的に“ムカつく”。日本人の体たらくに。

アジアの共通言語としての“日本語”は、、、、、、はかなき夢。

とは、言いつつ、リアリストの私は、娘には「英語と中国語は勉強しなきゃイカン」と言っているのだが、、、、、、。


さて、iRGD は腫瘍血管の内側にあるタンパク質と結合するのだが、ここからが“ミソ”!!

■iRGD は正常細胞内のタンパク質とは結合しない。腫瘍血管の内側にあるタンパク質とだけ結合する。iRGDは結合の際に、薬剤を血流から腫瘍細胞に輸送する能動輸送の過程を引き起こす。

と。

うっひゃー、すげぇじゃん!!!この理屈が、完璧で、ヒトでも、その通りなら!

ってことで、ネズミちゃんで実験での成績は?

ナノ粒子に埋め込まれたパクリタキセルの乳癌細胞における蓄積が単独投与時と比較して12倍に、前立腺癌細胞におけるドキソルビシンは7倍に、乳癌細胞におけるトラスツズマブでは40倍に増加した。。。。

でもって、iRGDはその“化学療法剤”と化学的に結合していないんだってさ!

それでも、このような増加がみられるんだって。

当たり前だけど、iRGDの追加により薬効もまた増加する。たとえば、1mg/kgのドキソルビシンと iRGD を静脈注射すると、iRGDなしで3mg/kgのドキソルビシンをマウスに投与した場合の腫瘍根絶と同じ効果が、毒性を高めることなく得られる。

腫瘍への浸透性の攻撃(Penetrating Attack on Tumors)

Science May 21 2010, Vol.328

腫瘍学における研究における努力のかなりのものが、新しい抗ガン薬の設計に焦点を当てて行なわれている一方、重要であるのに比較的研究の少ない研究領域として、現存の抗ガン薬の腫瘍への輸送と浸透を最適化する方法の開発がある。

従来の研究は、腫瘍血管との特異的な相互作用のおかげで腫瘍組織を選択的に標的として浸透する、あるペプチド(iRGD) の特徴を明らかにしてきた。

このたびマウスモデルを研究することで、Sugaharaたちは、iRGDペプチドの同時注入によって、細胞毒性のドキソルビシン(抗ガン薬)や治療性のある抗体トラスツズマブ(Herceptin)など、いくつかの抗ガン薬の腫瘍への浸透と抗腫瘍活性が、健康な組織への悪影響なしに増大することを示している(p. 1031, また表紙参照のこと)。

重要なことに、そうした効果にはそのペプチドへの抗ガン薬の化学的結合が必要ではないのである。

Coadministration of a Tumor-Penetrating Peptide Enhances the Efficacy of Cancer Drugs
p. 1031-1035.


薬剤師の医療への貢献度ってなんだろう?

喩え話を考えてみた。

“毛深い”ことが悩みのAさんが病院にやってきた。薬剤師は“剛毛”はそっちのけで、“うぶ毛”のことばかり気にしている。うぶ毛の処理方法、うぶ毛の管理・・・・などなど。「アレもコレも伝えなくちゃ・・・・」って。そりゃ、知りたい人も居るだろうけど・・・。

そう、なんか、ピントがズレているって感じ?

その昔、ちょいとプライベートな勉強会を立ち上げていた頃があって、、そこに、これまた、ちょっと、からかいたくなるキャラの30の童貞薬剤師がいた。

一度、みんなの前で発表したいっていうから話させたことがあった。ヤツの所属する薬剤師会で地域の中堅病院の薬剤師たちと話した内容ってのを。

がん患者の退院後をフォローするために、病院の薬剤師と薬局の薬剤師の間で連絡票みたいなもの共有するって話だった。

私は、ヤツに、、、
「そんなことして、なんかメリットあんのか?」
「退院後の処方箋調剤は、毎回、なにか、トラブルものなのか?」
「俺だったら、トラブッた段階で、主治医と話がしたいって、病院に電話するけど、それじゃいけないのか?」
って、聞いてみた。

ヤツはしどろもどろで、私に何を答えてくれたのか覚えてない。何か喋っていたみたいだけど、意味を理解できなかった。。。。

現実的にはありもしないような、それでいて“うぶ毛”のようなトラブルを想定し、それを未然の防ぐんだとさっ!これだけは、なんとなくわかった。


こんな、変化球みたいな内容で、お互いがお互いを、褒めあっている、、、、現実。

もっと、ど真ん中、ストレートな、何か、あるんじゃねぇの?

