ノーベル医学生理学賞は「RNA干渉 (RNAi)」
本日のネタは、もう、これしかないよね。Office Oh!NO のブログなんだから、こういうのは“お約束”だからね。
とは言ったものの、RNAi(RNA interference) ・・・、一般の方はもとより、医療関係者(薬剤師においてはほぼ全滅?)でも知らない人の方が多いと思う。
知ってる人には、その理論も含めて、別に難しい事はないのだが、知らない人には、大変、取っときにくいものかもしれない。
拙著【まめ知識】【Q&Aコーナー】【トピックス】にて「RNAi」をキーワードに検索し、Lecture 『RNAi 新しい遺伝子機能破壊法』を見て頂けると、大体の所が見えてくると思う。
そうすると、「RNAi」の発見が、まさにノーベル賞の理念に叶うものなんだと理解できる筈だ。要するに、生命の根幹に関わる現象で、臨床的な応用は非常に多岐に渡る。そのような生命科学の研究や臨床に多大な貢献をする根源的な“発見”に対して与えられるのがノーベル賞だと。
というわけで、WebMaster's impressions で RNAi の理論や意義を解説するのは冗長になるので、ここでは、別の視点から、RNAi および、ノーベル賞を見てみたい。
さて、私が、今朝、読売新聞の朝刊で見たノーベル医学生理学賞の記事は、一面ではなく、テレビ欄の裏側の反対のページ(わかります?)でだ。こんな、うっかりすると見逃しそうな所に、ひっそりと紹介されていたのだ。
悲しくなった。
教育改革がなんだかんだと、政治家やマスコミも口ばっかりだ。
このニュースは、当然、1面トップを飾るべきニュースだろう!!!
理系離れが指摘されて久しい。学校での授業がつまらないのも一因だろうが、世の中の関心の無さが、こんなところに如実に表れていて、子供たちにも、無意識に伝わってしまっているのだ。
科学の分野で一流になれば、新聞の一面で紹介され、社会から称賛を受けるという刷り込みが、理系離れには、確実に効果がある筈だ。
国を支えるのは、その国の科学力だという事は歴然とした事実だ。
それを、小さい時から刷り込むことで、立身出世=自分の為になり、それは延いてはお国の為になる。そうすれば、日本国民は豊かな生活を享受できるんだ。身近な所では、年金の心配がいらなくなるんだ。という考え方が出来る子供が増える筈だ。
こんな事を言うと、“洗脳”というキーワードで反論もありそうだが、今のマスコミが連日行なっている“特定の国が嫌いになるような”プロパガンダよりはずっとましだと思う。子供たちに大志を抱かせるようなプロパガンダなら、大歓迎だ!!
耳触りの良い「子供たちの興味の対象の自発的な選択を阻害する」なんて言葉も、聞えてきそうだが、子供なんて、自発的に興味の対象なんて探せやしない。偉人達の伝記を読んだって、なにかしら子供の頃に影響を与えてくれる大人がいたはずだ。全員とは言わないけれど。
そういう役目を、新聞やマスコミは意識して欲しい。
村上ファンドやホリエモンみたいな奴等が、多くなれば多くなるほど、日本の国力は衰えるんだからね。国を車に喩えれば、エンジンは理系の頭脳でドライバーは文系の頭脳だと言えると思う。ドライバーがいくらアクセルを踏んでも、エンジンが非力じゃ、スピードでないよ!!