こんな、マスターベーションしてるから、薬剤師はどんどん馬鹿になる。


ってな、雰囲気が、日本中に充満しているんだよね。


実力の無い奴、無意味な仕事が淘汰されるのは自然の法則なんだけど、「かわいそう」だから、、、って取り合えず、“尊重”しておく・・・・・・ってこと。

これを繰り返していると、感覚が“鈍く”なる。常に意識して、自分の存在に謙虚になっていないと、挙句の果てが、仕分け作業での「二番じゃイケナインですか?」みたいに、本気で“マヌケなセリフ”を吐いちゃうようになる。。

ほとんどの日本人が知らないうちに、GNP でも 論文数でも、中国に抜かれ・・・・。それでも、俺たち、重要で、がんばってるよね!役に立ってるよね!って・・・・・・勘違いから本気モードで。

中国は違うっ!

悔しいけどね。モーターショーで“ものまね”なんていって馬鹿にしている場合じゃない。日本人の想像を超えて、、、、進歩しているんですぜ!!(だって、写真の中華汽車 Aculeus 欲しいもん。すげぇカッコイイ。ミニバンなんか乗ってる日本男児は、、、もう、ダメだヨ)


余談だが、、、薬薬連携って、言葉はいいんだけど、具体的にやろうとしている内容を知ると、いつも、がっかりする。

そんなもの、ICチップの入った保険証が普及すれば、みんなぶっ飛ぶ。情報提供とかお薬手帳とか、入院時の服用状況などなど、、、、、検査結果や検査値まで入ってるとありがたいなぁ。

っていうか、その情報フォーマットを如何にするか?金を掛けずに、今ある汎用なフォーマット、インフラが何処まで利用できるか?(先日のエントリーで書いた iPhone が良い例)

専門家どおし(医師と医師、医師と薬剤師、薬剤師と薬剤師)が、最小限の動作で、最大限の情報伝達を得るには??(最小の努力で最大の効率)

その一次情報を患者が理解できる二次情報に変換するロジックは?

上のように定型業務として、最低限の質の担保を確保したら、・・・・・最後の最後に、患者個別の医療、個の医療の場での薬剤師の貢献できることは?

そういえば、久坂部羊「神の手」では、医療庁構想に薬剤師は一人も入っていない。でも、面白いことに「センセイ」の正体は、、、、には、笑った。味は塩っぱかったけど。


閑話休題。

日本人が、モタモタしている間に、中国にぶち抜かれてたわけだけど、そんなことにイライラしながら、、、、でも、やっぱ、一番、ワクワクして、血圧が上昇するのは、どんな小説を読むより、たった一本の論文だったりする。


次に紹介するのは、私が長年、のどにつかえていた疑問を、氷解してくれるものだ。

2010年の、私にとってのナンバー1は、これ!!

私が、どんなに驚いているか、それを理解してもらうためには、、、


それには、、、、、まず、「がん細胞自殺の仕組み解明 山形大、新治療の可能性も」を読んで頂こう。。。。


2006年10月の段階で、私は「なんで、がん細胞は、HIF-1 を分泌して、酸素を必要とするのか?」って事を疑問に思っている。

そう、この段階で、HIF-1 と、“酸素の必要”が、切り離せていないのだ。

結論から言うと、HIF-1 は、酸素が必要ってメッセージを伝える為のものじゃなく、アポトーシスを抑制する情報として存在していたのだ。HIF-1 と、“酸素の必要”は切り離して考えなきゃならなかったのだ。


どっひぇ~だよね、青天の霹靂、、、、、だから、酸素とか、解糖系とか、TCAサイクルとか、、、、、「がん細胞自殺の仕組み解明 山形大、新治療の可能性も」で考えていたことを、考慮する必要が無い。

すなわち、“がん”は、死なないために、HIF-1 を産生していたのだ。気づいてみれば単純!その結果が、、、、、血管新生でブドウ糖がたっぷりと流れ込んで、解糖系だけでも、生きていける・・・・・・と。合理的、、適応的的だよね。

細胞:低酸素は細胞の生存を助ける

Nature 465, 7298 (Jun 2010)

細胞は、低酸素条件下でも生き残れるように働く巧妙な反応機構を進化させてきており、この機構は低酸素誘導因子(HIF)として知られる転写複合体が主として制御している。

がん細胞も腫瘍微小環境に適応するのにHIFを使っていて、固形腫瘍のほとんどの細胞ではHIFαの濃度が上昇しているが、その理由はよくわかっていない。

しかし、これは患者の予後の悪さと相関している。

今回、その理由と思われるものが、モデル生物である線虫(Caenorhabditis elegans)を使った研究で見つかった。

p53を介したアポトーシス(細胞の自殺)は本来、DNAが損傷を受けた生殖細胞ががん化するのを防いでいるのだが、HIFαはこのアポトーシス過程を阻害していることがわかった。

意外にも、HIFは2つのニューロンでのみ働いていて、線虫のほかの多くの細胞で細胞死を阻害するチロシナーゼTYR-2を上方制御する。

この経路は腫瘍細胞でも働いており、メラノーマ細胞でTYR-2のホモログであるTRP2をノックダウンするとアポトーシスが増加する。

土の中をはい回っている線虫にとって、生殖細胞を自己破壊から守ることは命を守ることになるだろうが、腫瘍中でこの経路が活性化された場合は致死的な結果になりかねない。

TRP2は有望な治療標的となるかもしれない。


やはり、生命の神秘、私をドキドキさせるもの、これに勝るものはないっ!

だって、今日 GSK のアボルブ説明会でも、生命の神秘が紹介されてたもん。それは、プラセボでも前立腺容積が減少する、しかも、10%もってデータなんだけどね(爆)。

2010年05月28日

ほとんどの薬が効かない理由

20100528_%20LOOPY.jpg私は、薬のプロとして“医療という枠の中で”仕事をしているわけだが、時には“シロウト”のような疑問を感じることもある。疑問と言うより、、、、薬って、ほんとに効かないなぁ・・・・と。

ナンでだろう??って。(あっ!ココでは、諸々の現実・実態を知る・知らないらに関わらず、本人が満足すれば良い、すなわち広義の QOL を上げる効果のことではないので、、、あしからず。私は、薬のこの面での効果は認めているし、病気・死を精神的に受け入れる儀式の一つだと思っている。医療は建前上、こんな事は言わないけれどネ)


生命の仕組みがわかっていないから、、、、とは、簡単な答えだが、どの分野がどれくらい解っていて、どの分野がどれくらい解っていないのか、、、、、これが解らない。


結果論からいうと、ほぼ、100%の満足が得られる薬、例えば、頭痛時に飲む鎮痛剤とか、、、、、これは、よく効く。。。。効くってことは、その生理がよく解っているのだろう。いや、解ってなくても、その症状の発生には、複雑な機序はない。。。。。いや複雑にせよ、薬で“止めて”で、実害は無い。治療のターゲットとして、間違ってないし、治療薬のターゲットは解明できている。

しかし、ほとんどの薬は、満足な結果が得られない。ってことは、その機序は複雑。今、目に見えていて、治療の対象としているのは、もしかしたら、的外れ???

例えば、抗血小板剤。血液サラサラが庶民の“キーワード”となって久しいが、血小板の働きを抑制しても、、、、病気としての再発予防は、、、高々、25%くらい。

“シロウト”が聞けば、「えっ?なんで血が固まらないようにしているのに、そんなものなの?えっ?服用量を増やすと、出血する??なにそれ?」って。

「もしかしたら、的外れ?な治療してるんじゃないの?」って感じるんじゃないのかな?余分な知識がない分、“シロウト”は素直に感じるんじゃないのかな?