理系と文系がバランス良く存在する事が、国の発展には重要な事だと思っている。(村上ファンドやホリエモンが金を稼ぐ事自体は、当然、肯定するけどね。)
やっぱり、ノーベル賞という大イベントの発表があった日の一面トップに、これを書けない、あるいは朝のズームインで解説員の橋本五郎氏が一切触れていないのは、ノーベル賞クラスの研究内容が理解できていないからだとしか、考えられない。
新聞社やマスコミは、もっと理系を採用すべきだ。
というわけで、新聞各社のこの記事の内容を比較してみよう。どの新聞社が一番内容が濃いか?(ただし、私は、読売新聞しか購読していないので、何面に掲載された記事なのかわからない。これ、各社のノーベル賞に対する位置づけが推測できるんだけどね。)
ノーベル医学生理学賞、「RNA干渉」発見の米2氏に朝日新聞は科学の分野を紹介する時にさえ、『東京大教授らの論文捏造(ねつ・ぞう)疑惑が浮上するなど、激しい競争がくり広げられている分野でもある。』こういう表現を使う。しかも、言いっぱなし・・・。これを読んで、この分野の研究内容にどんな印象を持たせたいのだろうか?その意図が、良く分からない!もしかしたら、科学万能の世の中に対して、警笛を鳴らす・・・とか??(やっぱり“悪”を捏造して、正義の味方になりたいんだ・・・)朝日新聞
2006年10月02日スウェーデンのカロリンスカ医科大学は2日、今年のノーベル医学生理学賞を、米スタンフォード大学のアンドルー・ファイアー教授(47)と、米マサチューセッツ大学医学部のクレイグ・メロー教授(45巨悪は、、、)に贈ると発表した。生体内でDNAとともに遺伝情報を担うリボ核酸(RNA)が遺伝子の働きを抑える「RNA干渉」という現象を見つけたことが評価された。賞金は1000万クローナ(約1億6000万円)で、両氏で折半する。授賞式は12月10日、ストックホルムである。
この現象を応用して、がんなどの治療に生かそうという研究が世界中で進んでいる。その研究に関連して東京大教授らの論文捏造(ねつ・ぞう)疑惑が浮上するなど、激しい競争がくり広げられている分野でもある。
DNAが2本の鎖がらせんのように連なっているのに対し、多くのRNAは1本の鎖状だ。RNAの主な仕事は、細胞核にあるDNAから写し取られた遺伝情報を、たんぱく質の製造工場へ伝える「伝令役」だ。
2人は線虫を使った実験で、細胞の中にわずかに存在する2本鎖状のRNAが、1本にほどけて伝令役のRNAに取り付くと、その部分の遺伝子が働かない「干渉」が起きることを98年に報告した。
人工的につくった2本鎖のRNAを細胞に入れれば、狙った遺伝子の働きだけを抑えられる。病気に関連する遺伝子を邪魔すれば、治療につながると考えられている。
現在、実際に2本鎖RNAを製剤化し、目の病気である加齢黄斑変性の治療を目指す臨床試験が米国で進んでいる。日本でも、がんなどへの治療応用を目指し、動物実験が盛んに行われている。
だから、科学や医療の分野に携わる人達から、総すかんを食らうんだよな!バカだねぇ!
サイエンスにバイアス(偏見)を持たせるなっ!!つーの。
おっと、こんな批判してる場合じゃなくって、RNAi の内容に関しては、まぁまぁかな!私は理解しているので、1を読んで10を想像しちゃうんだけど、知らない人が読んだ時、想像を膨らませるのかは、良くわからない。でも、間違いは無い。
ノーベル生理学・医学賞に米2教授、リボ核酸研究でふむふむ、最後の段落なんて、“未来”を感じさせる内容になってるねぇ! RNAi の解説自体は可も無く不可も無くって感じかな!?スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、2006年のノーベル生理学・医学賞を米スタンフォード大医学部のアンドリュー・Z・ファイア教授(47)と米マサチューセッツ大医学部のクレイグ・C・メロー教授(45)に授与すると発表した。
授賞理由は、たんぱく質の合成を阻害する「RNA(リボ核酸)干渉の発見」。賞金は1000万スウェーデン・クローナ(約1億6000万円)を2人で半分ずつ分ける。授賞式は12月10日に行われる。
RNA干渉は、DNAと同じ化学物質(塩基)で作られたRNAの断片が、細胞内でたんぱく質の情報を伝えるRNAに働き(干渉)、RNAを分解してたんぱく質が合成されなくなる現象をいう。
ファイア教授とメロー教授は、土の中に住む線虫の細胞内に、2本鎖RNAを注入すると、2本鎖のうち1本がほどけて筋肉を作るRNAに結合、筋肉が作られなくなるのを確認した。筋肉以外のRNAでも、ごく微量のRNAの注入で、同じ現象が起こることを確認、1998年、英科学誌ネイチャーに発表した。