幾分、いや、かなり“誘導尋問”っぽいかもしれないけど、生命の仕組みを知れば知るほど、この疑問から離れられない、、、、、私。

血塊を捕らえて流す

Nature 465, 7297 (May 2010)

脳の血管では、一生を通じて、小さな血液凝塊や微小塞栓が発生しており、その多くは血流によって取り除かれたり、繊維素溶解系によって分解されたりする。

今回、塞栓血管外漏出という3番目の塞栓除去機序が見つかった。

高解像度での固定組織顕微鏡観察と生きているマウスの二光子画像化法による観察から、多くの微小塞栓が内皮細胞に包み込まれて1週間以内に能動的に除去され、同時にその下の内皮が変形して閉塞物のない血管を作り出すことがわかった。

年を取ったマウスのほうがこの過程に長い時間がかかることから、脳卒中からの回復途上にある患者あるいは加齢による認知障害で、血塊除去は治療標的の1つとなるかもしれない。


血が固まることが“問題”とされたのは、ヒト(生命と言い換えても良い)の進化の歴史をみると解るように、極々最近のことだ。それまでは“血は固まらなきゃナラナイ”だった。

だから、固まって、詰まって欲しくない時(生涯という時間軸)と場所では、その塊を排除するシステムが“進化”した。当たり前のことだ。

西暦2010年になり、初めて、“第三の男”が見つかったそうだが、これは、第四、第五の男の存在を暗示しているとも言えるわけだ。

逆に見れば、今まで、歴史上に“第一と第二の男”しか知られていなかったから、これでシナリオを書かざるを得なかった、と。

血小板の機能を抑制し、液性の凝固因子系の働きを抑制する(今、保険で使えるのはワーファリン、そのうちダビガトランなどが登場する)だけの今、思ったほどの臨床効果を上げられないのは、“第三、第四、第五の男”の存在を想定したほうが、現状を理解しやすい。

シャーロック・ホームズでなくても、こう、推理するだろう。

でも、もしかしなくても、“第四、第五の男”って、“老化”なんだろうなぁ。

老化と切り離せれば、治療も有意義だけど、脳が溶けちゃって(痴呆)なお、生きながらえている“地獄絵”を見た人なら、また、意見も違ったものになるんだろうね。脳卒中だけじゃなく、動脈硬化の抑制や骨粗しょう症の治療などなどなど・・・。


さて、ここで問題になるのが、日本人基質。

結果の平等にこだわる日本人は、、、

不平等な決定を受け入れる心理過程の発達的変化

Science 2010年 5月 28日

Concepts of Fairness and Inequality Develop Over Time

子どもは厳格な平等主義者であり、グループ内での平等な分かち合いに満足する ―― ただし、小学生から思春期になるにつれて、能力主義に変化していくと研究者らは報告している。

Ingvild Almåsらは、5年生~13年生の大規模グループを対象に、経済交換ゲームを実施してこの結論に至った。

著者らは、年齢が増すにつれてスポーツのような成果主義の活動に触れる機会が増すことが、個人の能力を重視するようになる一因であると示唆している。

大人の大半は、個人の能力や外的因子の差によって収入に差があることを正当化しているが、「運」が収入の差に反映しているかどうかについては否定的である。

Almåsらは、公平性の傾向を検討するために設計された標準的実験法、独裁者ゲームの改訂版を用いて、生徒にグループ内で富を分配してもらい、若年世代の公平性を評価した。

その結果、富を分配する際、5年生の大半が厳格な平等主義者であったのに対して、年長になるほど個人の能力を重視する者が多かった。

この観察結果は、子どもが年長になるにつれ、(運ではなく)能力に応じた収入を重視することを明らかにした。

またAlmåsらは、子どもの公平性の概念形成に社会経験が重要な役割を担っていることを示唆している。


富の分配に限らず、“健康”すら平等でないと気がすまない日本人は、、、まるで、、、、

---やっぱり、お子様だったんだぁ---

運動能力の差くらいは受け入れられても、富の分配に限らず、健康ですら、、、、タバコを吸い続けながら、同じ結果を求めている。

子供の頃、勉強しなかったから、現在の収入が低い・・・・くらいは納得できるのかな?でも、小泉首相のせいだとか言ってる“有識者”もいるくらいだからなぁ、、、、

健康保険料で差をつける事も出来ないし。

行政もお子様たち・・・っていうか、庶民(子供)がわがままを言い出すから、怖くて、差もつけられないんだろうけど。“有識者”や“政治家”もお子様が、、、一番、怖いのかも。

遺伝:肺がんの変異

Nature 465, 7297 (May 2010)

ゲノム塩基配列完全解読によって、肺がんを含め、多くのがんの変異スペクトルについて知見が得られている。

最新のシーケンシング技術を使えば、変異の差異をゲノム全域にわたってとらえることも可能になっており、今回、肺がんで実現した。

煙草を15年間にわたって1日平均25本吸ってきたと報告されている男性の原発性肺がん(腺がん)と、それに隣接する正常組織の完全ゲノム塩基配列の比較が行われ、50,000個を超える点突然変異が明らかになったのである。

そのうち530個について詳しい検証が行われ、392個はコード領域にあり、KRASがん原遺伝子の変異と増幅のような既知の変異も含まれていた。

これらのデータは、遺伝的に複雑な腫瘍には部分的に重複する変異が多数含まれている可能性を示唆しており、がんの原因となる頻発性のドライバー変異の同定には、もっと数多くの試料の塩基配列解読が必要だろうと考えられる。


この論文では、、、、、1日平均25本、15年間にわたって喫煙して肺がんになった男性の遺伝子に、50,000個を超える点突然変異が見つかったと書いてある。

50,000個も変異したから、肺がんになったのだろうか?この男性。地球上のヒトがみんなこの男性と同じなら、この平均的な喫煙者のように、みんな肺がんになるはずだ。

でも、事実は、小説より奇なり。喫煙者の半数も肺がんになっていない。

コレは一体、どういうことなんだ???

遺伝子に詳しいヒトなら、50,000個という数字に、あまり意味を見出さないかもしれないけど、“シロウト”との感じ方は、そうじゃないだろう。これがマスコミにかかれば、、、、。

話が、別な方向に向かう前に、元に戻そう。


遺伝子が50,000個も変化するようなこと(喫煙)をしておきながら、結果の平等をも無いだろう!

また、50,000個変化するヒトもいれば、10,000個も変化しないヒトもいるわけで、そんなヒトの体質の多様性があるにも関わらず、結果の平等も無いだろう!

だったら、他人と比べるんじゃなくて、自分はどうしたいのかを考える・・・・・・・!

あっ!お子様には、、、、、、ムリ・・・・・・なのか。

2010年05月21日

バイアグラは特発性肺線維症の治療薬となるか?

20100521_DQ9.jpg本日は、ちよっとマジメなエントリーで(ほんとか?)。

かなり前になるが、肺高血圧治療薬に関して、ホームページを見た方から、質問を受けたことがある。ご自身ではなくお母様のご病気との事で、治療薬に関して詳しいことが知りたい・・・・と。もちろん、内容は書けないが、かなり何度もメールでやり取りをした。

ふと、そのことを思い出した。

Am J Respir Crit Care Med 2005;171:1292-1297 によれば、、、
肺高血圧症(原発性;23名、膠原病;3名)のPt26名(WHO classⅢ型、6分間歩行290-304m、Borg index 3.7-4.8、肺動脈圧 91-96㎜Hg)に対して、ボセンタン投与群(125mg/D×4W→250 mg/D内服)は、シルデナフィル投与群(100mg/D×4W→150mg/D)に比較して、16週間後の6分間歩行、RV massは?

結果、、、、

RV mass ボセンタン群 -3  シルデナフィル群 -8.8
6分間歩行 ボセンタン群 59  シルデナフィル群 114

だそうだ。これだけみると、シルデナフィルの方が成績が良いように見える。

当たり前だけど、シルデナフィルとボセンタンのどちらが、その方のお母様の症状改善に良いのかなんてことには言ってない。それぞれの特徴とお母様の病態に応じた選択をプロスタサイクリン製剤やその他も含めてなされるはずだからね。

ただ、気にはなっていた。

そんな事を思い出したのは、この RCT の報告を読んだからなのだが・・・・・・。

米研究で歩行距離は改善せず、呼吸困難、QOLにわずかな効果

 進行した特発性肺線維症(IPF)に対するホスホジエステラーゼ(PDE)-5阻害薬のシルデナフィル〔商品名は勃起障害(ED)治療薬としてはバイアグラ、肺動脈性高血圧症治療薬としてはレバチオ〕の有効性を検証した米国の研究結果がN Eng J Med5月18日オンライン版に掲載された。一次エンドポイントであった歩行距離が増加した患者の割合についてはプラセボとの間に有意差がなかったが、呼吸困難の程度、QOLなどがわずかに改善している。