RNA干渉の発見は、がん、ウイルス性肝炎やエイズなどの感染症、遺伝性の難病などで、病気の原因となるたんぱく質の合成を抑える「RNA治療薬」を開発する道を開いた。世界でも研究競争が激しい分野となっている。
(2006年10月3日1時48分 読売新聞)
でも、全体的に『サイエンスには関心無い』って感じ。
ノーベル賞:医学生理学賞、米国の2教授に 「RNA干渉」、新薬開発に道毎日新聞も「東京大教授の不正疑惑が発覚、同教授が一部の論文を取り下げるなど・・・」としているのだが、後半の研究の応用と歴史を紹介する事で、この分野の研究者達の間での注目と“過激な競争(秒進分歩)”を良く表せている。スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、06年のノーベル医学生理学賞をアンドルー・ファイアー・米スタンフォード大医学部教授(47)と、クレイグ・メロー・米マサチューセッツ大教授(45)の2氏に授与すると発表した。両氏は生物の遺伝情報を伝える役のRNA(リボ核酸)が対になった「二重鎖RNA」で、遺伝子の発現が阻害される「RNA干渉」という現象を線虫で発見し、98年に発表した。この現象は人間にも共通しており、二重鎖RNAを人工的に作ることで新薬開発などに道を開いたことが評価された。この分野では、国内第一人者とされる東京大教授の不正疑惑が発覚、同教授が一部の論文を取り下げるなど、競争が過熱している。
授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金計1000万クローナ(約1億6000万円)が贈られる。
両氏は、ひも状のRNA2本がはしごのように対構造になった二重鎖RNAを線虫の細胞に入れた。すると、鎖がほどけて1本になり、対応する遺伝子の発現が阻害され、たんぱく質が合成されないことを発見した。
生体内でも、こうした二重鎖RNAが作られ、有害な遺伝子の発現が抑えられている場合があることも発見された。この機能を応用し、網膜の加齢黄斑変性症やC型肝炎、エイズ、がん、ホルモン異常などの治療薬の研究が進んでいる。
◇画期的な技術--東京大医科学研究所の中村義一教授(遺伝子動態分野)の話
最初は「まゆつば」とも思われていた研究だ。それなのに、2人が98年に最初の論文を発表してからわずか8年しかたっていないのに、いまや世界中でこの技術を用いて医学研究が行われ、実用化一歩手前の新薬が開発されつつある。米国では、高齢者に多く、失明の原因となる「加齢黄斑変性症」で実用化が間近になっており、抗がん剤などでの開発が盛んだ。DNAの複製反応を人工的に繰り返して増幅させる「PCR(合成酵素連鎖反応)」に匹敵する画期的な技術だ。
◇大腸菌を使い、14年早く研究--名大教授論文、参考文献に
ノーベル財団は2日、ノーベル医学生理学賞の受賞理由を解説した資料で参考文献として、水野猛名古屋大教授(分子細胞機構学)らの論文を挙げた。
ファイアー、メロー両氏より14年早く、大腸菌を使ってRNAの転写阻害作用を実証していたが、ヒトへの共通性は見いだせなかった。
水野教授はニューヨーク州立大に留学中、この論文を発表したが、その後は研究対象を植物に移した。水野教授は「84年当時は新規性のある研究で、その後、世界中の研究者がいろいろな生物で同じ働きを試し、線虫を使った彼らの研究に行き着いたと思う。ここ数年以内にこの分野の研究者がノーベル賞を受賞するとは思っていたが……。大腸菌より線虫の方が、研究に適していたのだろう。我々の研究は早すぎたのかもしれない」と話していた。【山本建】
毎日新聞 2006年10月3日 東京朝刊
RNAi の説明にしても、ダブルストランド(二本鎖)RNAが細胞質中でほどけて、そのほどけた一方が、mRNA に作用していく様子が、うまく表現されていると感じる。
私が毎朝訪れている医療従事者専門サイト m3.com のニュースソースは、何故か、共同通信と毎日新聞だ。。。。
なんとなく、解るような気がする。。。。
私は、臓器売買に関しては、『別に悪くないジャン。なんで世間では悪い事になってるんだ?』ってスタンスだ。
まずは、憲法と関係の無い所から読んで頂く。
それは、さておき、この護憲派の論法が、あまりにも、皆さんソックリで、びっくりで、開いた口が塞がらなかった。(これは、護憲派の踊りではないですよ)
安倍内閣の感想を聞かれて、共産党や社民党は、朝日新聞と同様の見解『安倍内閣=“タカ派”』と判で押したようなコメントだった。
やっぱり、政治は難しい・・・。