“臨床的均衡”を生み出す結果

 シルデナフィルは、進行したIPF患者において換気がよく行われている肺の領域の血管拡張を誘導することで、肺の換気を改善する可能性がある。米カリフォルニア州Sansum ClinicのDavid A. Zisman氏らThe Idiopathic Pulmonary Fibrosis Clinical Research Network(IPF-net)のメンバーは、シルデナフィルが進行したIPF患者(一酸化炭素拡散能が予測値の35%未満)で歩行距離、呼吸困難、QOLを改善するという仮説を検証するため、2007年9月~09年3月、IPF-netの14の医療施設で二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)を行った。

 試験は2つの期間で行われ、第1期の12週間は、シルデナフィルとプラセボの二重盲検比較で、一次エンドポイントを6分間の歩行距離が20%以上増えた患者の割合、二次エンドポイントを酸素化、呼吸困難の程度、QOLなどの変化とした。第2期の12週間は、全患者にシルデナフィルを投与してオープンラベル評価を行った。

 303人のIPF患者をスクリーニングし、6分間で50m以上歩けない患者などを除外した180人がシルデナフィルとプラセボにランダムに割り付けられた。患者の平均年齢は69歳、17%が女性、ベースラインの歩行距離は265mで、肺機能は予測努力肺活量の56.8%、予測一酸化炭素拡散能の26.3%だった。

 12週間後に歩行距離が20%以上増加した患者は、シルデナフィル群で89例中9例(10%)、プラセボ群では91例中6例(7%)で、post hoc解析後、有意差はなかった(P=0.39)。線形混合モデルによると、平均歩行距離は両群で悪化していた。

 しかし、シルデナフィル群では、安静時に測定した一酸化炭素拡散能(差1.55パーセンテージポイント、P=0.04)、動脈血酸素分圧(差3.02mmHg、P=0.02)、動脈血酸素飽和度(差1.21パーセンテージポイント、P=0.05)が改善していた。

 また、「the University of California, San Diego Shortness of Breath Questionnaire(SOBQ)」に基づく息切れの程度(推定差-6.58、P=0.006)、疾患特異的なQOLに関する質問票「the St. George's Respiratory Questionnaire」の総スコア(推定差-4.08、P=0.01)は、プラセボ群で悪化したが、シルデナフィル群で安定しており、同質問票の症状と活動に関するサブスコアでも同様の傾向が認められた。

 健康関連のQOL指標「MOS Short-Form 36-Item Health Survey(SF-36)」では、身体あるいは精神のサブスコアの合計に差はなかったが、健康全体のサブスコアはシルデナフィル群のほうがよかった(絶対差2.86、P=0.008)。呼吸困難の指標であるthe Borg Dyspnea Indexと、一般的なQOLを表すthe EuroQol Group 5-Dimension Self-Report Questionnaire(EQ-5D)のスコアには違いがなかった。

 第1期でプラセボを投与し、第2期でシルデナフィルを投与した患者では、シルデナフィルの投与後、6分間の歩行距離、動脈血酸素分圧、動脈血酸素飽和、一酸化炭素拡散能、息切れの程度などに有意な変化はなかった。

 死亡はシルデナフィル群で2例、プラセボ群で4例、急性増悪はそれぞれ2例と4例でいずれも有意差はなかった。有害事象も両群で同様だった。

 研究チームは、シルデナフィルの有効性を確立するにはほど遠い結果であるが、動脈酸素化、一酸化炭素拡散能、呼吸困難の程度、QOLなどに関して、シルデナフィル群でわずかながら有意な改善が見られており、さらなる研究が必要な“臨床的均衡(clinical equipoise)”を生み出したと結んでいる。


今朝、我が職場担当の MS さんと、何気ない会話・・・・

私「ところでさぁ、レバチオ錠とトラクリア錠って、どっちが売れてんの?」
MS「トラクリア錠ですかねぇ、あっ、でも、アレってメ○ィセオさんの独占販売みたいになっちゃってて・・・」
私「えぇ~?独占販売?」
MS「そうなんですよ。卸価格が厳しく制限されてて、上から、そんなの止めちゃえって・・・。で、結局、メ○ィセオさんしか売らなくなっちゃって・・・」
私「ふ~ん!オーファンだからかなぁ?」

私「あっ、じゃさ、全国で、どっちが売れてるのか、調べられたら教えてっ!」
MS「了解しました」


私の意図は明快である。

効果が高いほうが売れてるのか、それとも、何か恣意的なものがあるのか?はたまた、私の印象シルデナフィル>ボセンタンが間違っているのか?

そもそも、シルデナフィル、ボセンタン、プロスタサイクリンなんどの間に、大きな差があるのか??N Eng J Med5月18日オンライン版じゃ、特発性肺線維症に対してだが、シルデナフィルでさえ、服用しないよりはマシといった程度のものみたいだ。。。

原発性や続発性によって、薬剤の効果に差がつくのだろうか???


私にとっては、わからない事だらけだ!(あっ!そうだ!シルデナフィル vs ボセンタンの文献も、MS さんに頼むんだった!でも、このブロク見てるって言ってたから、コレ読んで、気を利かせてくれるとうれしいなぁ)


さて、私には、薬の効き目に関する“第一印象”ってのがあるんだけど、それは、このような臨床試験の結果ではなく、基礎的な機序による印象だ。これが大きい。

たとえば、シルデナフィル vs ボセンタン でも、臨床効果の比較試験結果を見るまでは、圧倒的に、エンドセリン受容体拮抗薬に分があった。


ホスホジエステラーゼ阻害薬ぅ?古くさぁ・・・・!


って感じで。

なんか、エンドセリンの周辺って、私にとっては、“新しい”って感じなんだよねぇ。そして、新しく解明されたところって、妙に親しみを覚えたりして・・・・・・。

教科書で習ったんじゃなくって、それ以降に勉強したことって、なんか価値が高いっていうか・・・・・。そういう、ミーハー的なところがあって、、、

自分だけ(薬剤師仲間じゃ限られた小数)が知っている事って、なんか嬉しいような、、、、隠れたアイドルを自分だけが知っている時のような、なんか誇らしい気持ちと通じるところがあって、、、、、肩を持ちたくなって、、、、応援したくなって、、、、、って感じで。


こんなになっちゃったのは、多分、基礎系の論文ばっかり読んでたからだと思っている。医歯薬出版の“医学のあゆみ”は、その際たるものなんじゃないかなぁ。働くようになってから、定期購読を始めたから、カレコレ25年。ちょっと遅れて、毎日新聞社刊の JAMA 日本語版(現在休刊。代わりに MMJ を購入している)も購読をしたんだけど、JAMA は面白くなくて、医学のあゆみの方が好きだった。医学のあゆみの方が、知的好奇心を満足させてくれた。

---JAMA 日本語版は、試験の結果だけじゃん---

今では、この重要性がわかるのだが、若い頃は、、、、、、、ってヤツだね。

見栄えが良くても、中身が・・・・・とか、美人は3日で飽きる・・・・・とかと通ずるものがあるんだよなぁ。

多分、歳をとらないと分かんないだろうけど。

そんなのと一緒にすんなよ!って言っても、人間は感情の生き物だから、こういう心理って大きいよねぇ。

RCT って言ったって、割り付け方法がどうなっているかとか、隠蔽されているか?とか、ITTなのかPPBなのかとか、その結果から言える“本当のこと”はそれなのか?とか、、、

とかく、バイアスは入りやすい。惚れた目で見りゃ、、、ならまだ可愛いけど、有形無形の便宜を図ってもらっちゃったり、、、、、まぁ、この手の試験を全て“税金”でやれば、少しは良いんだろうけど。


というわけで、本日は、本物の日記(ブログ)みたいなエントリーでした。チャンチャン。

(補足:これから起こるであろう、私名義の土地がらみの権利関係・人間関係のわずらわしさへの不安と、現在、起こっている隣人による犬のフン害に対する悪感情が入り混じり、、、、、こういう時って、文章は、“やさしく”なるね!ってことは、不満や嫌味を爆発させているときの方が、精神的に健康なんだなぁ、俺の場合・・・・トホホだねぇ)
汝の敵には嫌うべき敵を選び、軽蔑すべき敵をけっして選ぶな。汝は汝の敵について誇りを感じなければならない

      ---フリードリッヒ・ニーチェ

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